赤穂市尾崎に鎮座される「赤穂(あこう)八幡宮」。主祭神は『応神天皇、神功皇后、仲哀天皇』。『大石内蔵助』ゆかりの品々や、赤穂義士関係の書状などが数多く残されている事でも知られています。
鳥居の側にあって神域を守護されるのは、天保三年十二月建立の、巻き毛がとてもお洒落な狛犬さん一対。市内では二番目に古い狛犬さんだそうです。
口元の曲線も、見ようによってはとってもチャーミング・・って言ったら叱られそうですね(笑)
由緒に「赤穂の氏神さまとして、室町時代応永13年(1406)に、現在の鎮座地に赤穂市の西(銭戸島)から 応神天皇(八幡大神)を遷座。室町時代は播磨国守護赤松家の庇護のもと維持され、江戸時代は赤穂藩主池田家、浅野家、森家の信仰のもと発展しました。明治維新に神仏分離がなされ八幡神社と呼ばれましたが、昭和27年以降は江戸時代の社名である八幡宮へ戻し、現在に至っています。」公式HPより
境内に向かって右手、拝殿へと続く絵馬回廊には、幾つもの世代の絵馬が奉納されています。
長い年月が板上から色を奪い、そのために形も定かでは無くなってしまったものも多く、見ていても、それが何を願っての事なのか、何を記念してのものなのか、判然としません。それでもじっと見ていると、絵や文字にこめられた人々の声が聞こえてくる気がするのです。
絵馬殿の手挟(たばさみ)には渦巻く波の中に龍の姿が。研ぎ澄まされた爪を見せてその姿は雄雄しく獰猛です。
貫に施された像の目には玉が嵌め込まれており、それが何ともいえぬ迫力を見せて参拝者を見下ろします。
美しい佇まいを見せる拝殿には、その美しさに強さを与えるかの如く、面長な額の両脇から長く伸びた角を持つ鬼(瓦)が下界を見つめています。とはいえ、その表情は何故か優しく、人の切なさを見守っているようにも見えました。
瓦と言えば外せないのが、屋根の留蓋で楽しげに遊ぶ阿吽の獅子。幼子のような仕草と表情は細工瓦好きにはたまりません(*^^*)
参拝日:2010年8月9日
社格に比べて立派なな設えなのは赤松、池田、浅野、森と南北朝や戦国時代に名をはせた名将たちの信仰の故でしょうか?
特にこの「赤穂神社」は際立っていますね。
歴代の守護職に護られたという事が、
大きいのかもしれません。
赤穂とは目と鼻の先に住んでいて、赤穂岬など何度も行ったのに
この神社の存在を知ったのは、主人の狛犬探訪がきっかけ。
改めてもっと身近な神社を訪ねたいと思いを新たにしたものです。