みやしたの気まぐれblog

鉄道とか野球とか食べ物とかMacとか、日々の気まぐれ記録。更新も気まぐれ。

特急「いなほ14号」脱線転覆事故についての私見

2005-12-26 23:39:40 | 鉄道その他
まず、犠牲者の方々のご冥福をお祈りします。

1年の間に2回も列車の脱線転覆事故が起き、多くの死傷者が出た事は、鉄道の安全性の根幹を揺るがすものであり、一鉄道ファンとして、残念でなりません。

今回の特急「いなほ14号」の脱線事故は、これまでの報道からの情報を以下に整理する。

 ・車両は新潟車両センターの485系3000番台6両編成(写真は新潟で撮影した「北越」だが、同型、同両数)
 ・列車は北余目~砂越間の最上川橋梁を時速100km程で走行中、突風によって車体が浮き上がり脱線、転覆したと運転士が証言。
 ・事故当時の風速は20m/s前後で、同橋梁の風速計では25m/sを越えておらず、速度制限などの規制はされていなかった。また、同橋梁には下からの突風への対策などもされていなかった。

これらのことから、今回の事故は、昭和60年の餘部鉄橋転落事故の教訓が生かされていないと思える。突風さえ吹かなければ、事故は起こらなかっただろうが、現在の餘部鉄橋が風速20m/sで運転を取りやめる事に対し、今回の第2最上川橋梁(橋梁の建設情報は土木学会のこのページに掲載されている。橋梁写真もある。)では「警戒」となっているだけで、速度制限もなかった。これはJR東日本の規制が甘いと取られる可能性が高い。おそらく、今後は橋梁における風速計の設置基準、風速による運転基準の見直しが行われるだろうが、事故の教訓でしか改善されないことが鉄道における安全への過信と言ったところだろう。もし、徐行運転していれば、同じく脱線していても被害はもう少し小さかったのではないだろうか。

余談だが、今回の事故の車両、485系が古いから事故が起きただとか、死者が出ただとかは、あまり根拠が無いと思っている(今朝、某ラジオで古い車両が悪いと言っていた芸人がいるようだが)。あいにく、3000番台の諸元表が手元に無かったので、485系0番台の自重だが、モーター付きの電動車で45t前後、先頭の制御車で39t前後と言ったところだ。これを最新型の通勤電車、JR西日本の321系(尼崎で事故を起こした207系の後継車種)で見てみると、電動車が35t前後、付随車(中間のモーター無し車両)が27tあまりで、重量からするとずっと重い。したがって、突風によって浮き上げられる為には、同じ速度で走っていたら、485系の方が浮き上がり難いはずだ。また、鋼鉄製の車体である485系なら、ステンレスの207系や321系よりも横からの圧力には強いのではないかと予想する(ただし、側面の内部構造を理解していないので、この予想は定かではない)。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 人口の減少と現代社会 | トップ | 忘年会 »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
その後の動きを見て (みやした)
2006-01-01 13:46:01
その後の調査の結果、ダウンバースト現象、竜巻なりマイクロバーストなりが発生した可能性があるとされています。こうなると、完全に天災なわけで、もはや予想しようもない災害という事になりますね。せめて、山形気象台が警告を出せるようになればいいですけど、竜巻に勝てる車両を作れとか、竜巻を予想した運転をしろって無理だよなあ。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

鉄道その他」カテゴリの最新記事