日時:2023年(令和5年)11月9日(木)10:00~12:00
テーマ:ジェンダー平等から考える 「あなたのこと」「わたしのこと」
講師:松村 幸裕子 氏
第5回イキイキさわやかに学ぶ会は、人権問題からのワークショップ行っておられる松村幸裕子さんが
お話ししてくださいました。
松村さんは10代の頃から自分達に関わる事が、誰か知らない大人に決められていることに違和感を抱き、
「声を集める」「声をあげる」活動に関わるようになられたそうです。
障害や住んでいる場所で差別されてきた人達、外国人などの社会的マイノリティーの声が社会に伝わっていない事を知り、
ワークショップの手法を用いて様々な人権課題について考える場所作りを展開したり、NPO等組織内の問題解決を評価の手法を用いて伴走支援する活動をされています。
最近よく耳にする「ジェンダー」とは文化的・社会的に構築された性差の概念の事で、生まれつきの身体の性とは区別されます。
現状として、女性の身体をもつ人は「女性らしく」、男性の身体を持つ人は「男性らしく」振る舞う事を社会から期待されている側面があります。
日本のジェンダー平等に向けた歴史として明治・大正から女性解放運動が盛んになり戦後ようやく「男女共同参画」に向けて動き出しました。
ここ30年、40年でやっと男女平等にできるようにしようと制度として整ってきており色々是正されてきてはいるものの、まだまだ男性優位の社会となっています。
例えば、
・ジェンダーギャップ指数(男女格差の度合いを示す指数のこと)が146ヵ国中、日本は125位とかなり低い順位となっている事。
・父子世帯の貧困率が22.9%なのに対し母子世帯の貧困率は50%を超えている事。
・国会議員の数において女性議員の数が全体の15.4%しかいない事。
・選択的夫婦別姓に賛成の割合は70.6%にもなるにも関わらず法改正が進まない事など。
日本にはまだまだ男女平等とは言えない現状があります。
ジェンダー平等に対する現在社会の取り組みとして、SNSが普及しMeeToo運動など声をあげる環境が整いつつあることで、
泣き寝入りする事なく賛同する仲間を集めて大きな影響を与える事ができるようになってきています。
またそれに伴い、ジェンダーニュートラルなフリーイラストが作成されるようになったり、メディアにおいてもジェンダーステレオタイプの広告を表現しないようにする試みなど社会も少しずつではありますが変わってきています。
松村さんは最後に「すべての人が「わたし」と「あなた」を大事に出来る大事にされる社会にしていきましょう。」とお話されていました。
《松村さんのお話を聞いて》
私自身が生まれてから「男らしさ」「女らしさ」を求められる当たり前の世の中で育ったので、自分の子育ての場面にもその影響が出てしまっていると反省しました。今回の講演をきっかけに、まずは子どもたちには「男だから」「女だから」という決めつけは抜きで、「あなたはどうか」という視点で会話したり、物事を決めたりしていきたいです。そういう環境で子どもたちは自分やお互いを大事に尊重できる心を育てながら、更には次の世代がジェンダー平等のより良い社会につながる一歩となればいいなと願います。