明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

原発の危険性とあらためて向かい合おうー「放射線副読本」読み解き会第3回目を3月19日に行います! 明日に向けて(2172)

2022年03月15日 23時00分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220315 23:00)

『放射線副読本』読み解き会、次回は3月19日(土曜日)

『放射線副読本』読み解き会を、大津市で継続的に行っています。次回は3月19日午後2時から。ぜひご参加下さい。


申し込み先 yomitokkiradiation@gmail.com

ロシアのウクライナ侵攻の中で、原発の危険性にあらためて大きな注目が集まっています。
福井県が若狭の原発銀座への自衛隊の緊急配備を要請し、政府も警備隊の配置などを考えると言い出しています。

しかし原発は軍隊では守れません。そもそも軍隊がいたらかえって危険性が高まります。
それに原発は地震でも壊れるし、構造的な欠陥ゆえに、自然災害がなくても壊れます。(スリーマイル島原発もチェルノブイリ原発も、それ自身の欠陥から大事故を起こしました)
原発が過酷事故があったら、たちまち膨大な放射性物質が飛び出してきます。

このため原発から命を守るために大事なのは、放射性物質の危険性をきちん学んでおくこと。
ところが日本政府は一貫して反対のことをしている。原発を人々に受け入れさせるため、放射線被曝の危険性を小さく小さく描いてきたのです。
その一つの象徴が、文科省が作った『放射線副読本』。それなら反対にこれを正しく読み解き、何がどう隠されているのかをしっかりつかむのが「読み解き会」の趣旨です。

詳しくは以下をご覧下さい。
https://toshikyoto.com/press/7080.html


読み解き会2回目では原爆についての解説を加えました

この観点からすでに2回の読み解きを行って来ました。2回目の動画をアップします。

『放射線副読本』読み解き会 第2回目(2月19日) 録画

今回は『副読本』の「第1章放射線について知ろう-2 放射線を受けると、どうなるの」のところをハイライトしました。
「放射線が人の健康に及ぼす影響については、広島と長崎に原子爆弾(原爆)が落とされ、放射線の影響を受けた人びとへの調査などの積み重ねにより研究が進められてきており・・・」と書かれた章です。
一見、原爆について論じるのかと思いきや、原爆でどんな被害が起こったのか、被爆者がどんな目にあったのか、まったく書いていない!被爆被害がまったく無視されています。

このため、今回の読み解きでは、原爆による甚大な被害の実態と、それがどう隠されてきたのか、詳しく解説しました。

なおパワポ使用時にzoomが使いにくくなり、スライド表示にできなかったので多少、お見苦しいですがご容赦を。
スライドは以下からゲットできます。
https://drive.google.com/drive/folders/147DEk7Gg1JkKSNU_ZJUn1ar4QOB38M6R


読み解き会1回目は放射線が発見されると同時に悲惨な被曝が始まったことを解説しました

『放射線副読本』読み解き会1回目録画


1回目の解説の切り出し動画です。
放射線の発見者たちは悲惨な末路を迎え労働災害も起こったー『放射線副読本』読み解き会 資料編録画


被曝について学びを深めよう

昨年暮れに、原発・放射線被曝問題についての僕の一年間の活動の集大成と言える講演をしました。
これをご覧になればかなりトータルに被曝問題の今がつかめます。ぜひご覧下さい。

福島の今、復興の今、被爆問題の今、2021年の原発・放射線被曝問題を振り返って 講演録画(2021年12月19日)

#放射線副読本 #すっきり読み解きBOOK #福島原発事故 #原爆 #にょきにょきプロジェクト #放射線を受けるとどうなるの #戦争と原発 #被爆者 #ヒロシマ #ナガサキ

*****

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東日本大震災と福島原発事故から11年ー真の平和と核なき未来を求めて 明日に向けて(2171)

2022年03月14日 15時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220314 14:30)

 東日本大震災と福島原発事故で、命を落とされたみなさまに哀悼を捧げます

東日本大震災、そして福島原発事故から11年が過ぎました。
あの時、そしてその後に命を落とされた、全てのみなさまに哀悼を捧げます。
ご遺族のみなさまや被災されたみなさま、サポートに尽力されたみなさまにお見舞い申し上げます。

昨年、福島原発事故から10年を経て、何をどう考えたら良いか、ヒントとなるものを作りたいと「にょきにょきプロジェクト」から新BOOKを出しました。
『AFTER TEN YEARS 命を守り育むために 福島原発事故から10年を振り返る』 です。以下からダウンロードできます。
https://nyoki2pj.com/lp/after10/

冊子版をお求めいただける方はこちらからお申し込みください。
https://forms.gle/TqJ6AnTGYTMfXZUr6


10年を振り返って問うたこと

この冊子では以下の点を「にょきにょきプロジェクト」で語り合いました。
1、2011年3月、この国は東日本が壊滅してしまう寸前の状態にあった
2、原発の危険性に気が付いた人がその後起ちあがり、たくさんの原発を止めてきた
3、核燃サイクルの要であった高速増殖炉もんじゅも廃炉になり、原発輸出もすべて食い止められた
4、私たち民衆にはすごい力がある
5、しかし福島原発からはすごい量の放射性物質が飛び出した
6、健康被害が広がっているのになんら省みられていない
7、まだまだ被曝と向き合うこと、避難も保養も必要
8、そもそも被曝被害は核大国によってとても小さくされてきた
9、命を守るための活動をこれからも続けよう

以上の点を、みんなで行きつ戻りつしながら討論し、原稿にしました。
いろいろな立場の人のことを、できる限り考え、反映されたつもりです。
ぜひ多くの方に読んでいただき、これからの10年を共に歩みたいです。


冊子30ページで「新ヒバクシャの能力減退症」を唱えている三田茂医師の見解を紹介


祈り 私たちからの 即興津軽じょんがら曲弾

同時にこの冊子をネットにリリースするにあたり、メッセージ動画を作りました。
冊子の発案者である、瀬戸内交流プロジェクトの蝦名宇摩さんが、京都・法然院で「即興津軽じょんがら曲弾」を奏でてくださいました。
これに、にょきにょきプロジェクトのにしむらしずえさんが詩を書いて、メッセージとして載せました。ぜひご覧下さい。

祈り 私たちからの 即興津軽じょんがら曲弾

私たちがここで問いたかったのは、被曝を避けたり、コロナから身を守る努力の中で、私たちはともすれば分断させられてきてしまったのではないかということ。
何が正しいか、判断が分かれ、時にその片方はもう一方を否定するものとなりました。なんとかその対立を越えられないか。それぞれの判断をもっと尊重できないか?
それぞれの判断の愛おしさを思い起こして欲しくて、私たちはこの動画をリリースしました。

そしていま、ロシアにウクライナに攻め込み戦争になる中で、やはりまた激しい「戦い」が起こっています。
いやウクライナはその前から内戦があったし、世界にはあちこちで武力紛争が起き続けています。
そんな中であくまで「分かり合う」道を目指していきたい。そう思います。

ぜひ私たちからの「祈り」をご覧下さい。

#東日本大震災 #福島原発事故 #津軽じょんがら曲弾 #にょきにょきプロジェクト #いしむらしずえ #蝦名宇摩 #AFTERTENYEARS #新型コロナ #被曝防護 #ウクライナ

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どうして人間は賢くならないんだろう。残酷な戦争をまたやるなんてーという問いにお答えして・・・ 明日に向けて(2170)

2022年03月10日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220310 23:30)

ビジルのスライドショーをご覧下さい

2月27日に「戦争やめて!キャンドルビジル」を行いました。
スライドショーを作ったのでご覧下さい。


なぜ戦争がまた行われているのか

先日、『AFTER TEN YEARS命を守り育むために 福島原発事故から10年を振り返る』 を一緒に出した蝦名宇摩さんから、こんな質問をいただきました。
「どうして人間は賢くならないんだろう。残酷な戦争をまたやるなんて。戦争をしない人間を国のトップに選ばないといけないのに。日本含め、戦争をやりたがる人間が選ばれている不思議。」

これにこうお答えました。

宇摩さん。実は日本では「戦争は悪いもの」と捉えるのが常識ですが、世界ではドイツと並んで、ものすごく稀な国になるんです。
世界の常識は「戦争には正しいものと、間違ったものがある」というものなんです。

正義の戦争は「祖国防衛戦争」だったり、「第二のヒトラーを登場させないためのもの」であったり。
それは「断固やれ」と言うのが、世界の主流的意識です。主流と言っても「政治家たちの」と注釈をつけた方が良いな。

だから「ロシアが悪い」となるとすぐに「ウクライナに武器を送れ」となってしまう。
ウクライナも「徹底抗戦」を叫んで徴兵したり、義勇兵まで招き入れている。

でも「その正義は本当に正義なの?間違っていやしない?」
そのことを日本は、第二世界大戦を通じて、嫌と言うほど学んだのです。
それで日本では「戦争はよくない」が常識になったのです。


蝦名宇摩さんは津軽三味線のお師匠さん


シンプルに「戦争やめて」と声を上げ続けよう

いや実は世界の中にも、そうした思いはたくさんある。庶民の多くは、いつでも戦争を嫌がっています。
「断固やれ」というのは、正確には「世界の政治の中枢を占める政治家たちの中の主流的意識」。まず戦場に行くことのない方たちの意識です。

だからシンプルに「戦争はよくない!」「戦争なんてまっぴら」と言う声をもっと高めましょう。
戦争はいつでも、絶対善と絶対悪という構図で行われます。というかそう考えないと、兵士たちはバリバリと相手を撃てない。殺せない。
だから反対に、たとえ相手が悪でも「殺すな!」と言いましょう。あるいは「殺すことが勝ちではない」とも。

さらには「相手の人間性を信頼し、自ら先に武器を置こう。それを日本は選択した」と世界に向けて語りましょう。
それがこの国の憲法の魂です。だから「撃つな」と言いましょう!

「そんなのは甘い。頭がお花畑だ」とか叫ぶ方にご用心。
その後ろにはほら、軍需産業の顔が見え隠れしています。戦争で商売している方たちで、この方たちもまず戦場には行きません。(宇摩さんへのお答えはここまで)


戦争やめて! ロシア軍の軍事侵攻に反対して声をあげるロシア市民 サンクトペテルブルクにて(Anton-Vaganov/ロイター通信)


憲法を生かしたい

僕は今こそ、憲法の非戦の心を世界に示すときだと思います。
そんなとき、京都で府知事選に向かっていますが、私たちの予定候補者の名前は、かじかわ憲。憲法の「憲」の字を持った方です。
僕は「運命の巡りあわせだ!」と思っています。

かじかわさん自身は、こんな風に自分の名前のことを話されています。(事務所開設式にて)

そう。国や政府ではなく、諸国民の平和を愛する心を信頼して歩むのです。
「戦争はよくないもの」という、実は世界の多くの人々が胸に秘めている思いを、世界の常識にしましょう!
戦争をとめるために、平和のために、ともに歩みましょう。

#戦争やめて #撃つな #蝦名宇摩 #非戦の心 #憲法を輝かせよう #かじかわ憲 #キャンドルビジル #軍需産業 #平和のために #京都府知事選

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嶺南地方(福井県南部)に自衛隊配備を緊急にと福井県知事が要請!いやいや原発は軍隊では守れません。安全確保のためには「止めてなくす」しかない! 明日に向けて(2169)

2022年03月10日 11時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220310 11:30)

若狭への自衛隊配備はあまりに愚かな道

福井県知事が、ウクライナでの事態を受けて、福井県南部の「嶺南地方」への自衛隊配備を緊急要請したそうです。なんて愚かな。原発は軍隊では守れません。
むしろ軍事基地は攻撃目標になってしまうので危険が増すだけ。しかも原発は地震でも構造的欠陥からも崩壊する可能性があります。自衛隊は何の役にも立ちません。唯一の対処法は「原発を止めてなくす!」ことです。

またそもそも岸田政権は、「敵地攻撃能力」の保持を叫びだしています。そんな時に、中国や朝鮮民主主義人民共和国の目の前の若狭に自衛隊基地なんか作ったら、両国にとって脅威が増すだけです。
そもそも海岸線に、たくさんの原発を作ってしまったこの国は、戦争などできる国ではありません。
いや僕は、日本政府が心の底から、中国や、朝鮮民主主義人民共和国を信頼したからこそ、若狭に原発を林立させ、柏崎刈羽に世界最大の原発を置いたのだと思います。
その信頼自身は正しい。両国は原発を襲うことなどまったく考えてないでしょう。それなのにミサイル配備だなんて・・・。


福井県知事による嶺南への自衛隊配備の要請を報じる福井新聞 20220309


憲法の精神にこそ、日本を守るリアリティがある

そもそもこの国の憲法にはこう書かれています。
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」
そうです。平和を愛する諸国民への信頼が大事なのです。

しかし残念なことに、この観点から「持たない」と宣言した軍隊を持ってしまった。「自衛隊」です。しかもそれを嶺南地方に並べるのだそうです。
しかしこの国は、近隣諸国を信頼しきった国土建設を進めてきています。原発だけではない。火力発電所や製鉄所や石油タンクなど、攻撃を受ければひとたまりもない施設が海岸線にたくさんある。
軍事的リアリティとしてももはや守りきることなど不可能。憲法9条の上に立った平和外交こそ、この国を守るリアリティでもあるのです。


「あたらしい憲法の話」(文部省発行)より


京都府から真の安全を発信したい!

にもかかわらず、敵地攻撃能力を持たた自衛隊を嶺南地方に配備するとかの物騒な声に対し、京都から真の安全を発信したい。
京都府は若狭原発から直近の位置にあります。福井県庁のある福井市より舞鶴市や綾部市の方がずっと近い。だから京都から真の解決を訴えたい。

ちょうど4月10日投開票の京都府知事選が間近に迫っています。私たちの候補予定者、かじかわ憲さんは、「原発を止めてなくす」ことを重点プランの4本の柱の一つとしています。
さらに、かじかわ憲さんは、いつもかつて蜷川府政の時に高校でいただいた「憲法手帳」を持ち歩き、スピーチで読みあげています。とくに「諸国民を信頼して」歩もうと語り続けています。

ぜひ、かじかわ憲京都府知事のもとで、原発を止めてなくし、諸国民との相互信頼を深めたいです。お力をお貸し下さい。


「憲法手帳」をいつもかじかわさんは身につけている


2つの企画のご注目を

こんな情勢の中で、この問題について掘り下げてお話します。
一つは3月11日午後2時から、京都市出町柳のかぜのねにて。「福島・ウクライナ・若狭原発と京都」のタイトルでお話しします。zoom併設。お申し込みは以下まで
https://forms.gle/pWwThLFfD2AsbH5t6

二つ目は3月11日午後7時から。京都駅そばのキャンパスプラザ京都第3講義室にて「かじかわ憲とともに原発をなくすためのタウンミーティング」。
これもzoom併用。お申し込みは以下まで。
https://forms.gle/FMaufMouWHTP7iZRA

ぜひともに原発を止めてなくし、平和の道を歩みましょう!

#若狭原発 #ロシアの軍事侵攻反対 #ウクライナ #若狭に自衛隊配備は愚か #敵地攻撃能力 #かじかわ憲 #憲法 #原発は止めてなくす #嶺南地方 #草の根プロジェクト

*****

2月26日の企画の動画です。ご覧下さい。

なお3月11日はもう一歩深い内容を話します。

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若狭の原発は京都からすぐ!すごく危ない。何より若狭の人々が危ない。かじかわ憲さんと話しました!ウクライナにも触れました。ご覧下さい 明日に向けて(2168)

2022年03月08日 17時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220308 17:30)

若狭原発について、ウクライナについて、話し合いました。

2月26日に、かじかわ憲さんをお招きして表題の企画をうちました。
録画をやっと編集できたのでアップします。ぜひご覧下さい。

若狭原発と京都、そしてウクライナ~かじかわ憲と守田敏也の対談から考える

はじめに僕がまとめてお話しました。前半で若狭原発と京都のこと、後半でウクライナのことを歴史を振り返って話しました。
続いてかじかわさんに、「原発は止めてなくす!」という公約についてお話いただき、その後に質疑応答で、みんなで内容を深めました。


ウクライナの危機の中で原発の危険性がクローズアップされた

ロシア軍のウクライナ侵攻によるウクライナの人々の危機が続く中、あらためて原発の危険性が浮き彫りになっています。
いまのところニュースを詳しく解析すると、ロシア軍がザポリージャ原発を直接攻撃したとは思われず、ウクライナ軍・ロシア軍が現場で協議し、支配権をロシアの側に渡したのが実際のありようのようです。
この過程での死傷者ゼロ(その後、原発作業員2名の負傷)と発表されており、戦闘の末に争奪戦が行われた兆候がありません。

真相は今後、より明らかになるでしょうが、いずれにせよはっきりしているのは、戦地に原発があることの恐ろしさです。いや不安定なこの社会に原発があることの恐ろしさです。
いやいや、そもそも社会が安定していようとも、原発があると、いつなんどきどんな深刻な事故が起きるか分からない。チェルノブイリ原発事故も、少なくとも周辺に紛争のない時に起こったのですから。

この事態の中で今回、私たちの住む京都市が、いかに若狭の原発銀座に近いのか、じっくり検討しました。
ちょうど、かじかわさんとともに、福知山・綾部・舞鶴を周ってきた後だったので、そこで感じたことも織り交ぜました。


原発について、ウクライナについてお話します⇒すでにそれぞれの企画を終えました(3月18日追記)

さらに引き続き、原発について、ウクライナについてお話します。
一つは本日8日午後8時から。企画をご紹介します。

ウクライナに平和を。千田悦子さん(元UNHCR職員ウクライナにも駐在経験あり)のお話を聞く会
守田もコメンテーターを務めます
https://www.facebook.com/events/316519420460533?ref=newsfeed

3月11日午後2時より
福島、ウクライナ、若狭原発と京都
2月26日の講演を踏まえ、福島・ウクライナ・若狭原発のながりについてお話します。
https://www.facebook.com/events/306743531359272?ref=newsfeed


かじかわさんを囲んで原発について話をしよう⇒すでに企画を終えました(3月18日追記)

さらにこの意義深い3月11日の夜に、かじかわ憲さんを囲んで、原発についてみんなでお話するタウンミーティングを行います!
関西電力京都支社前金曜抗議行動の後。19時から始めます。
かじかわ憲さんの参加は、19時15分から20時まで。みなさん、いろいろと思いを梶川さんに伝えて下さい。

かじかわさん退席のあと、僕がウクライナと原発についてお話します。

かじかわ憲とともに原発をなくすためのタウンミーティング     
3月11日に集まろう キャンパスプラザ京都とZOOMで開催 ウクライナの原発事情にも触れます
https://www.facebook.com/events/997590997852039?ref=newsfeed

#若狭原発 #原発はとめてなくす #かじかわ憲 #ロシア #ウクライナ #ザポリージャ原発 #戦争と原発 #軍隊では原発は守れない #即時停戦を #戦争反対 

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ウクライナにはずっと医療援助こそ必要だったーチェルノブイリ原発事故被害のもみ消しにあらがいつつ 明日に向けて(2167)

2022年03月07日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220307 23:30)

ロシアの軍事侵攻によるウクライナの危機が続いています。
この問題、やはり軍事侵攻を始めたロシアが悪い。しかしウクライナ軍に武器を送り続け、「もっと戦え!」とウクライナの人々を焚きつけている西側諸国の姿勢にも僕は大反対です。

そもそも僕はウクライナが内戦を抱えるようにいたった大きな背景として、チェルノブイリ原発事故による深刻な被曝被害があったと思っています。
実際にウクライナ政府は2011年春に、『ウクライナ政府報告書』を発表。本当に深刻な被害実態レポートを世界に問いましたが、これを真っ向から否定したのが西側諸国でした。

誰もウクライナを助けようとなどしなかった!まったくです。むしろよってたかってウクライナの医師たちを批判にさらしました。
そして2014年の政変が起こり、画期的だった報告書はうやむやにされてしまい、必要な医療援助などがウクライナに届けられませんでした。

被曝被害はいまも確実に進行しているはずです。にもかかわらず西側は一度も助けようとしなかったし、その点ではロシアも同じでした。いや今回むしろ同じ被曝の痛みを被ったウクライナに攻め込んで、苦しみを拡大しています。
ウクライナにずっと必要だったのは、医療援助など、被曝の痛みを癒すための手助けです。この先もそれは同じです。もちろん今後はできるだけはやく戦争を止めて、戦火を癒すための手助けも必要になります。

そのためにも今回、2014年末にポーランドの国際会議から帰った直後に、この被曝被害への手助けを世に問うた原稿を再掲します。


2011年に提出されたチェルノブイリ原発事故に関する『ウクライナ政府報告書』画期的だったが・・・

*****

明日に向けて(977)ウクライナの悲劇=被曝の現実を読み解く(ポーランドを訪れて-5)その1

守田です。(20141122 23:30)

ウクライナの危機の背景としてのチェルノブイリ原発事故

ポーランドから帰ってからかの国のこと、ベラルーシやウクライナのことを調べ続けています。今回の国際会議で、初めてウクライナから来ている方たちと知り合ったことも、大きなインパクトになりました。
歴史についてもかなり学び、記事にしてきましたが、今回はそこから少し飛んで、チェルノブイリ原発後の今のウクライナの現状について述べたいと思います。

ウクライナはかつてナチスドイツに激しく攻め込まれ、占領されて膨大な死者と損害を出しました。そこから長い年月をかけて復興を遂げてきた1986年に、チェルノブイリ原発事故が起こり、大変な被曝を受けました。
1991年に被災者を救済する法律ができましたが、その年の暮れに旧ソ連邦が崩壊。独立国となったものの、ソ連邦崩壊による混乱と、原発事故のもたらしたさまざまな被害への対処に追われ、経済的な苦境が続いてきました。


チェルノブイリ原発事故 1986年 ネットより

それから20数年経って、ウクライナは今、分裂的な危機の中にあります。親EU派の現政権側と、親ロシア派の東部の人たちの間で軍事衝突が繰り返されており、この先どうなるのか見通しが立っていません。
今回、見えてきたのは、今の政治的混乱と軍事対立そのものが、チェルノブイリ原発事故による社会的人的ダメージを背景に起こってきていることです。考えてみれば当たり前とも言えます。
膨大な被災者がいて、病がどんどん深刻化する上に、治療などで経費がかかり、その上原発事故の後処理にも膨大な予算が消費され、社会の体力が繰り返し奪われ疲弊を深めてきたからです。


2014年2月政変の時のキエフ ムスティスラフ・チェルノフ撮影 WIKIMEDIA COMMONS より


ウクライナの人々を苦しめてきた原子力マフィア

ポーランドの国際会議などを通じて知ったのは、ドイツのIBBをはじめ、多くの民間団体が、苦境の中にあるウクライナやベラルーシに手を差し伸べようと努力を重ねてきたことでした。
しかし他方でウクライナの前にはさまざまな国際機関が立ちはだかり、原発事故による病の多発を認めず、医師たちの告発を握りつぶしてきたのでした。
このためウクライナは、病への対処に当然あるべき国際機関の援助をほとんど得られずにきました。

ウクライナの前に立ちはだかってきたのはIAEA(国際原子力機関) 、WHO(世界保健機関)、UNSCER(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)、ICRP(国際放射線防護委員会)などです。
これらの団体(原子力マフィア)がそろって低線量被曝の影響を認めず、ウクライナの人々への救済の道をふさぎ続けてきたのです。大変、悲しく、憤りを感じるばかりの事態ですが、これはけして遠い国のできことなのではありません。
同じ組織が私たちの前にも立ちはだかっているのです。


UNSCER(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)は福島でも被曝影響を矮小化 2014年9月 FNN


『低線量汚染地域からの報告ーチェルノブイリ26年後の健康被害』を読んでください

ウクライナやベラルーシの人々との連帯のためにも、私たち自身の未来のためにも、チェルノブイリ原発事故以降にウクライナが辿ってきた経過に学ぶ意義がここにあるのですが、その入り口としての恰好な書物に出あいました。
『低線量汚染地域からの報告-チェルノブイリ26年後の健康被害』です。馬場朝子・山内太郎著、NHK出版から2012年9月に出ています。

NHK・ETV特集 シリーズ チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告「第1回 ベラルーシの苦悩」と「第2回ウクライナは訴える」(放送は同年9月16日と23日)のうち、第2回をまとめたものです。
著者たちはいずれも現場に取材に入ったディレクターたちですが、2011年4月に公表された『ウクライナ政府報告書』での、病の実態の告発を読んだことをきっかけに、この番組の制作を決めたとのことです。


『低線量汚染地域からの報告』NHK出版


『ウクライナ政府報告書』のインパクト

本書の初めの方にこの『ウクライナ政府報告書』が出てきます。チェルノブイリ原発事故後に作られた「国立記録センター」にまとめられた2012年の時点での、236万4538人の被災者のデータをもとに作成されたものです。
被災者のうちわけは、原発事故の作業員31万7157人、原発周辺の立ち入り禁止区域からの避難民8万1442人、低線量汚染地域の住民153万1545人、これらから生まれた第2世代31万9323人、すでに死亡した11万5072人です。

この報告書の第3章「チェルノブイリ惨事の放射線学的・医学的結果」に掲げられた疾病は次の通りです。
「甲状腺疾患、白内障、免疫疾患、神経精神疾患、循環器系疾患(心臓・血管など)、気管支系疾患(肺・呼吸など))、消化器系疾患(胃や腸など)」(『同書』p34)
注目すべきことはこれらの疾患が時間と共に増えていることです。「原発周辺の高汚染地域からの避難民のうち、慢性疾患を持った人は1988年には31.5パーセントだったのが2008年には78.5パーセントに増加したという」。(『同書』p35)


国連科学委員会との比較 NHKスペシャルより


疫学的根拠がないと告発を否定した国際機関

これらの内容を先に挙げた国際機関が認めないのですが、その理由はウクライナの報告が、疫学的に証明されていないというもの。
ある集団の被曝線量と健康被害との間に、統計的に有意な相関があって初めて病が証明されたと言えるが、ウクライナにはそのようなデータがないと言うのです。

チェルノブイリ原発事故では、ソ連当局によって厳重に秘密にされたので詳細なデータが残っていません。事故対処の混乱の中で測られなかったし意図的に測られなかったものもあります。
もちろん個々人の被曝の測定もきちんとされていないし、データも存在しているかどうかも分かりません。そのためこの国際機関の論法では、その後にどんな被害が出ようが、被曝との因果関係は証明できないものとされてしまいます。

実は福島原発事故でも同じことが言えます。政府は意図的にも放射線ヨウ素などの被曝実態の測定をしませんでした。
福島県によって、事故直後に弘前大学のチームによる測定が止められたこともありました。さらに東京まで放射性ヨウ素はたくさん届いていたのに、何の被曝測定もされなかったのです。

ウクライナと同じ被害隠しが、まさに『ウクライナ政府報告書』が出されたその時に、進められていたのです。

なお同書は日本でも心あるみなさんによろ精力的に翻訳が進められました。ご紹介しておきます。
http://blogs.shiminkagaku.org/shiminkagaku/csijnewsletter_014_ukraine_01_index.pdf
http://blogs.shiminkagaku.org/shiminkagaku/2013/04/34-1.html


ウクライナ政府報告書 日本語訳もあります

続く

原発のこと、ウクライナのことなど連続でお話します。

3月8日午後8時から 
ウクライナに平和を。千田悦子さん(元UNHCR職員ウクライナにも駐在経験あり)のお話を聞く会 コメンテーターとして参加
https://www.facebook.com/events/316519420460533?ref=newsfeed

3月11日午後2時から
福島、ウクライナ、若狭原発と京都 守田が講演します。
https://www.facebook.com/events/306743531359272?ref=newsfeed

3月11日午後7時から かじかわさんを囲んで話します。かじかわさん退出後、守田がウクライナについて少しお話します。
かじかわ憲とともに原発をなくすためのタウンミーティング
https://www.facebook.com/events/997590997852039?ref=newsfeed

*****

#チェルノブイリ原発 #ザポリージャ原発 #ロシア #ウクライナ #ベラルーシ #戦争と原発 #軍隊では原発は守れない #即時停戦を #かじかわ憲 #若狭原発

戦争をとめ平和を育み、原発を止めるための取材・執筆活動のためのカンパを訴えます。どうか支えて下さい。よろしくお願いします。

振込先 ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
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ウクライナの悲劇の背景には独ソ戦とその後のチェルノブイリ原発事故があるー国際原子力マフィアは被曝被害をもみ消した 明日に向けて(2166)

2022年03月06日 15時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220306 15:30)

緊急で3つの場でお話します。

ロシア軍のウクライナ侵攻によるウクライナの人々の危機が続いています。

これに対し、西側諸国が次々と武器を送りこんでいる。なんということでしょう。戦争を止めようとしていない。もっと闘えと焚きつけている。最も得をするのは武器商人です。
憤りを感じます。そもそもウクライナの人々、特に医師たちがチェルノブイリ原発事故での被災に対して「叫び」を上げたとき、西側諸国、とくに国際原子力マフィアは、無視抹殺を試みました。
誰もウクライナの人々を助けようなんてしなかった。

しかもそのウクライナは独ソ戦でもっとも傷ついた土地でもあります。ユダヤ人の大量虐殺も起こりました。
これらの歴史をシェアし、武器を送って「闘え」と煽るのではなく、深いところからウクライナの人々を支えたいです。
そう思って幾つか連続で企画を行います。ぜひお聴き下さい。いずれもリアルとZOOMで開催します。

3月8日午後8時より

ウクライナに平和を。千田悦子さん(元UNHCR職員ウクライナにも駐在経験あり)のお話を聞く会

守田もコメンテーターを務めます
https://www.facebook.com/events/316519420460533?ref=newsfeed

3月11日午後2時より
福島、ウクライナ、若狭原発と京都

それぞれのつながりについてお話します。
https://www.facebook.com/events/306743531359272?ref=newsfeed


3月11日午後7時から
かじかわ憲とともに原発をなくすためのタウンミーティング     
3月11日に集まろう キャンパスプラザ京都とZOOMで開催 ウクライナの原発事情にも触れます
https://www.facebook.com/events/997590997852039?ref=newsfeed

#ザポリージャ原発 #ロシア #ウクライナ #ベラルーシ #戦争と原発 #軍隊では原発は守れない #即時停戦を #戦争反対 #かじかわ憲 #若狭原発

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ウクライナ・ザポリージャ原発が抱える問題について 明日に向けて(2165)

2022年03月04日 16時00分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220304 16:00)

ザポリージャ原発の火災について

ロシア軍のウクライナ侵攻が続いています。
あちこちで戦闘が行われていますが、その中で南西部にあるザポリージャ原発がロシア軍によって被弾したとの報が流れました。一時期は原子炉が火災を起こしているかのような情報が飛び交いましたが、その後に「原発の出火は『敷地外の研修施設』ウクライナ当局が声明」「ザポロジエ原発の火災は消火、けが人なし 当局が明らかに」(4日14時52分)などの速報を朝日新聞などが流しています。

今のところ、原子炉が深刻な事態に陥っていることはないと思われますが、ロシア軍とウクライナ軍のどちらが掌握しているのかよく分かりません。ともあれ戦火の中に原発があることの危険性が、あらためて浮き彫りになったと言えます。原発は軍隊では守れません。むしろ軍が展開するとかえって危ない。戦争になったらたださえ大きな危険性が何倍にも増します。原発を持った国はどんな戦争でもしてはいけないのです。

ただし戦火の中にあっては、さまざまな情報が流れます。また情報戦そのものが戦争の一部でもあるし、異様なテンションの中で誤まった情報が広がることもあります。フェイクニュースも飛び交います。こういう時は、一つ一つの情報に一喜一憂せず、踊らされてしまわないことも大事。温かいハートを維持しながらも、冷静かつ丁寧に情報と向き合っていきましょう。

僕はむしろこの機会に、戦火の中に置かれた原発の危険性を冷静につかんでおくことが大事だと思います。とくにウクライナの原発は、西側と東側の狭間にあり、特有の構造的危険性を孕んでもいます。
この点を知っていただくために、今回は僕が2014年にポーランドを訪問した際に書いた、ポーランドやベラルーシ、ウクライナに関する分析記事を再掲したいと思います。2014年12月4日に投稿したものです。今のものではないのでお間違えなく!
なお写真などは今回、新たに付け足しました。

*****

明日に向けて(988)ウクライナで原発事故発生、5日に復旧の見通し?

守田です。(20141204 15:00)

ウクライナで原発事故が起こったことが報じられましたので分析を行いました。

事故の概要 (2014年12月のザポリージャ原発のトラブル)

事故を起こしたのはウクライナ南東部にあるザポリージャ原発3号機。11月28日に出力系統で回路がショートし原子炉が緊急停止しました。
ウクライナエネルギー相によると「ショートの原因は分かってないものの、原子炉には問題はなく、5日までに電源系統の緊急修理を終えて再稼働する見通し」だそうです。
今のところヨーロッパ各地の放射線モニタリングポストは通常値を示しており、大きな放射能漏れが起こっている兆候は確認されていません。

発表が行われたのは12月2日。同原発の停止により電力供給が不足し、苦情が寄せられたため公表したとのことです。
ザポリージャ原発は旧ソ連時代に稼働を開始したもので発電規模はヨーロッパ最大。世界では第5位。合計出力は600万キロワットですが、近年は核燃料が得にくくなっており、定格の発電は行えていません。
同国の原発による発電の半分を担い、発電全体の5分の1を担っています。事故を起こしたものを含めて全部で6基の原子炉があります。

今回の事故がこれ以上、拡大しないことを祈るのみですが、調べてみると構造的に幾つかの問題があることが見えてきました。
一つに稼働年数が長いことです。最初の5基は1985年から1989年まで毎年1基づつ連続して稼働を開始し、6号機のみソ連崩壊後のモラトリアム期間を経て1995年から稼働しました。
旧ソ連製の原発は設計上耐用年数30年とされているので2015年から毎年1基が運転期間を終えることになりますが、ウクライナでも運転延長が目指されておりそれをIAEAが後押ししています。より危険度の高い老朽化した原発の運転延長が次々となされようとしています。


欧州最大のザポリージャ原発 Photo from the "Nikopol" bank of the river Dnieper.

 

紛争の中に原発が

またこの地域はウクライナ政府軍と親ロシア派の軍事衝突が繰り返されている同国の東部地域から200キロ余り、同じくロシアが占領し編入したクリミア半島からも同じぐらいしか離れておらず紛争に巻き込まれる可能性があります。
実際に今年の5月17日にも銃で武装したグループが同原発に押し寄せて侵入を試み、地元警察によって阻止されるという事態が起こりました。
武装グループは自らザポリージャ在住のネオナチグループと名乗り、親ロシア派から原発を守ることが目的で原発への襲撃を試みたのではないと主張し、警察によって釈放されましたが、同原発が戦闘に巻き込まれる可能性があることを強く示唆した事件でした。


同原発に押し入った武装グループ 「ウクライナに栄光を 英雄は死なない」と叫び続けていた

Gunmen attempt to enter Ukraine’s largest nuclear power plant
http://rt.com/news/159640-ukraine-gunmen-nuclear-plant/


マレーシア機のなぞの撃墜

もちろんウクライナ政府側も、親ロシア勢力側も、原発が事故を起こした際に壊滅的な事態が発生することは認識していますから、意図的な攻撃を行うことは考えられませんが、戦闘規模が拡大し、かつ戦線が近づいた場合、原発が不測の事態に巻き込まれる可能性があります。
7月17日には同国上空を飛行していたマレーシア機が何者かによって撃墜され、東部のドネツク州に墜落しました。兵器の威力と能力が高度化している中で、今後もこうした突発的な事態が発生する可能性があります。
またこの撃墜は未だに犯行者が不明で、親ロシア派説、ウクライナ軍説、またマレーシアにプレッシャーをかけたかった西側の何者か説などさまざまな憶測が飛び交っていますが、そのことが疑心暗鬼を生んでさらに一触即発の緊張感を高めてしまっています。


撃墜されたマレーシア機を再現して調査 NEWSFRONT紙より 20211006


紛争の中での強引な再稼働

またウクライナ政府にとっては、国民の支持を得続けるためにも、こうした戦闘状態がある中で電力供給を維持することが重要課題となるため、その分、原発の安全性への配慮が後退している可能性も強くあります。
今回も原子炉が11月27日に緊急停止していながら12月5日に再稼働させるのは、冬の到来の中での電力需要への対応を最優先したいためだと思われますが、電源系統のショートの原因すら発表されないなかでのわずか1週間での再稼働はそれ自身危険行為に他なりません。
にもかかわらず、緊急の再稼働が容認されるのも、この地域が東部の戦闘地域に隣接する地域であることと大きく関係しているのではないかと思われます。


ウクライナの原発地図 出典 世界原子力協会 2022年

東側の原発に西側の燃料が

さらにウクライナとロシアの対立は違った形でも原発の安全性を低下させています。
ウクライナの原発はすべてロシア製であるため、核燃料もロシアから購入しているわけですが、ロシアとの関係が悪化する中で安定供給ができなくなっています。そこに東芝傘下となったウェスチングハウス社が2005年から燃料供給への参画を開始しています。
具体的にはザポリージャ原発に次ぐ規模の南ウクライナ原発3号機で従来のロシア製核燃料棒とウェスチングハウス社製の核燃料棒を混合して使用する試みが行われ、当初は良好とされましたが、燃料棒交換時に破損が確認され、2012年に装着が停止されました。

しかしその後に大きな政変があり、ウクライナ新政府がロシアとの対立を深める中でウラン燃料の枯渇が深まったため、もう一度、新政権がウェスチングハウス社製の核燃料の使用へと舵を切ろうとしているのです。
ロシア側は重大な事故の発生の危険性があると忠告しています。ロシア政府の核問題での発言にも常に信ぴょう性が欠けてはいますが、それでも原子炉設計社と無関係の会社が作った核燃料がどこまで安全なのか確かに大きな懸念があります。
しかも戦争的な事態の中でですから、戦闘に勝ち抜くためにも安全性が犠牲にされ続ける可能性があります。


ウエスチングハウスが核燃料供給で新たな契約を結んだことを報じるロイター通信 2018年1月29日

チェルノブイリ原発事故での被災への援助こそが大事

どうしたら良いのか。世界的規模で起こっている戦争的事態ですので、私たち市民が何ができるか、頭がくらくらしますが、やはりすべてのウクライナの人々を苦しめているチェルノブイリ原発事故を見据え、親政府側であろうが親ロシア派であろうが、被災者への世界からの支援を続けることが大事だと思います。
そのことで争いの火種を一つ一つ消していく。私たちができることは本当に小さな努力でしかないかもしれないけれども、いつの時代もそれが積もり積もって歴史が動いてきたことを考えて、被災者支援を続けることが大事だと思います。
いや今や私たちは支援というよりも、ともに同じ原発事故を抱えたものとして連帯し、戦争と核のない世の中をともに求めていく必要があると思います。

その点で僕が10月に参加させていただいたドイツIBB主催の国際会議は学ぶことが満載でした。すでに報告したようにこの会議で僕はトルコと日本の間の脱原発運動での結びつきについて発言しましたが、檀上から降りた僕に一番最初に歩み寄ってきて手を握ってくれたのは、ウクライナから招かれたリクビダートルの方でした。
いきなりロシア語?ウクライナ語?で話しかけられましたが「お前の言っていることは良かった。共感した。一緒にがんばろう」と言ってくださっているに違いないことだけは良く分かりました。
あの方はどこにお住まいなのだろう。ザポリージャ原発からはどれぐらいのところにいるのだろう。原発で事故があったと聞いて、今頃何を思っているだろうという思いがこみ上げてきます。


ウクライナから参加していたリクビダートルの方たち がっしりと握手してくれました 守田撮影

またこうしたつながりがあるからこそ、5月17日にネオナチグループが武装して同原発に押し入ろうとした時にはそのニュースをキャッチできなかった僕が、今回の事故の報道に強く刺激され、すぐに情報収集を行えたのも事実です。
もちろんトルコの方たちのこともとても心配になりました。事故が拡大したらまた黒海を越えて放射能がトルコに飛んでいく可能性がある。そうならないことを祈るばかりですが、祈るだけでなく、事故を防ぐためにできることを重ねたいと思います。
私たちは原発が世界の至る所にある現状では、どこであろうと大規模戦闘は原発にも危険性を及ぼす可能性があること。また戦争という特殊事情そのものが、原発の危険性をさらに大きくしてしまうことを考え、戦争の火種を無くす最大の努力を傾けていくべきです。

こうした観点を頭に入れつつ、今後、ウクライナをはじめ各国の原発へのウォッチも強化していきたいと思います。
同時に市民の側からできる原子力災害対策を進化させ、本の形にまとめて普及を図るとともに、英語化に挑戦し、世界の原発の周りの人々にも読んでいただけることを目指したいと思います。
もう二度と深刻な原発事故が起こらないように心の底から祈りつつ、同時に、地球のどこでも事故が起こる可能性があることを踏まえて対策を重ねていきましょう。


ポーランドの反核国際会議 ロシア・ウクライナ・ベラルーシをはじめ多くの国から集って、チェルノブイリの悲劇をいかに越えるのかを話し合った

#ザポリージャ原発 #ロシア #ウクライナ #ベラルーシ #戦火の原発 #軍隊では原発は守れない #即時停戦を #戦争反対

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旧日本軍性奴隷問題の解決を求める水曜行動の現場からー戦争の悲惨さについて考える 明日に向けて(2164)

2022年03月03日 23時00分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220303 23:00) 

水曜行動のスライドショーをアップしました。ご覧下さい

昨日3月2日に、旧日本軍性奴隷問題の解決を求める水曜行動に立ちました。写真をアップして報告させていただきます。
実は前回2月2日の写真をアップし損ねていたので、合わせて並べます。先に2月のもの、後から昨日のものをご紹介します。


ロシア軍がウクライナに侵攻する中での訴えとなりました。ロシア軍は市民の居住地区にもミサイルを撃ち込んでいるそうです。
やめて欲しい。ただちに戦争をとめて欲しいです。
昨日はそんな思いも胸に行動しました。根っこが大きくつながってることを感じながらです。
戦争をとめ、過去の戦争の過ちを正すことは、平和を紡ぎ出すための大切な努力だからです。


性奴隷問題の背後に、日本軍兵士への構造的虐待があった

僕はこの問題に男性の立場から関わって、性奴隷制問題が、旧日本軍内での兵士に対する構造的虐待と深くつながっていることを知りました。
兵士たちの多くは若者でした。彼らは「万歳!万歳!お国のために立派に死んで来い」と郷里から送りだされました。

入隊すると兵士たちを待っていたのは、毎日、殴られる日々でした。
仲間が時おり途中で死んでしまうような訓練を受け、そのまま過酷な戦線に投入され、虐殺に加担させられました。
その中であるものはどうもうになり、あるものは精神を病み、拒食症になってしまう兵士もいました。

そんな兵士たちの暴力性が全面化したのが、1937年11月に行われた南京市への突入でした。
この時、野に放たれたどうもう化した兵士たちが略奪を働き、女性をそこここでレイプしました。軍は総計で30万人の人々を虐殺しました。

「慰安所」と呼ばれた性奴隷施設は、日本軍の上海上陸とともに生まれていましたが、南京虐殺のあとに一気に数が拡大しました。軍の捉え返しによってでした。
軍が考えたのは、中国の女性たちを守ることではありませんでした。
当時は性病がいまよりもずっと広がっていて、兵士たちがレイプを犯すことで罹患してしまい、「使えなくなる」ことが最も問題視されたのです。

そのため日本軍は業者などともに、「処女狩り」を行いました。
あるいは甘言で騙し、あるいは拉致するなどして、少女を性奴隷として戦地に送りこんだのです。
いま書いていても手が震えます。


日本政府が関与して設立された「アジア女性基金」における記述


兵士たちのすべてが「鬼」ではなかった

僕はたくさんの被害女性のおばあさんたちに、直接に話を聞きました。
その中で兵士たちがすべてどうもうであったわけではないことも聞きました。
おばあさんたちに親切にしてくれたり、庇ったりしてくれた兵士もいました。

あるおばあさんはそんな兵士の一人と「恋」に落ちました。
そのおばあさんが初めて日本に来て、証言をしてくださった前夜、おばあさんは眠れずに、ひとりオロオロと宿舎の中を歩き回っていたそうです。
「明日、彼が来たらどうしよう」とオロオロしていたのだそうです。
おばあさんと兵士は、「戦争が終わったら結婚しよう」と約束していたのだとか。

また他のおばあさんが「恋」をした彼氏は「泣いてくれるのはお前だけだ」と言って、特攻へとむかってしまいました。
ある日の夜、旧日本軍特攻隊について書かれた『ホタル帰る』という本に載った航空兵(宮川軍曹)の写真をお見せしました。
「ああ、こういう姿だったよ」と語ったおばあさんは翌朝、真赤な目をして起きてきて「夕べ、あの人が枕元に立ったの。それから寝られなかったの」と涙ながらに話してくれました。

旧日本軍特攻隊については、『ホタル帰る』をお読み下さい。これを原作として映画化した『ホタル』も必見です。


兵士たちの多くが嫌々、戦闘していた

兵士たちの多くが若者でした。二十歳に満たないものもいました。
「お国のために」の一言で、彼らは壮絶な労苦を背負わされました。
その挙句に、大多数の兵士は死んでいきました。
あるいは戦死し、あるいは餓死し、そして拒食症になったあげくに死んだ兵士もたくさんいました。

戦場で虐殺の手伝いをさせられることが嫌だったのです。辛くて辛くてたまらなかったのです。
でも逃げたら日本の家族が虐待を受ける。逃げられない。
どうしようもなくなった彼らは、ご飯が食べられなくなった。

そんな彼らのごくわずかが「精神疾患」を理由に戦地から日本に戻されました。
そのカルテの多くにはこう記載されていました。
「農村出身。村では寡黙だが優しく働きものとの評判だった」

僕はそんな日本兵たち、当時の若者の罪を背負っていこうと考えてきました。
彼らを弔い、彼らの尊厳も回復したい。
だからこそ、被害女性たちの尊厳の回復が欠かせないのです。
おばあさんたちの尊厳が回復されたその先に、日本軍兵士たちの尊厳の回復の道も開かれます。
そしてそれが私たち全体の幸せにつながるのです。
その中で戦争をなくし、平和な世の中を作りたいと行動してきました。
おばあさんたちが一番望んだものが、「これからの若い人たちの幸せ」だったからでもあります。

50年間、口外してはならない 極秘調査・兵士たちの“心の傷”
https://www3.nhk.or.jp/news/special/senseki/article_121.html


ロシアとウクライナの若者たち 死ぬな!殺すな!

いま、ウクライナに攻め込んでいる多くのロシア軍兵士も若者です。
真偽は定かではありませんが、演習だと言われて軍事侵攻させられてしまっている兵士がいると、ウクライナ側から報じられています。
これを迎え撃っているウクライナ軍や市民の多くも若者でしょう。
ウクライナ政府の発表によると、すでにウクライナ市民2000人がロシア軍に殺害されたそうです。
しかし反対に反撃によって、ロシア兵6000人をウクライナ側が殺害したといいます。

殺し合いをやめて欲しい!

ウクライナはこれまでも長く内戦を続けています。その中で東部の民衆を殺害し、反対に殺されることも繰り返されています。
2014年以降、ウクライナ軍2900人、分離を主張する東部の人々5500~8800人、ロシア連邦の人々1600人が死んでいると推計されています。(国連難民高等弁務官事務所による)
そんな中で、ウクライナ政府は、これまで東部に攻め込んだウクライナ軍帰還兵の中からも、たくさんの自殺者が出たことを明らかにしています。
そうして今回の戦争です。

人は人を殺したくない存在なのです。人を殺すと心の内側の何かを、同時に殺さないといけないのです。
だから多くの場合、その経験は、残酷なまでにその人を苦しめます。

だから、殺すな!殺されるな!と言いたい。
戦争をとめたい。戦争はやめてくれ!


戦争は兵士の心も深く傷つける ウクライナ帰還兵の自殺に通じて報じるHUFFPOST 20170627
https://www.huffingtonpost.jp/2017/06/26/ukraine-conflict_n_17302138.html


プーチン大統領にも軍需産業にも踊らされてはいけない

今回の事態、殺し合いの引き金を引いたのはプーチン大統領です。許しがたいです。
しかしこの問題で、話し合いの場を作りだすポテンシャルを一番持っているはずのアメリカは、戦争を止めようとは動いていません。
それどころか、ウクライナ軍に武器を送っています。これまた明らかな戦争行為です。
しかも送られている武器は、アメリカ軍需産業製。戦争で儲けてきたアメリカの死の商人たちが作ったものです。


アメリカによる追加の軍事援助について報じるNHK 20220227


だから何度も言います。

戦争をやめよう!とめよう!
プーチン大統領にも、軍需産業にも踊らされてはなりません。

昨日もそんな思いを、みんなで共有しながら、街頭に立ち続けました。
遠回りかもしれないけれど、旧日本軍性奴隷問題に解決に向けた努力の中に、平和を紡ぎ出す可能性、戦争をとめていく一助となる力があると確信しています。
ぜひこの行動にも力を貸してください。毎月第一水曜日午後6時から7時まで京都で街頭に立っています。(場所はダイレクトメッセなどでお訪ね下さい)

みんなで平和を求めて歩み続けましょう

#旧日本軍性奴隷問題 #軍隊慰安婦問題 #水曜行動 #証言集会京都 #ロシアは軍事侵攻をやめて #ウクライナへの軍事侵攻反対 #ロシア兵もウクライナ兵も死ぬな #逃げて欲しい命を守って欲しい #和平を実現しよう #憲法の精神で歩もう

平和を守り育むための取材・執筆活動のためのカンパを訴えます。
どうか支えてください。よろしくお願いします。

振込先 ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
Paypalからもカンパができます。自由に金額設定できます。
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戦争をやめて キャンドルビジル ロシアのウクライナ軍事侵攻に反対し平和を求めて立ちました 明日に向けて(2163)

2022年02月27日 10時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220227 10:30 0301 14:00改訂)

27日午後6時半から7時半、三条大橋に集まりました!

僕も参加するピースウォーク京都から、戦争をとめるためのキャンドルビジルを呼びかけました。
27日夜でした。180人が参加して下さいました。イベントページをお知らせします。

戦争やめて! キャンドルビジルのよびかけ
https://fb.me/e/14dbVn4go



幾つかの報道記事が出たので示しておきます。

■【速報】キャンドルの灯で平和訴え 京都、ロシア侵攻に反対 【共同通信】2022.2.27 21:04 共同通信 https://www.47news.jp/news/7465661.html

■キャンドルの灯で平和訴え、京都 ロシア侵攻に反対、反戦示す 【東京新聞】2022年2月27日 20時11分 (共同通信) https://www.tokyo-np.co.jp/article/162657

■「ウクライナに平和を」「NO WAR」 キャンドル灯し訴え 京都・三条大橋 【京都新聞】2022年2月27日 20:27 https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/739974


戦争をとめよう!戦争当事者のどちらの立場にも与せず平和を訴えよう!

今回の事態、僕はウクライナに軍事侵攻しているロシアがまったく間違っていると思います。いますぐ軍事侵攻を止めて欲しい。しかもプーチン大統領は、反対するものへの核攻撃すらちらつかせている。許しがたいです。
これに対して世界の多くの場で反対の声が高まっています。とくにロシアの人々が何十もの都市で何千人も逮捕されながら、戦争反対に立っていることに胸を揺さぶられます。私たちも「ロシアは戦争をやめて」の声を高めましょう。


2022年2月24日/ロシア、サンクトペテルブルクで開催された反戦抗議デモ(Anton-Vaganov/ロイター通信)

しかし僕は、悪いのはロシア軍だけれど、徹底抗戦を呼びかけているウクライナ政府も支持できません。国家総動員を国民に命じ、18歳から60歳までの男性の国外脱出を禁止して、火炎びんで闘えと言っているからです。
ウクライナ政府は、もう長い間、東部と戦闘を続け、2014年以降、ウクライナ軍2900人、分離を主張する東部の人々5500~8800人、ロシア連邦の人々1600人が死んでいます。(国連難民高等弁務官事務所の推計)

今回のロシア軍の軍事侵攻は、この事態の延長の中で起こっています。もちろん全面的な軍事侵攻を行ったロシア軍がもっとも悪い。でも内戦を続け、今回も戦争を避けることで国民を守らなかったウクライナ政府も、一方の戦争当事者です。
戦争を止める歩みはどちらか一方に肩入れしていては進まない。双方の主張を聴いて和解のための落としどころを探ることこそが大事です。


戦争は兵士の心も深く傷つける ウクライナ兵500人の自殺を報じるHUFFPOST 2017年6月28日
ウクライナ内戦、今どうなっている?「帰還兵500人が自殺」と当局が発表 | ハフポスト (huffingtonpost.jp)


あるウクライナからのレポートから考える

そんな時に、「ロシアだけを一方的に悪いと言っていてよいのだろうか」と考えた友人が、「これはどう思うか?」とレポートを送ってくれました。
ウクライナ在住のジャーナリスト、アリーナ・リップさんという方のレポートです。今回はこれを観た上で、友人に書き送ったメッセージを転載させていただきます。お読み下さい。
https://www.facebook.com/100000543936946/posts/5579913575370052

***

ロクちゃん。気がついた?この人、ドイツ語で話してるよね。ドイツの中にはロシアに好意的な人が結構いるのよ。
旧東ドイツのインテリはロシア語で博論を書いていた。旧西ドイツでは英語で博論を書いていた。どちらもドイツ語で書いてなかった。でもその両者が合流する中で、互いに東西両者の立場が見えてきたこともあるわけ。

この人はすごくロシアよりだね。そしてね、これは部分としては正しいの。ロシア政府は「ウクライナの反ナチス化」と言ってるよね。これも部分としては正しい。
でもね、おさえなきゃいけないのは、あそこはもともとポーランドだったことなの。ナチスドイツとスターリンのソ連が分割してしまったの。その分割されたとこはね、ヨーロッパで一番たくさんユダヤ人が住んでいたところで、そこにチェルノブイリ原発があったの。

ドイツは1941年にスターリンと結んだ独ソ不可侵条約を破り、ベラルーシ、ウクライナに攻め込んだ。またたくまにユダヤ人がたくさん捕まって殺され、抵抗した市民も次々殺された。
でもこの時、ウクライナ人の一部がナチスに加担もしたの。なぜ?それまでソ連がひどかったから。大飢餓、大粛清を続けてきたスターリンのソ連の支配を覆すためにナチスに与したんだよ。それでベラルーシもウクライナも数年、ナチスに占領されたの。

それに対してソ連赤軍が猛反撃していく。その時に先頭に立ったのがソ連赤軍クルド人部隊なの。クルド人、どこでも最先頭に送られるの。自ら立った側面もあるよ。武功をあげてクルドの立場を良くするためだよ。
それでナチスとソ連はドニエプル川を挟んですごい攻防戦をしたわけ。ちなみにこのドニエプル川の真ん中に作ったダム湖を利用してたのがチェルノブイリ原発だよ。

それやこれやの歴史があまりに紹介されてない。あの地域は何度も大国に挟まれて酷い目にあってきたとこなの。常にどちらかの味方をさせられてきて、すごい戦火にさらされてきたの。しかもチェルノブイリ原発事故で最も被災したの。なんかね、泣けちゃうよ。
だからね、戦争をやめて!と言わなくちゃなの。どっちの味方をしてもいけない。いや双方の味方にならなくちゃいけない。

各地で、いや各国で戦争反対の行動が起こっているけれど、だから僕は、ウクライナ国旗をもじったバナーを作ることは控えて欲しいとお願いしているの。ウクライナ政府もひどいんだよ。国民に死ねと言ってる。
もちろんロシアは軍事侵攻したからダメ。核兵器で威嚇してるからまったくダメ。ますぞれを大きな声で言わなくちゃいけない。でも双方の立場を理解しなくちゃ戦争は止まらないよ。そこを頑張ろうと思うよ。


正義は双方にある

みなさん。ぜひ押さえておきたいのは、「双方に正義がある」ことです。いやより正確に言えば、「正義だと思っている何かがある」のです。双方の多くの人々がその「正義」に説得されてしまっていて、だから命をかけた戦いが始まっているのです。
それを止めなくちゃいけない。そのためは、どちらが本当の正義なのかと裁くのを止めなくてはいけない。両者の落としどころを探らなくてはいけない。
その点で僕は、ロシアを一方的に悪者にする西側の情報のあり方に対し、警戒を強めなければならないと思います。もちろんその裏返しで、ロシアの正義だけを信じてももちろんダメです。

そもそもこの対立が強まることはものすごく恐ろしい。戦争をとめねば。だからどちらか一方に加担して「代理論争」をしてしまうのも止めましょう。シンプルに「戦争をやめて」と声を上げましょう。ロシア軍の戦争にも、ウクライナ軍の戦争にも反対しましょう。
いま西側各国が、ウクライナ政府に武器を送りだしています。「もっと戦争せよ」というのです。それこそ軍需産業が狙っていること。それではよりたくさんの人が死んでいくばかりです。
だから、「ウクライナ国旗をもじったバナーを控えて下さい」とも訴えたい。国旗を使うとウクライナ民衆と共にという思いからでも、戦争当事者のウクライナ政府の支持にもつながってしまうからです。国家間戦争をとめるのに、国旗使用はふさわしくない。


ポーランドでドイツIBBという組織が2014年秋に行った反核反戦国際会議 居並んでいるのはスタッフの方たち 中央で腕と組んでいる女性が僕のトルコと日本の民衆連帯についての講演の事務連絡を担当してくれたが、彼女はウクライナ人。マイクを握っているのはIBB代表。「ドイツが一番酷いことをしたこの地で平和会議が開けるのが嬉しい」と興奮気味。ちなみにこのグループはウクライナ、ベラルーシの若者をたくさん雇って活躍の場を与えていた 守田撮影


いまこそ憲法の精神に立とう!

私たちの国の憲法は前文でこううたっています。
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」
そう。諸国民の公正と信義に信頼することが憲法の精神なのです。他の国の人を信頼しよう。そのことで「安全と生存を保持しよう」ということなのです。

その点で私たちは、ロシア国民やウクライナ国民の公正と信義に信頼して歩むことが大事です。また世界の人々の中にこの視点が広がって欲しい。
話し合いによる解決をこそ求めたい。双方に「公正と信義」があれば一致点は見いだせるはず。だから大切のなのは愛とリスペクトです。どちらか一方に加担せず、当事者みんなの幸せの道を見つけたい。
そのための相互信頼の増進を、政府や国家官僚に任せず、民衆同士で進めることが大切です。

今日のビジルをはじめ、各地での「戦争をやめて」という行動に、知恵を絞ったプラカードやバナーなどをお持ちいただけると嬉しいです。
平和に向けてみんなで歩みましょう!

「あたらしい憲法のはなし」(文部省)「の中での国際平和主義の説明 「じぶんの國のことばかりを考え、じぶんの國のためばかりを考えて、ほかの國の立場を考えないでは、世界中の國が、なかよくしてゆくことはできません。世界中の國が、いくさをしないで、なかよくやってゆくことを、國際平和主義といいます」

#ロシアは軍事侵攻をやめて #ウクライナへの軍事侵攻反対 #戦争やめて #キャンドルビジル #ピースウォーク京都 #ロシア兵もウクライナ兵も死ぬな #逃げて欲しい命を守って欲しい #和平を実現しよう #憲法の精神で歩もう

コメント (1)
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