明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1682)人を信じる。だから目の前の石をどけない!(にしむらしずえさんインタビュー-3)

2019年04月16日 23時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20190416 23:00)

近江八幡市議選に立候補している、にしむらしずえさんインタビューの完結編です。お読み下さい。畑佐さんによるにしむらさんの「特質」の力説の続きから入ります!

にしむらしずえさんのFacebookアイコンより

***

● 「にしむらしずえ」には「敵」が多い?

畑佐
せやから私だって初めて「出る」って聞いたとき、「行けんのか自分、大変やで?」と思ったけれど、彼女は絶対にそうなったら行くんですよ。何があろうと。 だから私も正直なところ「彼女は敵が多いし、手伝ったらあんたもしんどいで」とかも言われるんです。でもそんなことはなから分かってるんです。彼女は自分から一緒に動く人を待ってるんですよ。 それを分かっている人らもいて「しずえちゃんとはやりかた違うけど、市民参加としての選挙には関わりたい」という人たちも、カンパを集める自主的な動きの中に入ってきています。

そういう自発的な動きを彼女はすごく待っているんです。でも自発的に人が動き出すまですごく時間がかかるじゃないですか。それなのに彼女はそうではないとダメだと考えているんですよ。 赤ちゃんがハイハイをはじめて自分から起ちあがっていくでしょう。そのときに誰かが立たせて歩かしたら、教えられたとおりにしか動けない。だからまずは自分の一歩を始めて欲しい。その人たちと一緒にいたいと思っているんですよ。 だからすっごく難しいし、そんなんなかなか来ないですよね。でもそれを見てたら、「私らって、わたしとあなたぐらいしか見てなくて、世の中のことを見てなかったんやな」ってすごく思ったんですね。 「私らの方が変わらなあかんねんな」ってしずえちゃんを見てて私もそう思ったんです。

守田
それはどういうこと?もう少し教えてください。

畑佐
なんていうのかな。「私が良かったらいい。私のお友だちが良かったらいい」と多くの人が思うんやろうけど、もっと広い世界に自分たちはいてて、「それを動かさないとわたしとあなたの関係はよくならへんよ」ということを彼女は分かっていて。
でも彼女は「私は嫌われてもまわりが良くなったらいい」と思ってはると思うんです。だから一緒に歩く人には必ず自分で起ちあがってきて欲しいと思っている。 先に指示しちゃうことは相手も自分もラクかもしれないけど、それをずっとやってたら、それぞれが自らで考えるという力を奪うって。

守田
畑佐さんはそれをどう評価しているんですか?

畑佐
なかなか理解されにくいし、きついなあと思いますよ。(笑)

にしむら
わっはっは

畑佐
選対でもワアッて人を巻き込んでやっているのではなくて、本当に自発的に動く人たちと一緒に動いているわけですよ。 それはすごいしんどいことなんやけど、それでも彼女の思いは分かっていたから、彼女が立つと聞いて「じゃあ私はどうすんの」と思ったんですよ。
「ものすごい人気のある人を応援するのか、一人でもやる人を応援するのか、どっちなんや」と思ったときに、私は「優しくて、友だちが多くて、支持者が多くてという人が政治家になるべきや」とは思ってないんですよ。

守田 おおお。素晴らしい。でもなんで?

街頭で訴えるにしむらしずえさん 近江八幡駅前2019年4月16日 守田撮影

● 「にしむらしずえ」は着実にちゃんと足を運んで政治につながっている!

畑佐
必ず自分の政策をやりはる人が確かやと思うんですよ。この人は着実にやりはるしこれまでも「みんな一緒にやりましょうよ」ではなくて先端で動いてくれてるんです。それでいろんなことがかなっていく。
だから「着実にちゃんと足を運んで今の政治とつながっている人は誰なんですか?」と聞いたら私は彼女だと思うんですね。 「そしたらそこを応援せんとどうすんの。好き嫌いちゃうやろ。私たちが実現したいことを先にこの人がやってんねん。やり方はまずいかもしれんけど、まずかったらそう言うて一緒に動いたったらええねん」って思うんですよ。

守田
素晴らしい。

畑佐
だからそこやね。うちのパートナーがポスターやチラシを作ったのもそうやし、「供託金にこれ使いや」とお金を持ってきてくれた人もそうやし、「いたらない」と思うんやったらいたるようにしたったらええねん、周りが。
それで私は昔からの親友だからとかじゃなくて、一緒の目的のためにつながっている彼女と一緒に走ることは「自分がやりたいことを着実に実現していく一歩でもあるな」と思ってるんですよ。

守田
すご~い。

畑佐
最初は「こんなにしんどいんやったら明日やめる」とか思いもしました。でも、お金もない、人脈もない、でも「そんなんでようやるな」というのではなく「だったら私が人脈の一人になりましょう」と言おうと。 それでどっちの方がいいかって考えると後者の方が絶対にポジティブやし、その中で「しずえちゃん、これはこうしたらええんちゃう」とか言ったらいい。 でも大抵の人は向き合えへんのですよ。ほんとのところは。だからそういうことを自分がやる場所が今回の選挙なんですよ。私にとっては。

守田
なんかすごいなあ。すごくにしむらさんのことを分かっている。

畑佐
そやからしずえちゃんと距離を置いていた人らも、「ここまでやったら自分もできるな」とか気持ち的にも無理のない範囲で自分で動いてくれてるんです。

にしむら
それがしたいの!私は。

畑佐
そやねん。「なんでこの人、自分のために動いてくれへんの」とか、彼女はぜんぜん思ってはらへんから、そこが分かったらすごく面白いのにな。ほんまは自発的に起こるものの方が良いんやし。

にしむら
来ても来なくてもいいよという環境を作りたい。

畑佐
でも読解するまですごく時間がかかるで(爆笑)

にしむら
ほんまにすいません!

畑佐
「みんなに好かれるように動いたらええのになあ」とか思うことあんねんで。

守田
分かります!

畑佐
「今は敵を作ってる場合とちゃう。とりあえず頭をさげろ!」とか思うときもあんねんけど(笑)けど、それは関わってるからこそ言えることやけど。

守田
僕もね、やっぱり自立した個人の連帯を求めているんですよ。政治についても危機感をわあって煽って、主体性を奪って、だからこれが正しいんだと言うセンセーショナリズムみたいなやり方があるわけだけど、それって扇動で嫌なんですよね。 だけどね、僕はその上で、やっぱりにしむらさんがもう少し頭を下げられるようになるともっと強くなれるのではないかなあとも思うのだけれど。

にしむら
でも私がそうしているのは政治だからなんですよ。がんとして。変えていきたいんでしょ。世の中を。なぜここまであなたたちは動いてきたの。変えていきたかったからでしょ。変えるにはあなたが動かないと、一歩でも半歩でもいいから。

畑佐
そうやって先に走ってるからさ。ついていかれへんのよ。他の人々は。なかなか。

にしむら
すいません(笑)

畑佐
例えやけどね、「次のPTAの役員、誰がやる」って話で2時間も3時間も沈黙が続いて誰も手を上げへん。「誰かやって」と思いつつみんな顔色をうかがっているときに手をあげるんがこの人なんですよ。 でもみんな「できれば人に優しくて人気もある人がいい」とか勝手に理想像を決めてる。そんなときそうでない人が手を上げたら「えええ」とか言い出す。 でもそれっておかしい。手を上げた人にみんなで力を貸したらいいやん。実は「しずえちゃんに手を貸すのはそういうことやで」ってよく説明するんですよ。

守田
小野さんにもお聞きしたいですね。

小野
私も感覚派やからしずえちゃんがやっていることはすごく分かるしとっても応援してるよ。
でもこうした方が人はついてくるかなと思うときもあるかな。なんやろう。人ってしゃべらないと分からない時があるので、公人になったらもっと言語化して話した方が良いと思うね。
私は感覚で分かるだけにもどかしさもあるかな。だからよしみちゃんみたいなサポートは大事だと思うな。

畑佐よしみさんはピアニカが上手でたびたび演奏を披露(畑佐さんFacebookより)

● 世渡りがうまくないから信用できる!

守田
ここらでデザインしてくださっている実さんにもご意見を聞きましょう。

畑佐実
僕はねえ、世渡りのうまいやつは好きじゃないんですよ。だからこれぐらいやったら面白いかなって思うんです。

一同
大爆笑

畑佐実
政治家のトークって好きじゃないですね。選挙の時だけ腰が低くて。でもそんな人に「ありがとう」って言われても嬉しくないし。そもそも僕は人に「ありがとう」って言われてそんなに嬉しくないんですよ。自分が納得してたら一人で嬉しいし。

守田
にしむらさんが求めているのはそういうことですね。でも周りの人は「そのときに一言ありがとうと言えばいいのに」って思う。

畑佐実
世間はそうらしいですね(笑)

畑佐
でもやっぱり無駄に敵を作らない方法もちょっとスパイスの中にいれといて欲しい(笑)

守田
言葉が足りないんとちゃうかな。というよりきっともっと思いを共通言語にしていくと良いですよ。にしむらさんは相手にもっと主体的になって欲しいと思っているのだけど、相手は「自分は嫌われてる」「叱られている」と思ってしまうのではないかな。 そこにもっと言葉を届けてあげたら良いのでは?

畑佐
人は自分の動けない理由を肯定して欲しいねん。ちょっと動いたら誉めて欲しいねん。それならそれを言って、その人が少しでも動けて居場所ができたらいいんとちゃうかな。人は誰も否定されたくないというところがあるんとちゃうかな。

にしむら
だから否定しないためのが私のスタイルなんやけど。

畑佐
だから誤解してはんねんって。向こうが(笑)

守田
でもこれってやっぱり最初のひとてんのことに戻りますよね。なぜっていま話してきたことの原型が全部あそこにある。結局にしむらさんがいつも考えているのは他者の主体性と可能性への深い尊重ですよね。人を信じるからこそあえて石をどけない。

にしむら
本当にもっとみんな、できると思っているんですよ。

守田
そうですね。そして実際ににしむらさんは行政の方とのお話など、相手を尊重する姿勢を見せることで信頼関係を作るのが上手ですよね。まったく見返りを求めないしそのおかげで僕も滋賀県の各地に新しい関わりを持たせてもらってもいます。
その場合、にしむらさんはどんなことを心がけているのかな?

にしむら
行政には安定ヨウ素剤の配布のことや教育の充実のことなどで何度も足を運んできました。その中で議員になって声を強めたいとも思ったのですが、でも行政の中で頑張っておられる方ってすごい能力で働いているんだなと思いました。
何かを心がけたというより、こういう方たちと市民のために何かをできるのは嬉しいなと思って一生懸命にやっていたら、さらにいろんなことができていくなという感じです。最初からダメだと思わずまずはやってみようというのが心がけと言えるかな。

畑佐
そうやって一生懸命にやるから思わぬところから支援の声がかかったりもするんです。 例えばしずえちゃんや私を知る、滋賀県の視覚障がい者協会の理事をやってはる人が、告示前のチラシの点字版を作ってくださり、視覚障がいを持つお知り合いに配ってくださいました。
特定非営利活動法人しが盲ろう者友の会さんが印刷用に点字プリンターを貸し出してくれはったんです。


にしむらさんを囲む輪が広がっている くらしとせいじカフェ@近江八幡 2019年4月10日より

● 私、議席を獲りにいきます!

守田
素晴らしい!それで近江八幡でもいろいろなことを進めているのでしょう。そこは聞いても良いのかな

にしむら
はい。教育のことなどで。でも、うーん。それって選挙のためにしてきたのではないしな。いまここでは詳しくは言わないでおきます。選挙の後を期待していてください。

守田
そういう言い方もにしむらさんらしいですね。

にしむら
近江八幡の行政にもすごく力があって心の温かい方がたくさんおられることがよくわかってきたので、どんどんいろんなことを進めたいです。そのためにもぜひ議会に行きたい。

畑佐
そうやね。本当にしずえちゃんを送りこみたい。彼女は生活に余裕があって政治のことを考えているのとも違うんですよ。生活が厳しい中で本当に政治のことを考えている。 良いことばかり言って、踵を返すように冷たい仕打ちをしてくる人もいっぱい見てきたしね。だから口当たりのいいことを言うより黙々と実行しようとする。 やっぱりこういう、困っている人のことを自分の体験からも知っている人が政治の中に必要やと思います。

にしむら
ありがたいです。

守田
僕もそう思います。ぜひ頑張って議会に入って下さい。

にしむら
はい。頑張ります。命をかけて議席を獲りにいきます!

畑佐
最後まで強気や。

一同
爆笑

にしむらしずえさん頑張って下さい! 

終わり

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明日に向けて(1681)人を信じる。だから目の前の石をどけない!(にしむらしずえさんインタビュー-2)

2019年04月16日 11時14分26秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20190416 11:00)

近江八幡市議選に立候補している、にしむらしずえさんのインタビューの2回目です。選対の畑佐よしみさんもたくさんお話してくださっています。お読み下さい! (なお選挙中ですので重ねての投稿をご容赦ください)

にしむらしずえさんの宣伝カーの看板から

***

● みんなの対話の場を作りだした!

畑佐
私がその頃、しずえちゃんがした仕事の中で一番大きなものは「兄弟社村」で大きな対話集会を行ったことだと思うんです。
共産党、社民党、民主党、市民の会しがの人たちがそれぞれ代表を出してくれました。そんなこと、滋賀では初めてのことだったんです。 新社会党の人を呼べてなくて残念ではあったんやけど、その場を彼女が作ってくれたことで本当に共闘が進みました。それがあって、やっと政党の人たちが壁を越えて話し始めて。

にしむら
国政選挙を手伝ったり政治家の人と付き合ったりする中で「問題の根っこはどこにあるんだ」と突き詰めていったら「なんだ、政党の人たちって対話ができてないんだ」と分かったのです。やってみて「自分の感覚に間違いはなかった」と思いました。

守田
なるほど。この点で滋賀は京都の市民運動よりも進んでいますよね。本当に各党の政治家を囲んだ無数の「くらしとせいじカフェ」が開かれてきました。すごい数だと思います。 市民がこんなに政党の議員たちを尊重して対話の場を提供してきたところは他にはないのではないでしょうか。 それでどうでした?ちゃんと対話してくれましたか?

にしむら
してくれました。「こんなんだったんだ」と思いました。

守田
ううう。「こんなんだったんだ」もすごくにしむらさんらしい言い方で。(笑)

畑佐
でも実際、そういう感じやったよなあ。「なんやこれがでけへんかったん?みたいな。市民の女性が全部準備して、お茶を用意して、花まで飾ってあげへんかったらやられへんかったんか?」ってなあ(笑)

守田
ちなみににしむらさんはそういう企画のときに、常識破りのこともしますよね。僕はにしむらさんに初めにひとてんに放射能問題の講師として呼んでもらったのですが、そのとき「小さいお子さんがお母さんと一緒に会場に入れるスペースを作ってください」と言ったのです。それで会場に行ったら演壇の目の前にそれがあって「うわあ。やられたあ」と思いました(笑)

畑佐
あのとき私も行ってました。「ひとてん、やるな~」と思いました(笑)

守田
僕も「この手があったか。気づかなかった」と思って京都でも真似をしました。

畑佐
かなり壁をぶち破るんですよ。

にしむら
うふふふ。

畑佐
それまで私らもずいぶんいろんなことを自由にやっているつもりやったんです。子育てサークル主催でコンサート企画したりね。ところが子どもが騒いだら「ここにはお金を払ってきている人がいるのになんなんや」とか言われて「しゅーん」となって、それからは後ろの方にスペースを作っていた。
ところがしずえちゃんは「前でやったらいいやんか」って、演壇の前のど真ん中にその場を作った。子育て中で一番子どもを守っているお母さんたちに聞いて欲しい、「そう思ってやっているからにはそこや!」と思ったらもう行動に移すのが彼女なんです。 聞きにきた女性たちの思いに躊躇なく応えようとトライするのは本当にすごいなと思います。

にしむら
でも私は自分たちが考えていることを進めるなら当然そうだと思ったのですよ。

守田
にしむらさんはそのときに相手が驚くとは思ってないのですよね。

にしむら
はい(笑)普通に考えてこれがいいと思ったのですけれど。(笑)


にしむらさんは本当にさまざまに対話の場を作りだしてきた。チラシは彼女がプロモ―トした米原のゆっくりマルシェ

● 「政治家」たちに対話の場を提供するだけではダメ。もっと能動的に!

守田
さて話を戻しましょう。キャラバンを重ねて、各党の代表者が参加する企画も行って。それでどう進んだのですか。

にしむら
最初は政党の人たちも、よく分からないけれど「いっといた方がいいな」という感じで集まってくれたと思うのです。そこから私が調整して、それぞれが食い違っているところをすり合わせる作業が始まりました。

畑佐
でも結局、古い考え方は変わらん面もあったんよね。

守田
そのときにはもっと進めていけばより良い対話が作れると思ったわけだよね。でもそうはいかなかった。どうして?

にしむら
希望の党ができて全部いっぺんに壊れてしまったんですよ。

守田
あああ。そうでしたねえ。

畑佐
残念やったよなぁ。

守田
僕もくらしとせいじカフェの彦根、長浜、米原に二月に一度行って、民主党の国会議員だった方とみんなの対話の場に参加していたから、あの時のことは良く覚えています。

にしむら
国政選挙で統一候補を推したときに対話がないことが分かって、ずっと対話を積み上げてきたのに、一瞬で消え去りました。私たちが目指してきた対話には意味がなかったことが分かりました。 政治家と市民の信頼構築は対話を重ねているだけではできない。同時に「政治家は市民をこんな思いにさせてはいけない」と強く思いました。

守田
それが自分が選挙に出ようと思ったきっかけにもなった?

にしむら 大きくはそうですね。結局、「私も政治家にお願いしているだけだ。そうではなくて自分が行なわないとダメだ」と思いだしたんです。でも明確にパーンとなったわけではなくて、ぎりぎりまでどうするか考え続けましたけど。

守田
それでやがて市会に挑戦しようとなったわけですね。

にしむら そうです。いろいろな条件を考えたらまず市会からなのかなと。

守田
でもこれまでのことが全部そこにつながってますね。

にしむら
そうなんです。「政治家はこういうことをしてはいけない」と思っている時はまだ政治家になろうと考えていなかったのだけれども、でもなるための学びをどんどん深めていた感じです。 もう一つステップがあって私の活動を東京から見てくれている人たちがいたのです。政治家になっていくトレーニングを実施している人たちで、私にそのる意志があるないに関わらず東京の学習会に呼んでくれたのです。 それで選挙のことや市民運動の作り方をたくさん教わりました。若い人たちも関わっていてなかなかすごいのですよ。

守田
それで腹を決めた?

にしむら
うっすらとは思ったけれどまだでした。家庭の事情などのハードルがクリアされたときに「よしやろう」と腹が決まりました。

畑佐
私らが聞いたのは去年の秋ぐらいだったかな。

守田
それからは?

にしむら
関西無所属ネットワークを作りました。

守田
あ、それは知ってます(笑)

にしむら
そうでした。守田さんがみんなをつなげてくれたのでした(笑)。それで集まった時にネットワークを作ろうと私が提案したらみんなが同じように求めていたのです。

なんども政治家などを囲む場を作ってきたにしむらさんがいつしか囲まれる人になった!
くらしとせいじカフェ@近江八幡20190410より この後にインタビューを実行

● 立候補に向けて決めたことは「主体的なもので作ること」

守田
それで1月に記者会見をやって、具体的に立候補の準備を進めてきたのがこの数か月ですよね。どう歩んできましたか?

にしむら
私がまず決めたのは、絶対に「あなたが手伝わなかったから私は落ちた」なんて言わない、選挙に関わる人のそれぞれの生活時間は必ず確保する、「主体的なもの」しか取り入れないという三つのことでした。 立候補するのは私なので何があっても走り抜けるけれど、あとは主体的なもので作ろうと。たとえ一人であっても。

守田
主体的なもの・・・。うーん。そこをもう少し教えてください。

にしむら
私はゼロからの出発だったのですよ。だからポスターも作らないし街宣車も持たないつもりでした。

守田
「持たない」のですか?「持てない」のですか?

にしむら
持てない。でもだから私は持たないということなんです。そうしたら畑佐実さんが現れ、ポスターもチラシもデザインして作ってくれました。そうやって「私はこれをやる」ということだけでいろんなことが積み上がってきて、資金も集まってきた。
「できるもので積み上げる」形で歩んできたのです。それが主体的なものなのですが分かりにくいかな?

守田
いや「選挙にはこういうものがなくちゃいけない」みたいなところから始まるのではなくて、やれることだけを確実に積み上げてきたということですよね。 この点、選挙に無所属で挑む多くの方たちが「まだこれができてないのか」「これすらもないのか」みたいに言われて翻弄されてもいます。「できてない感」をすごく持たされる。

にしむら
それは立候補する人のことを見てないことだと思うんです。私たちは考え抜いた挙句に起ちあがったのに「なになにが足りない」というのはそこを見てない。だから人権の問題として自分の意志を貫かねばと思いましたね。

畑佐
これはほんまに関わらんと分からんことやと思うよ。実際に選対に入って、候補者と一緒に企画を立てて動く立場にならないと、外から見てるだけやったら分からん。だから彼女が「主体的なものしか取り入れない」というのはよく分かるんですよ。
それにこれ、この人の特質やし。一番誤解されるところやねんけど。

守田
そこをもっと聞かせてください。重要なポイントです!

畑佐
彼女ってすごく直接的に自分が「こうだ」と思って行動する人なんですよ。誰かを誘ってとか「みんな一緒に。私が中心になるからやりましょう」とかではないんです。 「私、走るから、ついてきたかったらあなたたちが主体的にやって」となるんです。 そうすると「しずえちゃんがやってるんやったら私もやるわ」とかいう声が出てくるんやけど「応援しているあなたはそれで何をやるの?」という問いかけを彼女は持っていて。まずは動く人を彼女は信じていくんですよ。 そうしたら彼女はその人の行為が自分の動きと違ってもそこは認めはる。でも「それって誤解されやすいなあ」ってすごく思うんですけど(笑)

にしむら
うふふ。

守田
それってどう誤解されるんですか?

畑佐
彼女はよう他の人と比べられるんやけど、例えばよくあるタイプで「みんな頼むわな。お願いやわな。ありがとう、ありがとう」と言って動いていく人がいます。 それがわりかし好まれるんやけど、彼女からは「私はこう動いたよ。さああなたはどう動くの?」という問いかけが来るから厳しいんです。 こういうときに、人は彼女の方から頭を下げてお願いに来て欲しいし、「ありがとう」って言って欲しいし、動き方を指示して欲しいし、パターンにはまりたい。でも彼女はそういうのをぶった切るんです。




にしむらさんのチラシ

続く

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明日に向けて(1680)人を信じる。だから目の前の石をどけない!(にしむらしずえさんインタビュー-1)

2019年04月16日 08時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20190416 08:00)

統一地方選後半戦が始まりました。僕は関西無所属ネットワークに参加する方たちを応援しています。今回はその一人、近江八幡市議選に立候補している、にしむらしずえさんをインタビューしました。 選対の中心で頑張っている畑佐よしみさん(記事では畑佐と略)、デザイン担当の畑佐実さん、カンパのためのポットラックを担っている小野ゆみこさんにも同席していただきました。


にしむらさんのポスター

***

● 子どもや人の持っている力を信じる

守田
まずはなぜ起ちあがったのですか?

にしむら
私の中では今までやってきたことの延長線上で特別なことではないのです。それまでは市民、お母さんの立場で、社会や政治を変えようと頑張ってきました。

守田
どんなことを?

にしむら
教育や原発、基地、戦争、子育て、そして選挙のこと、つまり自分が「暮らす」なかで何か問題に感じたら変えることを始めたのです。それを「ジブンゴトを客体化して社会化する」と言っています。

守田
それ以前から「ひとつぶてんとう園(ひとてん)」を運営されてきたのですよね?どうつながっているのでしょう?

にしむら
「ひとてん」は6年前に始めました。息子の深刻な食物アレルギーがきっかけです。2歳の時でした。それまで子どもに特別に強い思い入れがあったわけではなかったのですが、3歳になると幼稚園に行かせることになります。 息子はそれまでグルテンによるアナフィラキシーショックで3度も死にかけたんですよ。そんな中で幼稚園に行くと「あの子が自分の知らないところで死んで帰って来ることがあるのでは」と思えて、言葉にならない恐怖にさいなまれたのです。
この恐怖を除くために同じ気持ちのお母さんと二人で始めたのが「ひとつぶてんとう園」でした。よく分からないまま「マイノリティ」を対象とするカタチで始めました。色々たくさんありましたがその中のひとつに山登りがありました。
ところが山に登ると子どもたちは感覚的に何が危なくて何が大丈夫かけっこう分かって動いている。それなのに大人はすぐに「ああ、危ない」とか、自分の物差しで決めつけて口を出してしまうのですね。 私も勝手に決めつけてしまっていました。それで「息子が死んでしまうかもしれない」と決めつけないで息子の生き抜く力と感覚を信じることが大事だと気づいたのです。

守田
「いま、大丈夫だ」と思うのではなくて「力をつけていける」ことを信頼するということですね?

にしむら
そうです。「幼稚園に入れると危ない」ではなく「ちゃんと判断できる力を一緒につけて幼稚園に送りだす」と考えたのです。 幼稚園の先生ともコミュニケーションをとり、「私がなんとかしなくちゃ」ではなくて、一緒にやっていける力をつけようと。これって山に行って分かったことなんです。

守田
政治的自覚もそうですね。人々が「政治家に任せていないで自分で政治をやっていける」と思うことが大切なのですよね。

畑佐
そうやね。子どもを預けてしまうとそこでの成長と自分の成長と切り離されてしまうけれど、一緒になって成長していく、その場が「ひとてん」なんやね。

守田
そこをもっと聞きたいのですが、「ひとてん」は子どもをどう育てるかだけではなく親の側が変わることを目指しているのだそうですね。どう変わっていくのかな。

にしむら
まず私自身が山で子どもに何かを与えるのが大人の役割ではないことに気づけたんです。成長させるために「これを教えなきゃ」ではなくて、もともと子どもの中に伸びあがっていく力があることが確認できました。そこで親にも来てもらうことにしました。

守田
素晴らしい!僕の恩師の宇沢弘文先生も「子どもには自ら成長する力があってそれを助けるのが教育だ」と強調されていました。でもそれで親に一緒に来てもらうのはなかなか大変でしょう?

にしむら
神経をつかうひとつは親とのコミュニケ―ションなんです。「自然の中で遊べば良い子になる」と単純に考えていたりして「自分たちの物差しをとることが大事だ」と分かる人はほとんどいない。そんな中で、例えるなら大人は子どもの前に大きな石があると「危ないよ。石があるよ」と先に言ったりどけてしまったりするわけです。私は「子どもは石なんて蹴とばしますよ。自分で乗り越えて行きますよ」というのだけれどたいがいは意味が分からない。そのため山に行く意味を体感してもらうまで時間がかかる。

守田
逆にそこで変わっていく方もいるわけですね。

にしむら
玉ねぎの皮が一枚ずつめくれていくように変わっていくお母さんたちがいて・・・。例えば今から出かけるというときに限って子どもが絵を描き始めたりする。「時間がない」「早くして」というのが普通だけれどそこをグッとこらえて待つのです。

守田
確かに日本は世界の中でも飛びぬけて時間感覚がリジットな国ですよね。世界のどこに行っても初めは「なんでこんなに時間にルーズなんだ」と思わされる。でも途中で「あれ?こっちの方がおかしいのかな」と思えてくる。

にしむら
そうなんですよ。時間を守るかどうかよりも、そのときやっている内容の方が大切なのに、なんか時間に縛られ過ぎている。そんな自分を違うところから見はじめたとき皮がめくれていくんです。



ひとつぶてんとう園のみなさん(ひとてんFacebookアイコンより)

● 「お母さん」が「お母ちゃん」になる?

守田
皮がめくれてどうなるんですか?

にしむら
あるところでひとてんの活動について語って欲しいと頼まれたのですが、「お母さんがお母ちゃんになっていくのがひとてんの活動だ」と話しました。玉ねぎの皮がめくれて最後の一枚がめくれると「お母ちゃん」になるんです。

守田
うーむ。このインタビュー、ずいぶん大切な所に来ました。にしむらさんは言葉遣いがとても面白いのですよ。独創的です。でもこれじゃあ伝わらないかもしれない(笑)

畑佐
そうそう。通訳がいる(笑)

にしむら
そうなんですよ。私、思いを共通言語にして語ることがうまくないんです。

守田
この「お母さん」が「お母ちゃん」になるということ。ここににしむらさんは特別な意味を込めいるわけですよね。「お母さん」と「お母ちゃん」はどう違うんでしょう?

にしむら
うーん。なんて説明しよう。うーん。

守田
たぶんね、お母さんというのは「役割」なのですよね。

にしむら・畑佐
あ、そうそうそう。

守田
みんな最初に悩むのは「お母さんにならねばならない」「お母さんはこうあるべき」ということだと思うのです。そうではなくて「この子がいて私なんだ」となる。

にしむら
「その子」が見えるようになる。

守田
ということですよね。(拍手と笑い)

にしむら
ああ、すっきりした(笑)

守田
アメリカ社会学の中の役割理論というものがあるのですが人はその「役割」に縛られもします。「良いお母さんでなければならない」とか。あるべき「お母さん」像ができて誰がリアルにやりきれているわけでもないのにそこからのマイナスで自分を見てしまう。そうではなくお母さんというのはその時々のリアルな目の前の子どもとの具体的な関係なのですよね。「お母さん像」になんて縛られなくていい。

畑佐
でもみんなそこに自分をあてはめますよね。

守田
そうなんです・・・。でもまあとりあえずこれでいいですよね?

にしむら
はい。それです!ああよかった(笑)

守田
あ、まだインタビュー、終わってないですよ(笑) 


出発式でのにしむらさん バックミラーに写ったものは守田撮影

● ひとてんから政治につながっていく

守田
その「ひとてん」からどう政治につながっていったのかを教えてください。

にしむら
もともとひとてんは子どもたちが出発点でした。その上で「子育と暮らしはつながっている」と考えると農薬のことが気になりだすし、放射能汚染も心配になる。そうすると原発につながっていきます。 それで自分の周りのことがぜんぶ政治につながっていることが体感できたのです。

守田
それが前回の滋賀県知事選のころだったのですか?

にしむら
そうですね。知事選の間にいろいろ考えたのです。それで候補にメールで質問したら丁寧な答えが返ってきました。それも踏まえて投票したらその候補が当選しました。なんか大きな成功体験でした。
知事や政治との距離が近くなり、それまでは自分と切り離してきたことがつながった。「あ、お母さんでも反応してもらえるんだ」と思った。「お母さん」の立場で世の中を変え子どもたちを守っていけると思いました。

守田
うーむ。あのね、この場合読者はこの「お母さん」は「お母ちゃん」じゃない「お母さん」なの?どっち?と悩むと思うんですよ。

にしむら
わははははは。 その場合は種類が違います。

畑佐
あかん、通訳せんと(笑)

守田
脈絡的に言うとこの場合は「お母ちゃん」なんじゃないの?

にしむら
私的には違うんです。ひとてんで言えば「お母ちゃん」になって集っているのではなくて「お母さん」も「お母ちゃん」もいる。みんなが「お母ちゃん」ではないんです。
それがひとてんでその人たちが関わっていける。ひとてんにはお父さんも来ているし、子どもがいない人もいるし。

守田
それなら「私たち」でも良いのかも・・・。とりあえず前に進めましょう(笑) その「私たち」でも関わっていけるんだと。それが分かってどんな関わりを強めたのですか?

にしむら
選挙の手伝いをしてチラシをまくとかプラカードを持つとか。

畑佐
どこかの候補の応援の前に「選挙に行こう」という運動をみんなでしました。

にしむら
どういう風にしたら人によりよく伝わるかとかみんなで頭をひねりました。そのうちに議員の応援にも行くようになって。

守田
つまり初めはすでにいる議員に期待したわけですね。

にしむら
そうです。期待したのです。遠かった「議員さん」が近くなったし。

守田
それでどうでしたか?

にしむら
議員さんと「くらしとせいじカフェ」をしたりしました。勉強会に来てもらったり、選挙の応援をしたり。そのころは戦争法を食い止めようと野党共闘が進んでいたので滋賀でもやりました。
でも国政選挙で野党統一候補を推すということで、私たちが心の中では納得してない人のために動かなくてはならなくなったのです。

畑佐
しかも結局、このとき候補だった方は私たちにちゃんと顔を向けてくれなかったんですよ。選挙後挨拶にすらこなかった。選挙の前はあれだけちやほやもされていた私たちは何もなかったかのように捨てられてしまった。

にしむら そこに市民がかけた時間や努力がどれだけ大きくて、そんなのとてもひどいことだということが、その方には見えてないことが分かって「これは自分たちで決めて行った投票ではなかった」と感じました。
それでキャラバンを始めたのです。民主党(旧)と共産党の国政候補予定者をあちこち連れていきました。新たに野党共闘を進めるための前段階として一年かけて。小さな「くらしとせいじカフェ」を幾つも作りました。

仲間たちに囲まれながらの街宣の途中に

続く

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