守田です(20201201 22:30)
連載の「原発から命を守るために」の4回目をお届けします。
● 暫く地震がない・・・エネルギーが溜まっている可能性が
この連載の初めに、原発と地震の関係を論じました。なぜこれを書いたのかと言うと、このところ幸いにも大きな地震は起きていませんが、その分、エネルギーが溜まっており、いつ大きな地震が起きても不思議ではないと考えられるからです。
もう少し具体的に見ていくと、今年、震度5弱以上の地震は4回しか起こっていません。
3月13日石川県能登地方の地震(震度5強・M5.4)、6月24日千葉県東方沖地震(震度5弱・M6.2)、9月4日福井県嶺北地震(震度5弱・M5.0)、そして11月24日茨城県沖地震(震度5弱・M5.7)です。
これに対して2019年には震度5弱以上の地震が9回、2018年には11回起きました。しかも4月島根県西部地震が震度5強、5月長野県北部地震が震度5強、6月大阪府北部地震が震度6弱とより大きな地震が多発しました。
9月には北海道胆振東部地震(震度6強)が起こり、北海道が一次全域でブラックアウト。大阪と北海道の地震では犠牲者も出てしまいました。こうした震度5弱以上の地震は2017年は8回、2016年熊本大地震を含め33回でした。
日本列島では地震は周期的に必ずおきます。とくにプレートのぶつかりから生じる海溝型地震とひずみ集中帯地震は必ず起こる地震です。それらから今年は地震が少なかった分だけ、地震のエネルギーがより溜まっていると考えるべきです。
地震・火山月報のデータを合成
● ひずみ集中帯と原発
海溝型地震、ひずみ集中帯地震、内陸地震とどれもがとても怖いですが、注目すべなのは「ひずみ集中帯」地震が、最近になってはじめて発生の仕組みがつかめだしたものだということです。
いつ頃なのかというと1995年の阪神大震災後です。GPS機能が発達し、精密な地震観測が可能になったことが大きいのですが、大事なのはこの国の原発のほとんどが、それ以前に建てられたこと。
「ひずみ集中帯」など知らずに建設を進めたために、結果的に危険地帯の上に幾つも原発が建てられてしまったです。
北海道地震で大停電が起こったのも、「ひずみ集中帯」の上に北海道の電力の半分も賄う火力発電所が置かれていて、地震で壊れてしまったことに原因があります。これが原発だったら福島原発事故の再来になりかねませんでした。
これらから言えることは「ひずみ集中帯」にある原発は絶対に本当にもう動かすべきではないということです。福井の原発銀座も「ひずみ集中帯」の上。あまりに危険です。「原発動かすな」の声を高めましょう。
ただし原発は止まっても使用済み核燃料がある限り危険が続きます。止めたとしても対策が必要です。通常の地震対策と原子力災害対策をぜひとも重ねておいてください。地震と原発から命を守りましょう!
阪神淡路大震災で倒壊した高速道路 ロイター この地震もひずみ集中帯地震!
続く
#震度5弱以上の地震 #海溝型地震 #ひずみ集中帯 #地震と原発
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