「二次会に出るから。そのまま照子の家にお泊まりしてくるわ」
母親の視線を避けるように、背中越しに言う真理子に
「茂作さんのお孫さんに、会うのかい? お母さんは、真理子のこと信じてるからね」
と、母親の言葉が返ってきた。
母親の直感とでも言うのだろうか、真理子の尋常ならぬ雰囲気を感じていた。
真理子はその言葉が聞こえないふりをして、
「行って来まあす!」
と、努めて明るく振る舞った。
『信じてるからね』
母親の言葉が、真理子の頭にこだまのように響いた。
決意をした筈であったが、”母親の信頼を裏切ることになる”という思いが、真理子を責めた。
そしてその瞬間に遭遇すると、恐怖心が蘇ってきた。
「ごめんなさい。まだ、やっぱり…」
真理子の両手が、彼の体を離しにかかった。
突然の真理子の心変わりにも、彼の動きは止まらなかった。
お互いの、体の押し問答が暫く続いた。
彼の全てから力が抜けた。
その機を逃さず、真理子は彼の下から抜け出た。
彼はベッドにうつ伏せになった状態のまま、身じろぎ一つしなかった。
一時の激情が冷めた彼は、真理子に対しどう相対すればいいのか、わからずにいた。
真理子にしても、彼に対しどんな言葉をかければいいのか、、、。
静寂の時が流れ、その沈黙に耐えられなくなった真理子が、ぽつんと呟いた。
母親の視線を避けるように、背中越しに言う真理子に
「茂作さんのお孫さんに、会うのかい? お母さんは、真理子のこと信じてるからね」
と、母親の言葉が返ってきた。
母親の直感とでも言うのだろうか、真理子の尋常ならぬ雰囲気を感じていた。
真理子はその言葉が聞こえないふりをして、
「行って来まあす!」
と、努めて明るく振る舞った。
『信じてるからね』
母親の言葉が、真理子の頭にこだまのように響いた。
決意をした筈であったが、”母親の信頼を裏切ることになる”という思いが、真理子を責めた。
そしてその瞬間に遭遇すると、恐怖心が蘇ってきた。
「ごめんなさい。まだ、やっぱり…」
真理子の両手が、彼の体を離しにかかった。
突然の真理子の心変わりにも、彼の動きは止まらなかった。
お互いの、体の押し問答が暫く続いた。
彼の全てから力が抜けた。
その機を逃さず、真理子は彼の下から抜け出た。
彼はベッドにうつ伏せになった状態のまま、身じろぎ一つしなかった。
一時の激情が冷めた彼は、真理子に対しどう相対すればいいのか、わからずにいた。
真理子にしても、彼に対しどんな言葉をかければいいのか、、、。
静寂の時が流れ、その沈黙に耐えられなくなった真理子が、ぽつんと呟いた。
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