2日(木).きのう浜離宮朝日ホールで韓国系ドイツ人クララ・ジュミ・カンのバイオリン・リサイタル
を聴きました.この人が5月7日に東響とブルッフのバイオリン協奏曲を演奏したのを聴いて,すごくいい印象を持ったのでチケットを買ったのです.1987年マンハイムに生まれ,4歳の時に史上最年少でマンハイム高等音楽院に入学,5歳でハンブルグ交響楽団と共演と年少時から才能を発揮している逸材です.
彼女は昨年の「仙台国際音楽コンクール・バイオリン部門」で優勝したという関係もあってか,ホールのホワイエ(ロビー)には今回の東北大震災の写真が展示されていました.仙台フィルのメンバーが避難所で演奏している写真が印象的でした.また,プログラムにはソリストの次のようなメッセージが挟み込まれていました.
「仙台でのコンクール優勝者として,私は日本にとても愛着があり,今回の出来事が起こったときは,気が気ではありませんでした.日本が,この天災から一日も早く復興できますことを心より望んでおります」
プログラムは前半が①ブラームス「バイオリン・ソナタ第1番」②イザイ「無伴奏バイオリン・ソナタ第3番」の2曲,後半が①ショーソン「詩曲」②チャイコフスキー「ワルツ=スケルツォ」③同「感傷的なワルツ」④べィニャフスキ「華麗なポロネーズ第2番」の4曲です.
ブラームスは,最初聴いたときに低音部が”ややくぐもった”というか”くすんだ”というか,独特な音色が印象的だったのですが,半分はこのホールの特徴なのかもしれないと思いました.最初から直球勝負
という感じでした.イザイは単一楽章の中に多くの音楽要素が詰め込まれている複雑な曲で,ピアニシモからフォルティシモまで,歩く速度から最速で走る速度まで,幅の広い技巧を求められる難曲ですが,彼女は確実なテクニックで表情豊かに演奏しました
ショーソンは,あらためて聴いてみると,”ああ,こういう曲だったんだなあ
”と思い直しました.チャイコフスキーの「ワルツ=スケルツォ」は,曲名を伏せて聴けばウインナ・ワルツと間違えてしまうような,でも,やっぱりチャイコフスキーらしいメロディーもある曲です.「感傷的なワルツ」ではバイオリンが泣いて
いました.べィニャフスキはショパンと同じポーランド出身で,しかもパリで活躍した人で,もしショパンがバイオリニストだったらこの「華麗なポロネーズ」のような曲を作曲したに違いないと思うほどメロディの特徴が似ていました.一言で言えば”ブリリアント
”な演奏でした.
鳴り止まない拍手に応えてアンコールを3曲演奏しました.ドボルザーク「スラブ舞曲」,クライスラー「中国の太鼓」,そしてマスネ「タイスの瞑想曲」の3曲です.彼女は緩急自在,詩情豊かに弾いていました.
さて,今回のリサイタルで一つ気がついたことは,通して暗譜で弾いた中で唯一,最初のブラームスのソナタだけ楽譜を前に弾いたということです.滅多に弾かない曲なのか,一番古典に近い曲なのであえて慎重に構えたのか,本当の理由は本人に訊いてみなければ分かりませんが,訊いてみたい気がします
いま私が注目しているのは韓国系のアーティストです.バイオリニストでは2~3年前に聴いたロン・ティボー・コンクール優勝者シン・ヒョンス,今回のクララ・ジュミ・カン,今後7月に聴く予定のパク・ヘユン(2009年ミュンヘン国際音楽コンクール史上最年少優勝者),指揮者ではあらゆる曲を暗譜で指揮するチョン・ミュンフンです. コンサートに行くと入り口付近でチラシを配っていますが,韓国系の演奏家のチラシが入っていれば必ず引き抜いておきます.そして1週間以内にはチケットを手配しています
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彼女は昨年の「仙台国際音楽コンクール・バイオリン部門」で優勝したという関係もあってか,ホールのホワイエ(ロビー)には今回の東北大震災の写真が展示されていました.仙台フィルのメンバーが避難所で演奏している写真が印象的でした.また,プログラムにはソリストの次のようなメッセージが挟み込まれていました.
「仙台でのコンクール優勝者として,私は日本にとても愛着があり,今回の出来事が起こったときは,気が気ではありませんでした.日本が,この天災から一日も早く復興できますことを心より望んでおります」
プログラムは前半が①ブラームス「バイオリン・ソナタ第1番」②イザイ「無伴奏バイオリン・ソナタ第3番」の2曲,後半が①ショーソン「詩曲」②チャイコフスキー「ワルツ=スケルツォ」③同「感傷的なワルツ」④べィニャフスキ「華麗なポロネーズ第2番」の4曲です.
ブラームスは,最初聴いたときに低音部が”ややくぐもった”というか”くすんだ”というか,独特な音色が印象的だったのですが,半分はこのホールの特徴なのかもしれないと思いました.最初から直球勝負
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ショーソンは,あらためて聴いてみると,”ああ,こういう曲だったんだなあ
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鳴り止まない拍手に応えてアンコールを3曲演奏しました.ドボルザーク「スラブ舞曲」,クライスラー「中国の太鼓」,そしてマスネ「タイスの瞑想曲」の3曲です.彼女は緩急自在,詩情豊かに弾いていました.
さて,今回のリサイタルで一つ気がついたことは,通して暗譜で弾いた中で唯一,最初のブラームスのソナタだけ楽譜を前に弾いたということです.滅多に弾かない曲なのか,一番古典に近い曲なのであえて慎重に構えたのか,本当の理由は本人に訊いてみなければ分かりませんが,訊いてみたい気がします
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いま私が注目しているのは韓国系のアーティストです.バイオリニストでは2~3年前に聴いたロン・ティボー・コンクール優勝者シン・ヒョンス,今回のクララ・ジュミ・カン,今後7月に聴く予定のパク・ヘユン(2009年ミュンヘン国際音楽コンクール史上最年少優勝者),指揮者ではあらゆる曲を暗譜で指揮するチョン・ミュンフンです. コンサートに行くと入り口付近でチラシを配っていますが,韓国系の演奏家のチラシが入っていれば必ず引き抜いておきます.そして1週間以内にはチケットを手配しています
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