21日(金)。わが家に来てから今日で3692日目を迎え、米ワシントン・ポスト電子版は18日、国務省が「任務に不必要」と見做したミューヨーク・タイムズ紙やロイター通信などのニュース媒体の購読・契約打ち切りを各地の在外公館に指示したと報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
ウクライナのゼレンスキー大統領を”独裁者”と呼んだトランプこそ独裁者じゃね?
諸般の事情により、昨日の夕食作りはお休みしました
昨夜、すみだトリフォニーホールで2025都民芸術フェスティバル参加公演「東京シティ・フィル」を聴きました プログラムは①ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲、②プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」、③マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲、④プッチーニ:歌劇「ジャン二・スキッキ」より「私のお父さん」、⑤レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」間奏曲、⑥プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」より「この宮殿の中で」、⑦貴志康一「交響曲『仏陀』」です
演奏は②④⑥のソプラノ独唱=野々村彩乃、指揮=藤岡幸夫です
プログラム前半はイタリアオペラの序曲・間奏曲・アリア集です
ソプラノ独唱の野々村彩乃は山口県出身。東京二期会オペラ研修所本科修了、優秀賞受賞 ウィーン国立音楽大学セミナーでディプロマ取得。全日本学生音楽コンクール全国大会で、声楽史上初となる高校・大学の両部門で優勝
オケは14型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつものシティ・フィルの並び。コンマスは戸澤哲夫です
1曲目はヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲です この歌劇はジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)が作曲し、1862年にロシアのペテルブルクで初演された全4幕8場からなるオペラです
「序曲」はオペラの鍵となるモチーフが次々と現れ、全体のストーリーを凝縮したような構成になっています
藤岡の指揮で演奏に入りますが、金管による運命的なモチーフが悲劇を予言し、続いて切れ味鋭い弦楽器が速めのテンポで切羽詰まったフレーズを奏で、ドラマティックな演奏が展開します フルート、クラリネットの抒情的な演奏が印象的でした
2曲目はプッチーニ:歌劇「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」です このオペラはジャコモ・プッチーニ(1858-1924)が1900年から03年にかけて作曲、1904年にミラノ・スカラ座で初演されました
このアリアは第2幕で、未だアメリカから戻らない夫ピンカートンを待ち続ける蝶々さんの純粋な気持ちを歌ったものです
野々村はリリカルな歌唱で、蝶々さんの気持ちをドラマティックに歌い上げました
3曲目はマスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲です この歌劇はピエトロ・マスカーニ(1863-1945)が作曲、1890年にローマで初演されたオペラです
「カヴァレリア・ルスティカーナ」とは「田舎の騎士道」といった意味です
「間奏曲」は復活祭の礼拝の場面で演奏される曲で、「静謐」を音で表したらこういう音楽になるのだろうと思うほど静かに心を揺さぶる曲です
「私が死んだら、お葬式でこの曲を流してほしい」という人を知っていますが、あまりにも美しすぎる曲です
藤岡の指揮で演奏に入りますが、弦楽器の弱音による繊細な演奏にオーボエの悲し気な音楽が加わって、静かな感動を呼びました
4曲目はプッチーニ:歌劇「ジャン二・スキッキ」より「私のお父さん」です このオペラはプッチーニが1918年に作曲、「外套」(1916年)、「修道女アンジェリカ」(1917年)とともに「3部作」として1918年に米メトロポリタン歌劇場で一括上演されました
野々村は伸びやかな歌唱で、ラウレッタの結婚したい気持ちをドラマティックに歌い上げました
5曲目はレオンカヴァッロ:歌劇「道化師」間奏曲です この歌劇はルッジェーロ・レオンカヴァッロ(1857-1919)が作曲、1892年にミラノで初演されたオペラです
「間奏曲」は第1幕の幕切れのカニオのアリア「衣装を着けろ」に続いて演奏される曲です
藤岡の指揮で演奏に入りますが、冒頭の分厚い低弦の響きとその後の繊細なヴァイオリンの響きの対照が印象的でした
前半最後の曲はプッチーニ:歌劇「トゥーランドット」より「この宮殿の中で」です この歌劇はプッチーニが1921年から24年にかけて作曲するも未完に終わり、作曲者の死後の1926年に初演されました
野々村は巧みなヴォイスコントロールによって、トゥーランドット姫の「誰のものにもならない」という強い意志をドラマティックに歌い上げました
会場いっぱいの拍手とブラボーのなかカーテンコールが繰り返されました 野々村はアカペラで山田耕筰「からたちの花」をクリアな歌唱で歌い上げ、再び大きな拍手に包まれました
プログラム後半は貴志康一「交響曲『仏陀』」です この曲は貴志康一(1909-1937)が1934年に作曲、同年11月18日にベルリンで貴志の指揮するベルリン・フィルにより初演されました
貴志は1928年、1930年、1932年と3度にわたりベルリンを訪れていますが、3度目の時に指揮法をフルトヴェングラーから、作曲をヒンデミットから学んだといいますから、驚きます
第1楽章「モルト・ソステヌート ~ アレグロ:印度 ”父” 」、第2楽章「アンダンテ:ガンジスのほとり ”母” 」、第3楽章「ヴィヴァーチェ:釈迦誕生 ”人類の歓喜” 」、第4楽章「アダージョ:摩耶夫人の死」の4楽章から成ります
藤岡の指揮で第1楽章に入りますが、序奏のホルンの演奏はブルックナーを思い起こしました 続く主部ではヒーロー漫画のテーマのような勇壮な音楽が展開します
第2楽章は弦楽器のピッツィカートに導かれて、フルートがよく歌います
また戸澤コンマスのソロ、ヴィオラ首席・臼木麻耶の独奏も素晴らしかった
第3楽章では、デュカスの交響詩「魔法使いの弟子」にそっくりの音楽が繰り広げられ、思わずディズニーの「ファンタジア」の水汲みシーンを思い起こしました
第4楽章は穏やかな音楽が展開しますが、ヴァイオリン・セクションのアンサンブルが美しく、また戸澤コンマスと臼杵首席との二重奏も素晴らしかったです
静かに曲を閉じると、会場いっぱいの拍手とブラボーがステージに押し寄せました
全体を聴いた印象は、極めてモダンな曲だなと思いました 貴志は病気で28歳の若さで生涯を閉じましたが、もっと長生きしていたらとんでもない怪物になっていたのではないか、と思います
藤岡幸夫は、今月14日のシティ・フィル定期公演で演奏した伊福部昭:交響頌偈「釈迦」に次いで、この日は貴志康一:交響曲「仏陀」を取り上げましたが、彼の日本人作曲家による作品を積極的に演奏する姿勢は素晴らしいと思います
今日は今週で唯一コンサートのない日です 早朝から確定申告に行ってきます
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