24日(土)。わが家に来てから119日目を迎え、暗くて狭いところでリラックスしているモコタロです
うしろ姿で失礼! 足からず・・・・
閑話休題
昨日午前11時から、当ビル10階ホールで「シベリウス生誕150年記念」記者会見があり、出席しました フィンランド放送交響楽団首席指揮者のハンヌ・リントゥ氏と日本シベリウス協会会長で愛知室内オーケストラ常任指揮者の新田ユリ氏がシベリウスの音楽の魅力について語りました
記者会見で配布されたシベリウス関連パンフレット
それに先立って、東京都交響楽団のメンバー(第1ヴァイオリン=篠原智子、第2ヴァイオリン=三原久遠、ヴィオラ=林康夫、チェロ=森山涼介)によって、シベリウスの弦楽合奏曲「アンダンテ・フェスティーヴォ」が弦楽四重奏で演奏されました 演奏者はステージ中央ではなく、音響効果の関係で舞台の右サイドで演奏することが分かったので、右側前方の座席を確保しました
「アンダンテ・フェスティーヴォ」は、1922年にサイナトゥサロ製作所からの依頼で、その25周年記念祝賀会のために弦楽四重奏曲として作曲されました その後、ティンパ二を含む弦楽合奏用に編曲され、1941年に出版されました。1939年のシベリウス自演の放送録音がCD化されているとのことです
四重奏メンバーの譜面台の上にはペラ1枚の楽譜が置かれているだけ 演奏時間はたったの6~7分の短い曲です
「フェスティーヴォ」というのはイタリア語で「祝祭的な」という意味ですが、実際に聴いてみると「祝祭的」な雰囲気はまったく感じられません むしろ厳かな曲想です。指揮者リントゥ氏が語っていたように、この曲は「シンプルだが、そうであるがゆえに世界中で受け入れられる」曲だと思います
この作品はシベリウスのお気に入りの曲だったそうですが、都響メンバーによる素晴らしい演奏を聴いていて感じたのは「特にわれわれ日本人にとってすごく共感できる音楽だな」ということです
日本語を付けて歌えば日本の歌になるのではないか、と思うくらいです
フィンランド大使館からのメッセージ
リントゥ氏の話で印象的だったのは、少年期に図書館で借りた渡邊暁雄氏が指揮をするシベリウスの「交響曲第2番」のLPレコードを聴いて感銘を受けたという発言です 渡邊暁雄氏の母シーリはフィンランド人で、新田ユリさんの資料によると1935年12月8日(シベリウスの誕生日)に、シベリウス70歳を記念したJOAKラジオ特別番組でシベリウスの「黒いバラ」などを歌っています
また、渡邊暁雄氏は1962年11月に日本フィルを指揮してシベリウス「交響曲全集」を世界で初めてステレオ録音しています
このように渡邊親子はシベリウスの音楽を日本に普及させた最大の功労者と言えます
本当は次ページに続きますが省略します
クラシック音楽の指揮者を招いての記者会見は、記者クラブ始まって以来のことと聞きました 記者会見が始まる午前11時前には、広い会場にパラパラとしか聴衆がいなかったので、いったいどうなるのか
と心配していましたが、そのうち結構な数の人たちが集まってきたので一安心しました
今年は、シベリウス生誕150年を記念したコンサートが全国各地で開かれますが、私も何回かは聴きに行くと思います。交響曲の中では特に「第5番」が好きなので、プログラムに含まれていれば是非聴きに行きたいと思います
(昨夕のコンサートのチラシ。リントゥさんはこういう顔の人です↑)
(新田ユリさんの指揮する演奏会はまだ間に合います)
も一度、閑話休題
昨夕6時から、同じ10階ホールで日本記者クラブ主催の試写会が開かれ、フランスのアラン・レネ監督「愛して、飲んで、歌って」(2014年、フランス)を観ました
物語の舞台はイギリスのヨークシャー郊外。3組の夫婦は、友人ジョルジュが病気で余命わずかと知らされて悲しみにくれるが、すぐに気を取り直して愛すべき旧友の限られた人生を充実したものにしようと一致団結する しかし、過去にジョルジュと関係のあった女たちは彼をめぐって火花を散らすので、男たちは振り回される
3人の女たちは、それぞれがジョルジュから「いっしょに旅行に行こう」と誘われていた。そんなに人気のあるジョルジュとは一体どんな人物なのか?男たちは、それぞれどんな行動を起こすのか
この映画のタイトル「愛して 飲んで 歌って」は、言うまでもなく、ヨハン・シュトラウス二世のワルツ「酒、女、歌」を意識しています 英国の戯曲家アラン・エイクボーンの「お気軽な生活」を映画化したものです
アラン・レネ監督というと1961年制作の「去年マリエンバードで」という難解な映画で有名です。私はン十年前と数年前の2度観ましたが、まったく理解不能でした
それに比べてこの映画は何と分かりやすい内容でしょうか
もちろん、ヨハン・シュトラウスのワルツ「酒、女、歌」も流れます
また、建物のスケッチをイラストで描いて、それが次の瞬間にリアル映像で紹介されるなど、映像表現に工夫が凝らされています
それにしても、舞台がイギリスのヨークシャー地方なのに、全編フランス語の会話というのも洒落ています
この映画の主役とも言うべきジョルジュはとうとう最後までわれわれの前に姿を現しませんが、人生の教訓を残して死んでいきます 映画の最後に流れるワルツの調べは「人生を楽しめ
」と語っています。これが昨年3月1日にこの世を去ったアラン・レネ監督のメッセージなのでしょう
この映画は2月14日(土)から神保町の「岩波ホール」で上映されます。上映時間は108分です
最後の、閑話休題
昨日、そして今朝聴いたCDはロッシーニの歌劇「セヴィリアの理髪師」です。ロジーナをマリア・カラスが、フィガロをティト・ゴッピが歌い、アルチュオ・ガリエラ指揮フィルハーモニア管弦楽団がバックを務めています 今日の午後に東劇でMETライブビューイング「セヴィリア~」を観るので、その予習です
ところでマリア・カラスは、やっぱりヴェルディやプッチーニやドニゼッティやベッリー二などのドラマチックなヒロインの方が向いているのではないか、と思います
オペラ・ブッファにはやや暗い声質かも知れないと思うのですが、どうでしょうか