人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ヘルベルト・ブロムシュテット ✕ 伊藤圭 ✕ NHK交響楽団でニルセン「クラリネット協奏曲」、ベルワルド「交響曲第4番」他を聴く / 都響2025~26シーズン・ラインナップ発表・新旧料金比較

2024年10月11日 00時01分07秒 | 日記

11日(金)。東京都交響楽団が公式サイトで「2025~26シーズン・ラインナップ」を発表しました 都響は2025年に創立60周年を迎えることから、各シリーズとも例年に増して充実したプログラム内容になっています 各シリーズのラインナップは以下の通りです

Ⅰ 定期演奏会Aシリーズ(東京文化会館:19時開演。全8回)

     

このシリーズで最大の呼び物は2月度のインバル ✕ 都響第3次マーラー・シリーズ第2弾「交響曲第8番”千人の交響曲”」です ショスタコーヴィチ没後50年記念ということで組まれた①9月度の「ヴァイオリン協奏曲第2番」&「交響曲第15番」(指揮=大野和士、ヴァイオリン=アリーナ・イブラギモヴァ)、②12月度の「交響曲第10番」&チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」(指揮=小泉和裕、Vn:三浦文彰)も魅力です また、7月度のアラン・ギルバート指揮によるブラームス「交響曲第3番&第4番」、3月度の大野和士指揮によるブリテン「春の交響曲」も期待できそうです

Ⅱ 定期演奏会Bシリーズ(サントリーホール:19時開演。全8回)

     

このシリーズではショスタコーヴィチ没後50年記念ということで組まれた①4月度の大野和士指揮による「ヴァイオリン協奏曲第1番」(Vn:アリョーナ・バーエワ)&チャイコフスキー「交響曲第5番」、②5月度のクシシュトフ・ウルバンスキ指揮による「ピアノ協奏曲第2番」(P:アンナ・ツィブレヴァ)&「交響曲第5番」、③9月度の大野和士指揮による「ヴァイオリン協奏曲第2番」(Vn:アリーナ・イブラギモヴァ)&「交響曲第15番」、④10月度のヨーン・ストルゴーズ指揮による「交響曲第11番」他が揃っています また、7月度のカリーナ・カネラキス指揮によるマーラー「交響曲第1番」&ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」(P:アリス・紗良・オット)と、3月度のピエタリ・インキネン指揮によるサン=サーンス「ピアノ協奏曲第4番」(P:キット・アームストロング)&プロコフィエフ「交響曲第3番」他は期待大です

Ⅲ 定期演奏会Cシリーズ(東京芸術劇場:14時開演。全7回)

     

このシリーズの最大の呼び物は3月度のオスモ・ヴァンスカ指揮によるシベリウス「交響曲第1番&第4番」でしょう また、10月度のヨーン・ストルゴーズ指揮によるベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」はソリストのヴェロニカ・エーベルレが魅力的です

Ⅳ プロムナードコンサート(サントリーホール:14時開演。全5回)

     

このシリーズでは、6月度の沖澤のどか指揮によるプーランク「2台のピアノのための協奏曲」(P:フランク・ブラレイ&務川慧悟)&ストラヴィンスキー「春の祭典」他が最大の魅力です 7月度のアラン・ギルバート指揮によるブラームス「交響曲第1番&2番」も期待大です

Ⅴ 特別演奏会・その他

     

なお、年間会員券の新旧比較(2024年度シーズン 対 2025年度シーズン)は以下の通りです

Ⅰ Aシリーズ(東京文化会館:全8回)

S席:37,650円 ⇒ 41,400円(+3,750円: 9.9%増)

A席:32,450円 ⇒ 35,700円(+3,250円:10.0%増)

B席:27,600円 ⇒ 30,700円(+3,100円:11.2%増)

C席:22,450円 ⇒ 25,650円(+3,200円:14.3%増)

Ex  :20,050円 ⇒ 23,800円(+3,750円:18.7%増)

上記の通り3,000円台の値上げになっています

Ⅱ Bシリーズ(サントリーホール:全8回)

S席:39,150円 ⇒ 39,450円(+300円:0.8%増)

A席:34,100円 ⇒ 34,400円(+300円:0.9%増)

B席:29,150円 ⇒ 29,450円(+300円:1.0%増)

C席:24,100円 ⇒ 24,400円(+300円:1.2%増)

P席:24,000円 ⇒ 24,800円(+800円:3.3%増)

上記の通り小幅な値上げに止まっています

Ⅲ Cシリーズ(東京芸術劇場:全6回 ⇒ 全7回)※公演回数が異なることに注意

S席:28,200円 ⇒ 33,200円(+5,000円:17.7%増)

A席:24,350円 ⇒ 28,700円(+4,350円:17.9%増)

B席:20,700円 ⇒ 24,450円(+3,750円:18.1%増)

C席:16,850円 ⇒ 19,950円(+3,100円:18.4%増)

Ex  :15,150円 ⇒ 18,100円(+2,950円:19.5%増)

このシリーズは回数が1回多くなるので同一条件では比較できません

Ⅳ プロムナードコンサート(全5回)

S席:23,100円 ⇒ 24,150円(+1,050円: 4.5%増)

A席:19,400円 ⇒ 20,550円(+1,150円: 5.9%増)

B席:16,100円 ⇒ 17,100円(+1,000円: 6.2%増)

C席:16,100円 ⇒ 18,100円(+2,000円:12.4%増)

P席 :15,500円 ⇒ 17,000円(+1,500円: 9.7%増)

上記の通り1,000円から2,000円の値上げになっています

(注)上記の料金比較はtoraが都響のデータに基づいて計算したものです。ご留意ください。

現在私はBシリーズ(サントリーホール)の定期会員ですが、各シリーズのラインナップを見ると、AかBかと迷うところです しかし、Aシリーズの会場「東京文化会館」は音響は申し分ないのですが、あの狭い座席が我慢できません したがって、今の時点では料金の値上げ幅も小さいBシリーズを継続することとし、Aシリーズのインバルのマーラー「交響曲第8番」やギルバートのブラームス「交響曲第3番&4番」などは単発でチケットを手配しようと考えています

ということで、わが家に来てから今日で3559日目を迎え、米南東部を大型ハリケーンが襲い、さらに巨大なハリケーンの上陸も予測されたなかで、共和党のトランプ前大統領は3日の集会で「カマラ(ハリス)は米連邦緊急事態管理局(FEMA)の資金をすべて、何十億ドルも不法移民のための住宅に使った」と根拠なく語り、虚偽情報を広めた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     トランプは当選するためなら 嘘八百など朝飯前 落選しても また認めないんだろう

         

昨日、夕食に「豚バラと大根の炒め煮」「生野菜とアボカドとチーズのサラダ」「シメジの味噌汁」を作りました 豚バラ~は 見た目はこんなですが味はとても美味しかったです

     

         

昨夜、サントリーホールでNHK交響楽団10月度Bプログラム(1日目)を聴きました    プログラムは①シベリウス:交響詩「4つの伝説」~「トゥオネラの白鳥」、②ニルセン「クラリネット協奏曲」、③ベルワルド「交響曲第4番”ナイーヴ”」です    演奏は②のクラリネット独奏=伊藤圭(首席)、指揮=桂冠名誉指揮者ヘルベルト・ブロムシュテットです

N響機関誌「PHILHARMONY」10月号のBプロのページにある「カバー・コンダクター=ゲルゲイ・マダラシュ」の表記は、97歳のブロムシュテットに万が一のことがあった時に、マダラシュが代役を務めることを意味しています N響は背水の陣で臨んでいます

     

オケは14型で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置。コンマスは郷古廉です

1曲目はシベリウス:交響詩「4つの伝説」より「トゥオネラの白鳥」です この曲はオペラ「船の建造」(未完)の序曲としてジャン・シベリウス(1865-1957)が1893年に作曲しました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、ブロムシュテットが郷古と腕を組んでゆっくりと、楽団員とともに入場します スウェーデンから飛行機に乗って日本にやってくるだけでも97歳の身体にはきついものがあるはずですが、A・B・C各プログラムで計6公演指揮をとるのです 拍手とブラボーは世界最高齢の現役指揮者 ブロムシュテットへの敬意の表れです

ブロムシュテットは指揮台上に設置された椅子に座って指揮をとります

音楽は静謐そのもので、池田昭子のイングリッシュ・ホルンが抒情的な演奏を繰り広げ、辻本玲のチェロが冴え渡ります 後ろ姿のブロムシュテットを見る限り、しっかりした手ぶりで各セクションに指示を出しており、矍鑠とした姿を見て頼もしく感じました

2曲目はニルセン「クラリネット協奏曲」です この曲はカール・ニルセン(1865-1931)がコペンハーゲン管楽五重奏団のクラリネット奏者オーウ・オクスンヴァズのために1928年に作曲した単一楽章の作品です

弦は10型に縮小し、小太鼓、ファゴット2,ホルン2という小編成となります

N響首席・伊藤圭をソリストに迎え、ブロムシュテットの指揮で演奏に入ります 独奏クラリネットとオケとの軽妙な演奏で開始されますが、やがて、クラリネットは超絶技巧を駆使して緩急自在の演奏を展開します 伊藤の超々絶技巧によるカデンツァは見事のひと言でした

満場の拍手とブラボーに、伊藤はホルンの今井仁志とファゴットの水谷上総を舞台前方に呼び、3人でニルセン「木管五重奏曲」から第2楽章「メヌエット」を鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました

     

プログラム後半はベルワルド「交響曲第4番”ナイーヴ”」です この曲はスウェーデンのフランツ・アドルフ・ベルワルド(1796-1868)が1845年に作曲し、1878年4月9日にストックホルムで初演されました 第1楽章「アレグロ・リソルート」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・モルト ~ トリオ」、第4楽章「終曲:アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

ベルワルドはシューベルトやメンデルスゾーンらと同時代を生きた作曲家で、音楽家として生計を立てるのが困難だったため、整形外科を開業して大成功を収めたそうです 今 生きていたら腰痛を治してほしいところです また1850年にはガラス工場の経営を始めたとのこと その一方で最晩年にはストックホルム音楽院教授に就任したのですから、19世紀スウェーデンの「マルチ・タレント」と言えるのではないかと思います

オケは14型に拡大し、管楽器も増員されます

ブロムシュテットの指揮で第1楽章に入ります 軽やかな音楽を聴いていたら、ベートーヴェン「交響曲第3番”英雄”」の第1楽章を換骨奪胎したのではないか、と思いました 私には英雄交響曲の断片がそこかしこに散りばめられているように聴こえました 第2楽章は、歌うような旋律がメンデルスゾーンを思わせました 甲斐雅之のフルートが美しく響きました 第3楽章のスケルツォはシューベルト風の音楽を感じました 第4楽章では、曲想こそ違いますが、何となくベートーヴェン「交響曲第8番」の最終楽章の愉悦感に満ちた音楽を思い起こしました 全体を聴き終わってみると、様々な作曲家の影響を受けた作品であると感じました

満場の拍手とブラボーが叫ばれる中、椅子に座ったブロムシュテットは各セクションを立たせて賞賛を求めました そして、座ったまま客席に向き直り聴衆の歓声に応えました

この日のプログラムは、スウェーデンにルーツを持つブロムシュテットが得意とする”北欧もの”でしたが、世界最高齢の矍鑠たる指揮ぶりに接し、大きな感銘を受けました

日本には惜しまれながら今年の年末をもって指揮を引退する井上某という77歳の指揮者がいますが、97歳のブロムシュテット翁から言ってほしいくらいです 「お若いの、引退するのは20年早いよ」と。でも、「人生いろいろ~♫ 指揮者もいろいろ~♬ 」ですからね   「みんなちがって みんないい」って 何のこっちゃ

     

     

     


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4 コメント

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Unknown (アルトゥール)
2024-10-11 21:24:42
toraさん、こんばんは。
ブロムシュテットさんの来日公演が実現して本当によかったですね。
自分は90歳以上の超高齢者を何人も知っていますが、12時間以上のフライトをこなしたり、計2時間もオーケストラを振り続けるのは、とても考えられないです。
自分はシューベルト・プログラムを聴きに行きます。たいへん楽しみです。

都響の25年度のプログラムは自分も見ました。
自分は現在Cシリーズの会員です。
このラインナップだとAシリーズかなと思いますが、自分はCシリーズを継続し、インバルのマーラーは単発で聴きに行こうと思います。Cシリーズは聴いたことのない指揮者が多く、楽しみな気がします。土日が多く、行きやすいのもあります。
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都響とN響 (tora)
2024-10-11 21:47:55
アルトゥールさん コメントありがとうございました

N響は今度20日のAプロでオネゲルとブラームスを聴きますが、ブラームスの第4番が楽しみです

都響はショスタコーヴィチ中心のBプロに魅力を感じます。予定通りBプロを継続します
Cプロは確かに指揮者が変化に富んでいて、ソリストが魅力的ですね

読響と東京フィルが早くラインナップを発表してくれないかと待っているところです
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三羽烏 (井上)
2024-10-12 07:08:02
toraさま

都響の1月A定期にルスティオーニが登場し、オペラの序曲・前奏曲中心のプログラムを指揮しますね。ちょっと興味があります。どこに頂点をもっていくか、演奏の構成が結構難しいのではないかと思うのですが、このような演奏会を既に経験し、自信を持っているのでしょう。

ところでルスティオーニといえば、イタリアの若手指揮者三羽烏の一人で、あとの二人は、バティストーニとマリオッティなのだそうですが、この3人が来シーズンでは入れ替わり立ち替わり登場するようです。(東京フィルはまだ不明ですが、)これはなかなかすごいことではないかと。

最近、欧米の著名オケの海外ツアーでは日本より中国の方が重視される傾向があるようですが、東京という音楽都市もまだまだ捨てたものではないという気がいたしました。音楽市場としての魅力というより、最近の日本のオケの技術水準の高まりがもたらした現象なのかもしれませんが。

それでは、素敵な三連休をお過ごしください(小生は、東響の川崎定期とびわ湖ホール声楽アンサンブル東京公演に行ってまいります)。
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ルスティオー二 (tora)
2024-10-12 08:24:05
井上さま コメントありがとうございました

ルスティオー二のオペラ序曲・前奏曲はプログラム掲載順に演奏するような気がします
ご指摘の通り、ここ数年のイタリアの若手指揮者の活躍には目を見張るものがありますね

近年の日本のオケの技術水準の高さは海外にも知られているようですね。私も国内オケの定期公演を聴いていて、たまに聴く海外オケの来日公演と比べてもそん色ないと思います

3連休は毎日コンサートで、その間に歳を一つ重ねます。良き連休をお過ごしください
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