人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジルヴェスター・コンサートとニューイヤー・コンサート / 筒井康隆著「敵」を読む ~ 「敵です。敵が来るとか言って、皆が逃げ始めています。北の」という「敵」とは何なのか?

2024年11月18日 00時37分41秒 | 日記

18日(月)。今週は今日から21日(木)まで4日連続コンサート、1日おいて土曜日にもコンサートがあるので腰痛持ちには非常に厳しい1週間となります 毎朝整骨院に通いながら、腰痛対策ベルトをしっかり締めてコンサートに臨みたいと思います

さて、昨日の日経朝刊にサントリーホールの全面広告が掲載されていました サントリーホールが毎年、年末に開催している「ジルヴェスター・コンサート」と 新年に開催している「ニューイヤー・コンサート 」について、音楽評論家・小宮正安氏がフリーアナウンサー・木佐彩子さんのインタビューに答える形で解説しています    それによると、2025年はワルツ王・ヨハン・シュトラウスⅡ世(1825-1899)の生誕200年にあたるメモリアル・イヤーなので、ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団のニューイヤー・コンサートのプログラムも彼の作品が存分に堪能できるように組まれているとのことです   また、今年=2024年はジルヴェスター・コンサートで演奏されるヨハン・シュトラウスⅡ世のオペレッタ「こうもり」の初演150年にあたる年とのことです

ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団の「ジルヴェスター・コンサート2024」は12月31日(火)14時開演、同「ニューイヤー・コンサート 2025」は25年1月1日(水・祝)、2日(木)、3日(金)の3日間、いずれも14時開演となっています 私は年末年始は家族とともに過ごすのが習慣なので聴きに行きませんが、楽しそうですね

     

     

     

     

ということで、わが家に来てから今日で3597日目を迎え、ドナルド・トランプ次期米大統領は16日、エネルギー資源採掘企業リバティエナジーの創設者で、気候変動懐疑論者としても知られるクリス・ライト氏を次期エネルギー長官に指名したが、同氏はビジネス向け交流サイトへの投稿で「気候危機は存在しない」と否定している  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     独裁者トランプのやりたい放題人事が進んでいる 米国の気候変動対策は後退するな

         

筒井康隆著「敵」(新潮文庫)を読み終わりました 筒井康隆は1934年 大阪市生まれ。同志社大学卒。1981年「虚人たち」で泉鏡花文学賞、87年「夢の木坂分岐点」で谷崎潤一郎賞、89年「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、92年「朝のガスパール」で日本SF大賞をそれぞれ受賞 2010年に菊池寛賞を受賞

     

主人公は渡辺儀助という75歳の元大学教授で、フランス近代演劇を専門にしてきた 妻には20年前に先立たれ、東京山の手の住宅街にある家で一人暮らしをしている 本書は主人公が日常生活の詳細、つまり衣食住から友人との交流やパソコン通信までを事細かく読者に語るというスタイルをとっています

料理にこだわり、晩酌を楽しみ、時には酒場にも足を運ぶ 好意を寄せる昔の教え子、鷹司靖子はなかなか訪ねて来ないので寂しさを感じている 預貯金があと何年もつかを計算しながら、平穏な日常生活を送っている 彼はパソコン通信をやっているが、ある時から「敵です。敵が来るとか言って、皆が逃げ始めています。北の」という謎めいた不可解なメッセージが届くようになる 時々現れるこのメッセージにある「敵」とは何なのか? 侵略者なのか? そうでなければ一体何なのか

その答えは、夢とも現実とも不明な演劇の中で、儀助が語る台詞に現れています

「儀助は立ち上がり喝と眼を見開いて天井桟敷を睨みつける 『うぬ。やってきやがったな。敵め。敵め。悪魔め。死霊め。ではこっちも迎え討ってやるぞ』儀助は剣を抜きはなち振り上げる。『何だと。それも無駄だと。百も承知だ だがな。おれは勝利の望みのある時ばかり戦うのたあわけが違うぞ。違うわい。負けると知っても戦えばこそ勇ましさもひとしおだあ』『来た。来た。こいつらめ。老醜め。臆病め。自堕落め。陋習め。老臭め。保守め。懐古め。頑固め。偏見め。卑怯め。虚栄め。ひとりよがりめ。何。降参しろだと。誰がするもんかい 最後におれが斃れるのは承知の上だ。それが何だ。あくまで戦うぞ。貴様らはおれのものを全部奪う気だな。桂の冠も。薔薇の花も。あの知識も。あの才能も。あのジャズ・ソングも。あの思い出も。この思い出も。さあ奪え。だがな、お気の毒だが、貴様たちにゃどうしたって奪えぬ佳いものを、おれはあの世に持っていくのだ おれの永遠の幸福で青空に晴れた道、広びろと掃き清め、神の懐に入る道すがら、憚りながら皺ひとつ、しみひとつつけずに持っていくのだ。他でもない。それは・・・私の心意気だ

つまり、儀助にとっての「敵」は老醜、臆病、自堕落、陋習、老臭、保守、懐古、頑固、偏見、卑怯、虚栄、ひとりよがりーなのですが、究極的には「老いる」ことと、その先にある「死」です 儀助は「老い」と「死」に対し徹底抗戦を宣言し、「心意気」だけはあの世に持っていくと決意しているのです

この作品は吉田大八監督により映画化され、第37回東京国際映画祭で最高賞の東京グランプリを受賞、併せて吉田監督が最優秀監督賞、主演の長塚京三が最優秀男優賞を受賞し、3冠を達成しました 来年1月に一般公開されるということです 果たしてどんな映像になるのか?  是非観に行きたいと思います

        

4日連続コンサートの第1日目の今日は、サントリーホールに新日本フィルの定期演奏会を聴きに行きます

     


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