12日(土)。わが家に来てから今日で2345日目を迎え、フランスのマクロン大統領が8日、地方視察中に地元の男に平手打ちされた事件で、仏南東部バランスの裁判所は10日、被告の男に禁固4か月の実刑判決を言い渡した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
フランスには裁判を迅速に進める方式があるというが 2日後の判決は速すぎね?!
昨日、夕食に私の定番料理「チキンステーキ」を作りました 醤油、砂糖、日本酒、オイスターソースによるソースが 良くなじんで美味しかったです
チケットを3枚取りました 1枚目は7月21日(水)19時からサントリーホールで開かれる読売日響「第610回定期演奏会」です プログラムは①モーツアルト「交響曲第35番”ハフナー”」、②ブルックナー「交響曲第4番”ロマンティック”」で、指揮は飯守泰次郎です 飯守氏はコルネリウス・マイスターの代演ですが、読響定期には46年ぶりの登場とのことです
残り2枚は9月9日(木)と10日(金)19時からサントリーホール「ブルーローズ」で開かれる「ストラディヴァリウス・コンサート 2021」です プログラムは9日のAプロが①ハイドン「弦楽四重奏曲第67番ニ長調”ひばり”」、②ショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第8番ハ短調」、③シューベルト「弦楽四重奏曲第14番ニ短調”死と乙女”」、10日のBプロが①ウェーベルン「弦楽四重奏のための緩徐楽章」、②メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第4番」、③プッチーニ「弦楽四重奏曲”菊”」、④ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第6番」です 演奏は2010年に結成された若手の四重奏団、ゴルトムント・クァルテットです 2016年のミュンヘン国際音楽コンクールでバイエルン若手アーティスト賞とカール・クリングラー賞を受賞、2018年のウィグモアホール国際弦楽四重奏コンクールで第2位入賞を果たしています 4人が演奏する弦楽器は日本音楽財団が所有するストラディヴァリウス「パガニーニ・クァルテット」で、パガニーニが自らの四重奏団で演奏していた貴重なセットです
昨夜、サントリーホール「ブルーローズ」で「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」参加公演、エルサレム弦楽四重奏団「ベートーヴェン・サイクルⅤ」を聴きました 今回がシリーズ最終回、C4列8番の席ともお別れです プログラムはベートーヴェン①「弦楽四重奏曲 第5番 イ長調 作品18-5」,②「同 第6番 変ロ長調 作品18-6」,③「同 第11番 ヘ短調 作品95『セリオーソ』」、④「同 第16番 ヘ長調 作品135」です
1曲目は「弦楽四重奏曲 第5番 イ長調 作品18-5」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770‐1827)が後援者フランツ・ヨーゼフ・フォン・ロブコヴィッツ侯爵の依頼により1798年から1800年まで作曲した6つの弦楽四重奏曲(作品18ー1~6)のうちの1曲で、実質的に4番目に作曲されました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「メヌエット」、第3楽章「アンダンテ・カンタービレ」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります
4人の演奏で第1楽章に入りますが、軽快な冒頭はモーツアルトを感じさせます 実際、ベートーヴェンはモーツアルトの「弦楽四重奏曲第18番K.464」のパート譜からスコアに書き写して勉強していたそうです 全体的にモーツアルトを感じさせる曲想です 第3楽章「アンダンテ・カンタービレ」はベートーヴェン得意の変奏曲ですが、どこかで聴いたことがあるメロディーが流れてきたので、懸命に思い出しましたが、同じころベートーヴェンが作曲した「七重奏曲」の変奏曲の一節ではないかと思い当たりました 私は「七重奏曲」は大好きですが、ベートーヴェンの初期の作品には肩の力を抜いた素晴らしい曲が多いと思います
2曲目は「弦楽四重奏曲 第6番 変ロ長調 作品18-6」です この曲は第5番と同様に作曲された6つの弦楽四重奏曲(作品18ー1~6)の1曲で実質的に5番目に作曲されました 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アダージョ・マ・ノン・トロッポ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ」、第4楽章「ラ・マリンコニア:アダージョ」の4楽章から成ります
ビックリしたのは、思ったよりも速いテンポで第1楽章が開始されたことです しかし、それが作品に推進力を与えます この曲も初期の作品の中では親しみやすい曲で大好きです
プログラム後半の1曲目は「弦楽四重奏曲 第11番 ヘ短調 作品95『セリオーソ』」です この曲は1810年に完成、1814年5月、ウィーンでシュパンツィヒ四重奏団によって初演されました 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アレグレット・マ・ノン・トロッポ」、第3楽章「アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ・マ・セリオーソ」、第4楽章「ラルゲット・エスプレッシーヴォ」の4楽章から成ります 愛称の「セリオーソ」というのは、「厳粛な、真面目な」という意味で、ベートーヴェンが自筆スコアに「クァルテット・セリオーソ」と書き込んだことに由来します たしかベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中で一番演奏時間の短い作品です
冒頭の衝撃的な開始には惹きつけられます ベートーヴェンは最初の数小節で聴衆を掴んで離さない技巧を知っています 第2楽章はチェロの独奏から入りますが、演奏を聴くとなぜか安心感を覚えます 第3楽章は一転、緊張感に満ちた曲想が展開します この曲を聴いて、いつも疑問に思うのは第4楽章のフィナーレ=アレグロです。どこか、取ってつけたような印象が否めません
最後の曲は「弦楽四重奏曲 第16番 ヘ長調 作品135」です この曲は1826年10月に完成し、ベートーヴェン死後の1828年3月23日にウィーンでシュパンツィヒ四重奏団によって初演されました 第1楽章「アレグレット」、第2楽章「ヴィヴァーチェ」、第3楽章「レント・アッサイ、カンタンテ・エ・トランクィッロ」、第4楽章「クラ―ヴェ、マ・ノン・トロッポ・トラット」の4楽章から成ります
第4楽章冒頭には「ようやくついた決心」というタイトルと、序奏とアレグロのモティーフの譜例、「そうでなければならないのか?」という重苦しい問いと、「そうでなければならない!」という明るい答えが書き込まれています これが何を意味するのかについては、深淵な哲理を示すという説と、軽い問答に過ぎないとする2つの説があります 「軽い問答」の説の根拠にされているのは、ベートーヴェンがアマチュア・チェロ奏者デンプシャーのために1826年夏に書いたカノン「そうあらねばならぬ、もちろん、もちろん、そうあらねばならぬ!さっさと財布を出しなさい!」です このカノンは、デンプシャーがベートーヴェンの「弦楽四重奏曲作品130」を私邸サロンで演奏したいので、パート譜を借りたいという申し出に、パート譜を所持しているシュパンツィヒや、ベートーヴェンの秘書カール・ホルツが絡んで、楽譜の借用代金を巡って展開した「楽譜を借りたいのなら借用代金を払うべきだ」というユーモアあふれるエピソードを歌ったものです この頃やっと「著作権」の概念が芽生えてきたのだと思われます このエピソードが「第16番作品135」に反映しているとすれば、そう深刻な内容ではないことになります 私は、その箇所の後に続く明るく楽観的な曲想から判断すると、このエピソードの通りだったのではないかと思います しかし、本当のところは「ベートーヴェンのみぞ知る」です
この曲の最大の魅力は第3楽章「レント・アッサイ、カンタンテ・エ・トランクィッロ」です この音楽は、弦楽四重奏曲第13番の「カヴァティーナ」、同第15番の「モルト・アダージョ ~ アンダンテ」と並ぶ至高の緩徐楽章です ベートーヴェンの緩徐楽章がいかに素晴らしいか、エルサレム弦楽四重奏団の4人はしっかりと伝えてくれました
熱狂的なスタンディング・オベーションで終演後、コロナ感染防止のため時間差退場により会場を後にしたのは、午後9時20分でした
これをもって、6日(日)から5回連続で演奏されてきた「ベートーヴェン・サイクル」(全16曲)が終了しました 正直言って疲れました 連日、夜のコンサートを聴いて、翌日朝にブログをアップするのは体力的に相当キツイものがあります しかし、自分で選んだコンサートなので、聴いたからにはブログにアップしていきます