23日(月)。わが家に来てから今日で3632日目を迎え、バイデン米大統領は連邦政府の死刑囚40人全員、あるいはその大半について減刑することを検討しており、トランプ次期大統領は1期目に急ピッチで死刑執行を進めたが、これが出来なくなりそうだ というニュースを見て感想を述べるモコタロです
バイデンは息子に恩赦を与えて タガが外れたようだ トランプは支持者を減刑する
昨日、早稲田松竹で濱口竜介監督「悪は存在しない」(2023年・106分)を観ました 早稲田松竹で映画を観るのは5月8日以来なので約7か月半ぶりです いつの間にかチケット代が値上げされシニア料金は200円アップの1100円になっていました まあ、2本立て料金なので高いとは言えません。私は腰痛悪化防止のため、1本だけ観て帰りました
自然豊かな高原に位置する長野県水挽町は、東京から近いため近年移住者が増加傾向にあり、ごく緩やかに発展している 代々その地に暮らす巧(大美賀均)は娘の花(西川玲)と共に自然のサイクルに合わせた慎ましい生活を送っていた ある時、家の近くでグランピング場の設営計画が持ち上がる。それは、コロナ禍の煽りで経営難に陥った芸能事務所が政府からの補助金を得て計画したものだった しかし、業者による住民説明会で、そこに設置される浄化槽から彼らの町の水源に汚水を流そうとしていることが分かったことから、住民に動揺が広がる
映画の冒頭は、美しい音楽を背景に木々の小枝や葉が空をおおう映像、そして巧が清水で水を汲みボトルに詰める様子が映し出されます まさに、自然とともに生きる巧の生活を描いています そうした中、突然グランピング場(ホテル設備を備えたキャンプ場)設営の話が持ち上がります こうした流れになれば、当然ストーリーは「自然保護か土地開発による地域経済の活性化か」というテーマがメインになると思いがちです しかし、この映画ではそうはなりません もちろん、「説明会」における業者側の髙橋(小坂竜士)、黛(渋谷采郁)と住民との激しいやり取りの場面は一つの大きな山場となっています しかし、濱口監督の言いたいことはそうではないようです 髙橋は、実はこんな仕事はもうやめたいと思っていたところに、清水を汲み、薪を割り・・・という巧の生き様を見て共感を覚え、同じような生活を送りたいと思うようになります そう、悪は存在しないのです
意外な展開は、花が森の中で迷子になってしまうことです 最後は、巧と高橋が森の中で、手負いの鹿と向き合う花を発見し、危険を察知した高橋が花を救おうと一歩踏み出したところで、巧が彼を引き留め組み伏してしまいます そして鹿が去った後に、巧は鼻血を出して倒れている花を抱き上げて去っていきます
なぜ、巧は高橋の行動を止めたのか? 怪我をした鹿は人を襲うことがあると説明していたのは巧自身だったはずです この地で育った巧は、その野生の鹿が花を襲うことはないと確信していたのだろうか? 果たして花は生きているのだろうか? まったく分かりません
本作は世界三大映画祭の一つ「ベネチア国際映画祭」で銀獅子賞(審査員大賞)を受賞しました が、審査員はこのラストをどのように解釈したのだろうか
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