9日(金)。わが家に来てから今日で3496日目を迎え、長崎市で9日に行われる平和祈念式典にイスラエルが招待されなかったことに対し、米英の駐日大使らが式典の欠席を決めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
過剰防衛でガザの市民を大量虐殺しているイスラエルは許せない ロシアと同じだ!
昨日、夕食に「豚の生姜焼き」「生野菜サラダ」「冷奴」「シメジの味噌汁」を作りました 夏は豚肉でスタミナをつけたいですね
最近のデザートは「デラウエア&冷凍ミカン」です
昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで「フェスタサマーミューザ 神奈川フィル」のコンサートを聴きました タイトルは「團伊玖磨 & プッチーニ100周年オペラ・ガラ」です
2024年が「プッチーニ(1924年没)没後100年」「團伊玖磨(1924年生まれ)生誕100年」に当たることから企画された公演です つまり、プッチーニが亡くなった年に團伊玖磨が生まれたということですね
プログラムは①團伊玖磨「新・祝典行進曲(管弦楽版)」、②同:歌劇「夕鶴」から「与ひょう、あたしの大事な与ひょう」、③同:管弦楽組曲「シルクロード」、④プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」から「冷たい手を」「私の名はミミ」「おお、優しい少女よ」、⑤同:歌劇「トスカ」から「歌に生き、愛に生き」「星は光りぬ」、⑥同:歌劇「蝶々夫人」から第2幕第2場への間奏曲(朝の場面)、⑦同:「蝶々夫人」から「ある晴れた日に」「さらば愛しき家」、⑦同:歌劇「トゥーランドット」から「皇帝の入場の音楽」、⑧同:「トゥーランドット」から「氷に包まれたあなたも」「誰も寝てはならぬ」です 出演はソプラノ=木下美穂子、テノール=笛田博昭、指揮=園田隆一郎です
木下美穂子は武蔵野音大卒・同大学院修了。日本音楽コンクール第1位。日伊声楽コンクール第1位など入賞歴多数 新国立劇場「ホフマン物語」アントニアなどに出演。東京藝大音楽学部准教授。二期会会員
笛田博昭は名古屋芸術大学音楽学部声楽科首席卒業・同大学院修了。第9回マダム・バタフライ世界コンクール及び第50回日伊声楽コンコルソ第1位 2012年フェッラーラ国際コンクール第1位。藤原歌劇団団員
園田隆一郎は2006年、シエナのキジアーナ夏季音楽週間「トスカ」を指揮してデビュー 2007年夏にはペーザロのロッシーニ・オペラ・フェスティバル「ランスへの旅」を指揮。パシフィックフィル指揮者
オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び。コンマスは石田組組長・石田泰尚です オケを見渡すと、チェロのトップには神奈川フィル特別契約首席チェロ・上森祥平が、ヴィオラのトップには先日のノット ✕ 新日本フィル公演にも客演した藝大フィルハーモニア管首席の安藤裕子がスタンバイしています
プログラム前半は「團伊玖磨生誕100年」の部です
1曲目は「新・祝典行進曲(管弦楽版)」です この曲は團伊玖磨(1924-2001)が皇太子徳仁殿下(現・今上天皇)の成婚時に作曲、1993年の結婚の儀のパレードで演奏された作品です 元来は吹奏楽編成ですが、團自身が管弦楽に編曲した版により演奏されます
園田の指揮で演奏に入りますが、馬車のパレードではなく自動車によるパレードを想定した、テンポの速い溌溂とした音楽でした 当時はテレビ中継でこの曲が流れていたのでしょう まったく思い出せないのが残念ですが
2曲目は歌劇「夕鶴」から「与ひょう、あたしの大事な与ひょう」です 「夕鶴」は木下順二の戯曲を基に作曲したオペラで、日本オペラの最高傑作と讃えられています 物語は「鶴の恩返し」です この曲は、織物が高く売れて喜ぶ与ひょうに不安を覚えたつうが歌うアリアです
桜色を基調とする金のラメ入りの鮮やかな衣装の木下美穂子が登場、園田の指揮のもと、つうの不安を表現力豊かに歌い上げました
3曲目は管弦楽組曲「シルクロード」です この曲は1955年に、團伊玖磨が芥川也寸志、黛敏郎と結成した「3人の会」の演奏会で團自身の指揮で初演されました 第1曲「綺想的前奏曲」、第2曲「牧歌」、第3曲「舞踏」、第4曲「行進」の4曲から成ります
園田の指揮で演奏に入りますが、アラブ風のメロディーをはじめ、様々な地域の音楽が奏でられ、あたかも「音の風景画」のようでした コーラングレ、オーボエ、フルートといった木管楽器が素晴らしい演奏を繰り広げていました
余談になりますが、私の團伊玖磨との出会いはテレビ公開録画公演「團伊玖磨ポップス・コンサート」でした 大学時代、友人が往復はがきで応募して当選すると、一緒に聴きに行ったものです 現在のNHKホール近くにあった「渋谷公会堂」(その後、一時「C.C.Lemonホール」と呼ばれた)が会場でした 今でも思い出すのは、エンディングに必ず江間章子作詞・團伊玖磨作曲「花の街」を参加者全員で歌ったことです
「七色もの色がみられるようになった谷に 春の風がリボンのように吹いていく~ ♫ 回りながら駆け抜けるように吹いていたよ~ ♬ 春が来たことを伝えるように吹いていたよ~ 」
若さだけが取り柄の 何も考えない アホな青春時代を思い出します あのころ君は若かった あのころ俺はバカだった
プロググラム後半は「プッチーニ没後100年」の部です
木下美穂子は赤の衣装にお色直ししての登場です 女性歌手はこういう華やかなところがいいですね
1曲目はジャコモ・プッチーニ(1858-1924)が1892年から95年にかけて作曲、1896年に初演された歌劇「ラ・ボエーム」からロドルフォの「冷たい手を」、ミミの「私の名はミミ」、二重唱「おお、優しい少女よ」です
2曲目は1896年から1900年にかけて作曲、1900年に初演された歌劇「トスカ」からトスカの「歌に生き、愛に生き」、カヴァラドッシの「星は光りぬ」です
3曲目は1900年から03年にかけて作曲、1904年に初演された歌劇「蝶々夫人」から第2幕第2場への間奏曲(朝の場面)、蝶々夫人の「ある晴れた日に」、ピンカートンの「さらば愛しき家」です
4曲目は1921年から24年にかけて作曲、1926年に初演された歌劇「トゥーランドット」から第2幕第2場の「皇帝の入場の音楽」、リューの「氷に包まれたあなたも」、カラフの「誰も寝てはならぬ」です
後半の部のアリアと管弦楽の演奏を聴き終わって感じたのは、ソリスト2人の抜群の歌唱力です 私がテノール・笛田博昭の歌を聴くのは今回が初めてですが、歌の巧さと抜群の声量による破壊力に驚きました これまで私がテノールで文句なしの100点をつけたのは宮里直樹ですが、彼に勝るとも劣らない実力者だと思いました とくに「星は光りぬ」と「誰も寝てはならぬ」は圧巻の表現力でした なお、「星は光りぬ」をリードしたクラリネット・ソロは特筆に値します
木下美穂子はこれまで何度か聴きましたが、美しくも力強いコロラトゥーラが特徴で、一番感心したのは、役から役への切り替えの見事さです ミミを歌えば可憐なミミだし、トスカを歌えば悔しさを湛えたトスカだし、蝶々夫人を歌えば帰らぬ夫をひたすら待つ可憐な蝶々さんだし、リューを歌えば密かに愛するカラフのために自分が犠牲になるリューだし・・・と、瞬間でその役柄に成り切って歌います
管弦楽による演奏では「トゥーランドット」から第2幕第2場への間奏曲が素晴らしかった METライブビューイングで観たフランコ・ゼッフィレッリ演出による「トゥーランドット」の雄大な場面を思い出しました
満場の拍手とブラボーの嵐でカーテンコールが繰り返されたのは言うまでもありません 文句なしの素晴らしいコンサートでした