16日(金)。わが家に来てから今日で3503日目を迎え、公設第一秘書の妻を公設第二秘書と届け出たが、勤務実態がなく、計400万円近くの秘書給与を国からだまし取ったとして東京地検特捜部の捜査を受けた広瀬めぐみ参院議員(58)=岩手選挙区、自民党を離党=が15日、参院に議員辞職願を提出し、許可された というニュースを見て感想を述べるモコタロです
400万円の返金は当然だが 岩手の選挙民の前に二度と顔を出せないのは残念だね
昨日は、品川の義父の誕生祝で 昼にたらふく食べたので、夕食作りはお休みしました
佐藤正午著「かなりいいかげんな略歴 エッセイ・コレクションⅠ 1984-1990」(岩波現代文庫:全358ページ)を読み終わりました 佐藤正午は1955年8月25日、長崎県佐世保市生まれ。北海道大学文学部中退。1984年「永遠の1/2」で第7回すばる文学賞を、2015年「鳩の撃退法」で第6回山田風太郎賞を、2017年「月の満ち欠け」で第157回直木賞を受賞
「身の上話」「リボルバー」「小説家の四季」など著書多数
本書は、タイトル通り小説家・佐藤正午がデビューした1984年から1990年までに書かれたエッセイを集めたものです
表題作の「かなりいいかげんな略歴」は作家デビュー作「永遠の1/2」が第7回すばる文学賞を受賞した際の初エッセイです このエッセイには 昭和30年8月に長崎県佐世保市で生まれたこと、小学校4年の時に父親の仕事の都合で諫早市に引っ越したこと、地元の図書館でシャーロック・ホームズやルパンシリーズを借りて貪り読んだこと、中学時代は野球に明け暮れていたこと、高校時代は映画に夢中になったこと、大学時代は麻雀と読書三昧の生活を送り、野呂邦暢の「諫早菖蒲日記」に感銘を受けて初めてファンレターを送ったところ返事が届き「若いくせに君は文章がうまいよ」と褒められたこと、それが小説を書き出す一つのきっかけになったこと・・・などが書かれています
次の「諫早ー中学時代」の冒頭近くでは次のように書かれています
「ご存じないかもしれぬが、ぼくは小説家なのである。もとへ。ぼくは新人の小説家なのである くどい。要するに、ぼくは新人文学賞に当って本を1冊持てたばかりの人間なのである。佐藤正午。サトウショウゴと読む。『永遠の1/2』の佐藤正午である。いまのところ長崎県佐世保市に住んでいる。新作の小説を書き悩んで昼間は唸り通し、夜間は飲めぬ酒を無理して飲み歩き、口説けぬ女を無駄に口説き歩いている
飲んだり口説いたりするだけの印税が入ったのである。小説をこつこつ書いても儲からないという噂があるけれどあれは嘘で、小説をこつこつ書けば儲かるのである
僕は儲かった。ただ残らないだけだ。もし小説をこつこつ書いてもお金は残らないという噂があれば、それは本当である
」
この文章に現れている「理屈っぽさ」、ある意味「しつこさ」は、現在の佐藤正午の小説やエッセイでもほとんど変わりません アイロニカルな言い回しも変わっていない
また、ここには出てきませんが、ギャンブル好きの性格も変わらない
元々は競馬だったのが競輪になっただけの話です
1987年のエッセイ「映画が街にやってきた」のエピソードは面白い 「永遠の1/2」が映画化されることになり、地元の街に監督やプロデューサー、大竹しのぶ、時任三郎らスターがやってきた
原作者である佐藤正午のもとに母親はじめ、どこで聞きつけてきたのか友人・知人から電話が殺到する
「大竹しのぶさん、どこに泊るの?」「サインをもらってほしい」という電話には「ぼくは小説家だ。彼女のマネージャーじゃない
」と応えるものの「だって、映画の原作を書いたんでしょう? 同じことじゃないの」と言われてしまい閉口する
・・・この辺のエピソードが佐藤正午らしい表現方法で書かれています
本書は若き日の佐藤正午が何を思い、何を書いていたのかが明かされています 小説の名手・佐藤正午のファンはもちろん、小説全般の愛好家の皆さんにお薦めします