24日(土)。昨日の日経朝刊第1面のコラム「春秋」は次のような書き出しで始まっています
「向田邦子さんが新進の放送作家だったころの話である 急な仕事が入って恋人との約束を果たせぬことになり、電報を打った。ただ要件のみ『コンヤユケヌ ク』。切ない7文字だ
」
最後の「ク」は邦子の頭文字です。「春秋」の本文の趣旨は長い歴史を持つNTTの「電報」に終わりが近づいているというものです ケータイやスマホの普及により固定電話が減少するなか、電報が廃止されるのは時代の趨勢というものでしょう
電報というと、仕事では「弔電」を、私的には「祝電」を思い浮かべます
「春秋」は次のように締めくくっています
「(電文は)小説や映画のなかにだけ息づいている 往時、さまざまな『コンヤユケヌ』が飛び交っていたに違いない。そんな時代を生きた向田邦子さんも、旅立って43年になる
」
これを読んで初めて、なぜ今 「春秋」の筆者が向田邦子を引用したのかを理解しました 前日の8月22日は彼女の命日だったのです
私は向田邦子の文章が好きで、彼女の小説、エッセイ、脚本などをすべて読んでいます
とくにエッセイにおける男性的な切れ味鋭い文章は唯一無二のもので、絶対に真似できません
向田邦子(1929.11.28~1981.8.22)が台湾の航空機墜落事故で死去してから43年も経ったのか、と月日の流れの速さを感じます
ということで、わが家に来てから今日で3511日目を迎え、ウクライナ最高会議は21日、国際刑事裁判所(ICC)の加盟に必要な条約である「ローマ規定」を批准する法案を賛成多数で可決したが、欧州連合への加盟に繋げるほか、ロシアによる戦争犯罪の追及に向けた姿勢を明確にする というニュースを見て感想を述べるモコタロです
これでEC加盟に近づいたわけだが 犯罪国家ロシアがICCに加盟しないと意味ないな
昨日、夕食に「鶏の山賊焼き・生野菜添え」と「トマトと卵のスープ」を作りました 山賊焼きは今回、豚肉でなく鶏肉を使いましたが、娘は鶏の方が良いというので次回から鶏にします
22日付の朝日新聞夕刊に「勝ち負け超え 広島で音楽する意味 ~ 異色の国際指揮者コンクール」という見出しのもと、同社編集委員・吉田純子さんが記事を書いています 記事を超略すると次の通りです
「広島市で今月開かれた第2回ひろしま国際指揮者コンクール(ひろしま国際平和文化祭実行委員会、中国新聞社主催)は、勝ち負けも国境も超え、出場者同士の友情を育み、音楽家として生きることに対する深い思考をそれぞれに促す無二の機会となった 本選に残れなかった出場者たちも、表彰式後の打ち上げに加わり、皆で意見交換を続け、前回の優勝者・大井駿の姿もあった。指揮者の下野竜也がプロデューサーとなり、指揮者の沼尻竜典、ヴァイオリニストの荒井英治、作曲家の細川俊夫、音楽評論家の片山杜秀ら、さまざまな分野の第一人者が審査にあたり、予定時間を超えて議論を尽くした
審査委員長を務めた広島交響楽団音楽監督のクリスティアン・アルミンクは『出場者たちがこんなにリラックスし、互いに打ち解けているコンクールは世界的にも珍しい』と語る
その理由は2つある。コンクールが始まる前に下野によるマスタークラスが開かれ、全員がベートーヴェンの『エグモント』序曲を素材にディスカッションをしたこと
それに加え、出場者全員が8月6日の平和記念式典に参加し、原爆資料館を訪れ、被爆者の話に耳を傾けたこと
それらはすべてコンクール参加の必須条件だった。同コンクールは一昨年に創設され、2年に1回開かれる。今年は映像による96人の予備審査を経て、世界各地から12人が出場した。2回の予選を経て台湾人、韓国人、中国人の3人が本選に進み、細川俊夫「《昇華》チェロとオーケストラのための」とラヴェル「ダフニスとクロエ」第2組曲を指揮した
2017年から今年3月まで広響の音楽総監督を務めた下野は、この地でオーケストラを率いることの意味を模索し葛藤を重ねてきたが、『指揮者は、自ら音を出さないからこそ、生き方そのものが問われる存在
オーケストラだけじゃなく、一般の社会で人々の心も束ねていくんだという意識を持ってもらえたらと思う
この広島の地で感じたことことを、自分の国に戻ってから、それぞれに人々をつなぐ力に変えてほしい』と語る
」
この記事を読むと、被爆地・広島である特色を生かした異色のコンクールであることが良く理解できます 残念だったのは、今年は日本人が、また女性が本選に残らなかったことです