人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

小林資典 ✕ ネマニャ・ラドゥロヴィチ ✕ 読売日響でラヴェル「ツィガーヌ」、モーツアルト「交響曲第36番」、ドビュッシー:交響詩「海」他を聴く ~ 読響第678回名曲シリーズ

2025年01月17日 00時01分15秒 | 日記

17日(金)。マネジメント会社「ヒラサオフィス」の公式サイトに次のような告知が載っていました

「2025年1月4日付けの謹告でお知らせいたしました指揮者・秋山和慶の活動につきまして、2025年8月一杯まで指揮活動を休止し、治療に専念することといたしました。関係者の皆様には、引き続き多大なご迷惑とご心配をおけけいたしますが、ご理解をいただけますようお願いいたします」

7日付のtoraブログでご紹介した通り、秋山さんは84歳の誕生日の前日=1月1日夕方に自宅で転倒し大怪我を負ったため、2日に緊急入院していました これほど長く治療期間が続くとは予想外です 毎年楽しみにしている夏の「フェスタサマーミューザ」での洗足学園音楽大学のオケを振ってのバレエ公演は、残念ながら別の指揮者になるのでしょう とても残念ですが、秋山さんの1日も早い回復を祈るばかりです

ということで、わが家に来てから今日で3657日目を迎え、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏は15日、東京都内で記者会意見し、夏の都議選に向け新たな地域政党「再生の道」を立ち上げたと発表したが、党の政策は示さず、公募する候補者に任せるとした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     政策を持たない政党って何よ? 有権者を馬鹿にしてんのか!? 本当の目的は何だ?

         

昨日、夕食に「タンドリーチキン」「生野菜とアボカドとモッツアレラチーズのサラダ」「エノキダケと人参のスープ」「大根の葉のお浸し」を作りました タンドリーチキンは柔らかく出来て美味しかったです

     

         

昨夜、サントリーホールで読売日響「第678回名曲シリーズ」を聴きました プログラムは①モーツアルト「交響曲第36番 ハ長調 K.425 ”リンツ”」、②ドヴォルザーク「我が母の教え給いし歌」、③モンティ「チャルダーシュ」、④マスネ「タイスの瞑想曲」、⑤ラヴェル「ツィガーヌ」、⑥ドビュッシー:交響詩「海」です    演奏は②~⑤のヴァイオリン独奏=ネマニャ・ラドゥロヴィチ 、指揮=小林資典です

小林資典(こばやし もとのり)は1974年千葉県生まれ。東京藝大・大学院修了。ベルリン芸術大学で研鑽を積む。2008年、ドルトムント歌劇場の専属指揮者となり、13年から同歌劇場の音楽総監督代理と第1指揮者(カぺルマイスター)を務める

     

オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び コンマスは林悠介、隣は戸原直というダブルトップ態勢を敷きます

1曲目はモーツアルト「交響曲第36番 ハ長調 K.425 ”リンツ”」です    この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1783年に作曲、同年11月3日にリンツで初演されました   モーツアルトの言葉によれば、わずか4日間で一気に完成させました。マジか と驚きます 全楽章の音符・記号を楽譜に書き込むだけで4日間かかってしまうのではないかと思います 天才モーツアルトのことなので、頭に浮かんだ音符をそのまま楽譜に書き写すだけで良かったのでしょう 第1楽章「アダージョ ~ アレグロ・スピリトーソ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット」、第4楽章「プレスト」の4楽章から成ります

小林の指揮で演奏に入りますが、全楽章を通してテンポ設定が良く 音楽とともに呼吸ができます オーボエの荒木奏美の演奏が素晴らしい 彼女は第3楽章「メヌエット」の中間部「トリオ」でもファゴットとともに優美で心地よい演奏を披露しました 最終楽章は軽快なティンパニとともに、モーツアルトらしい溌溂とした演奏が繰り広げられ、輝かしいフィナーレを飾りました

続いてネマニャ・ラドゥロヴィチのヴァイオリン独奏により4曲の小品が演奏されました

最初の曲はドヴォルザーク「我が母の教え給いし歌」です この曲はアントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)が1880年に作曲した「ジプシーの歌」(全7曲)の第4曲として作曲されました

長身・ロングヘアのネマニャ・ラドゥロヴィチが登場し、オケをバックに演奏に入ります ネマニャは慈愛に満ちた演奏を繰り広げ、聴衆の胸を打ちました

次いでモンティ「チャルダーシュ」の演奏に入ります この曲はイタリアのヴィットリオ・モンティ(1868-1922)が最初はマンドリンのために1904年に作曲しましたが、後にヴァイオリンで演奏されるようになりました ハンガリーの民俗舞曲チャルダーシュの形式に基づく作品です

ハープの景山梨乃が指揮者の前にスタンバイし 演奏が開始されます 最初は緩やかな「ラッサン」が情感豊かに奏でられ、途中から急速な「フリスカ」に移り、重音奏法や倍音などの特殊奏法を交えた超絶技巧で演奏されました この間、ネマニャは指揮者の方を見たり、コンマスの方を見たりしながら緩急自在に演奏し、エンターティナーぶりを発揮しました 景山梨乃の演奏も素晴らしかった 聴衆はヤンヤヤンヤの喝さいです

ネマニャは一旦舞台袖に引き上げて、再び登場し3曲目のマスネ「タイスの瞑想曲」の演奏に入ります この曲はジュール・マスネ(1842-1912)がアナトール・フランスの小説「タイス」に基づき1892年から94年にかけて作曲した歌劇の第2幕の第1場と第2場をつなぐ間奏曲として作曲されました

ネマニャは超絶技巧の速い曲だけではないことを、この曲の演奏で証明しました 景山梨乃のハープをバックに演奏される優しさに満ちた音楽を聴いた時、背筋が寒くなる感動を覚えました 通俗名曲と片づけるにはもったいない素晴らしい演奏でした

最後の曲はラヴェル「ツィガーヌ」です    この曲はモーリス・ラヴェル(1875-1937)が1924年に作曲、同年4月26日にロンドンで初演されました    ツィガーヌとはフランス語で「ジプシー(ロマ)」を意味します チャルダーシュの形式に基づき、緩急の2つの部分から成ります

曲の前半はヴァイオリンのソロで演奏されることもあり、ネマニャは小林が楽譜を用意する前に、決然としたカデンツァを弾き始めました この曲でも、ネマニャは確かな技術を背景に、超絶技巧を駆使し、身体全体を使って情熱的な演奏を繰り広げました

満場の拍手とブラボーの嵐が吹き荒れるなか、カーテンコールが繰り返されました ネマニャは読響の弦楽セクションを弾きぶりしてセルビア民謡「パショーナ・コロ」を超高速演奏で弾き切り、会場は興奮の坩堝と化しました ネマニャの人気の秘密を垣間見たように思いました

     

プログラム後半はドビュッシー:交響詩「海」です    この曲はクロード・ドビュッシー(1862-1918)が1903年から05年にかけて作曲、1905年10月15日にパリで初演されました    第1楽章「海の夜明けから真昼まで」、第2楽章「波の戯れ」、第3楽章「風と海との対話」の3楽章から成ります

全体的に歌劇場指揮者としての小林の面目躍如といった色彩感溢れる明解な演奏でした 木管楽器群が好調で、金管楽器も冴えた演奏を展開していました 林コンマス率いる弦楽セクションも渾身の演奏で期待に応えました

満場の拍手とブラボーが飛び交い、カーテンコールが繰り返されました

この日の公演は、エンターテイナーぶりを発揮したネマニャの熱演が特に印象に残りました

     

     

     

         

今日は東京オペラシティに東京シティ・フィルのコンサートを聴きに行きます

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする