19日(水)。わが家に来てから今日で3690日目を迎え、ロシアによる進攻が続くウクライナ情勢をめぐって、トランプ米政権がロシアとの停戦交渉からウクライナを含め欧州を締め出す動きを見せる中、欧州主要国の首脳らは17日、パリで非公式の緊急会合を開き欧州としての対応を協議した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
戦争の当事国ウクライナと 地続きの欧州を抜きに 停戦交渉を進めるなどあり得ない
昨日、夕食に「ビーフシチュー」と「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」を作りました 寒い日はシチューやカレー、鍋料理が食べたくなります
昨日、すみだトリフォニーホールで2025都民芸術フェスティバル参加公演「東京都交響楽団」のコンサートを聴きました プログラムは①芥川也寸志「弦楽のためのトリプティーク」(芥川也寸志生誕100年記念)、②モーツアルト「ピアノ協奏曲第17番 ト長調 K.453」、シューマン「交響曲第1番 変ロ長調 作品38 ”春”」です
演奏は②のピアノ独奏=中川優芽花、指揮=梅田俊明です
オケは14型で、左からヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの都響の並び。コンマスは矢部達哉です 弦楽各セクションのトップを見渡すと、第2vn=双紙、遠藤、Vc=江口、古川、Va=鈴木、篠崎、Kb=池松といった万全の態勢を敷いています
このフェスティバルに東京都が関係していることから、都響としても力を入れることになるのでしょう
トリフォニーホールで都響の演奏を聴くのは初めてです
1曲目は芥川也寸志「弦楽のためのトリプティーク」(芥川也寸志生誕100年記念)です この曲は芥川也寸志(1925-1989)がN響の常任指揮者クルト・ヴェスの依頼により1953年に作曲、同年12月にヴェス指揮ニューヨーク・フィルにより初演されました
「トリプティーク」は「三連画」を意味しますが、芥川が愛聴していたアレクサンドル・タンスマンの「トリプティーク」(1930年)に因んで付けられました
第1楽章「アレグロ」、第2楽章「子守歌:アンダンテ」、第3楽章「プレスト」の3楽章から成ります
以外にも私はこの曲を生で初めて聴きました 1950年代の作品とは思えないスタイリッシュな曲だと感じる一方、オスティナートの部分では芥川の師匠である伊福部昭の影響をもろに受けているな、と思いました
第1楽章の矢部コンマスのソロが印象に残り、第3楽章のプレストは爽快な演奏でした
2曲目はモーツアルト「ピアノ協奏曲第17番 ト長調 K.453」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1784年にピアノの愛弟子のバルバラ・フォン・プロイヤー嬢のために作曲しました
第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグレット ~ プレスト」の3楽章から成ります
ピアノ独奏の中川優芽花は2001年ドイツのデュッセルドルフ生まれの24歳 2021年からワイマールのフランツ・リスト音楽大学で研鑽を積み、2021年クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールで優勝、聴衆賞も受賞しました
黒のパンツルック、眼鏡着用で登場した彼女の姿を見て思い出しました 彼女は2023年10月22日に開かれたヴァイグレ ✕ 読売日響によるコンサートでグリーグ「ピアノ協奏曲」を弾きましたが、その時と全く同じスタイルでした
「まるで図書館の司書みたいだな」という印象はその時と変わりません
「自分は黒子に徹するので、モーツアルトの音楽を感じてください」というメッセージなのかな、と思いました
梅田の指揮で第1楽章が開始されますが、最初はオーケストラだけで主題が演奏され、満を持して中川の独奏ピアノが軽快に入ってきます 彼女のピアノは粒立ちが美しくどこまでもクリアです
何より「モーツアルトを弾くのが楽しくてしょうがない」という表情を見ていると、こちらもウキウキしてきます
鮮やかなカデンツァは聴きごたえがありました
第2楽章ではオーボエ、フルートが、そこはかとない哀しみを湛えたピアノ・ソロに華を添えます
第3楽章は一転、まるでパパゲーノのアリアが聴こえてきそうな楽しい音楽が展開します
後半のプレストにおけるピアノとオケが一体となった演奏は見事でした
満場の拍手に、中川はショパン「プレリュード 作品28-3」を鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました
プログラム後半はシューマン「交響曲第1番 変ロ長調 作品38 ”春”」です この曲はロベルト・シューマン(1810-1856)が1841年に作曲、同年ライプツィヒで初演されました
第1楽章「アンダンテ・ウン・ポーコ・マエストーソ ~ アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・アニマート・エ・グラツィオーソ」の4楽章から成ります
この曲は詩人アドルフ・ベトガーによる春の詩の一節に着想を得て書かれ、当初は第1楽章「春のはじめ」、第2楽章「夕べ」、第3楽章「楽しい遊び」「春らんまん」というタイトルが付いていましたが、最終的には削除されました
これは演奏を聴く上で参考になります
梅田の指揮で第1楽章が金管のファンファーレで開始されます ホルンが高らかに奏でる序奏は「春のはじめ」を印象付けます
第2楽章では、深みのある弦楽アンサンブルの美しい響きが印象的です
第3楽章ではクラリネット、フルート、オーボエ、ファゴットといった木管楽器がよく歌い、弦楽セクションが渾身の演奏を繰り広げます
第4楽章で印象的だったのは再現部直前のホルン独奏とその後のフルート独奏によるカデンツァです
まさに「春らんまん」を感じさせる素晴らしい演奏でした
オーケストラの総力を挙げてのアグレッシブな演奏で力強いフィナーレを飾りました
梅田は的確な棒捌きによって都響の持てる力を最大限に引き出しました 梅田と言えば、2023年5月の「モーツアルト・マチネ」で東京交響楽団を振ったモーツァルト「セレナータ・ノットゥルナ」の名演を思い出します
地味な指揮者ですが、私にとっては大好きな指揮者の一人です
今日は紀尾井ホールに「砂田愛理 ソプラノ リサイタル」を聴きに行きます