人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

G・ガルシア=マルケス著「百年の孤独」を読む ~ 南米のへき地でマコンドという村を切り開いた一族の繁栄と没落の百年を描いた年代記:「孤独」は15回登場!

2024年08月23日 00時02分16秒 | 日記

23日(金)。わが家に来てから今日で3510日目を迎え、北朝鮮の新義州一帯に大規模な水害が発生した中、北朝鮮の金正恩国務委員長が所有する豪華ヨットが運行されている状況が衛星写真に補足された  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     北朝鮮は 大富豪の金正恩一族と 大多数の大貧民の国民から成り立ってる 異常な国

         

昨日、夕食に「鮭のムニエル」「マグロの山掛け」「冷奴」「豚汁」を作りました ムニエルは野菜サラダを乗せてワンプレートにしました

     

         

ガブリエル・ガルシア=マルケス著「百年の孤独」(新潮文庫)を遂に読み終わりました ガブリエル・ガルシア・マルケスは1927年南米コロンビアのアラカタカ生まれ。ボゴタ大学法学部を中退し、新聞記者となり欧州各地を転々とした後、1955年に処女作「落葉」を発表。1967年刊行の「百年の孤独」は世界的ベストセラーとなり46言語に翻訳され合計5000万部を達成した 「族長の秋」「予告された殺人の記録」「迷宮の将軍」など次々と歴史的傑作を刊行し、82年にはノーベル文学賞を受賞した 2014年死去

     

「百年の孤独」は南米大陸、カリブ海沿岸地方のへき地でマコンドという村を切り開いた一族の繁栄と没落の百年を描いた年代記です 孤立したマコンド(架空の村)は100年にわたり次々と不可思議な出来事に見舞われる ある時期は4年11か月2日の長雨と、10年の干ばつが立て続けに起こる 一族の人々も数奇な運命に翻弄される 物語の主要人物であるホセ・アルカディオ・ブエンディア大佐は革命家として32回の反乱を繰り返すうちに、何のために戦っているのか分からなくなり、一人で部屋に閉じこもり金細工に明け暮れる レメディオスという少女はシーツと共に浮遊して昇天してしまう・・・このような”現実と超現実が居心地よく同居している現象”を作家・筒井康隆は巻末の「解説」の中で「マジック・リアリズム」と呼んでいます ガルシア・マルケスは事情により両親の顔も知らずに祖父母のもとで養われたといいますが、「百年の孤独」に書かれた物語はその祖父母から聞いた過去の事実をほぼ忠実に書いたと語っています しかし、マルケスは「百年の孤独」の結末で、この物語がすでに百年の昔、ジプシーの長老メルキアデスによってサンスクリット語で羊皮紙に記されていたことを明かします つまり、ブエンディア家の人々の運命は100年前に予言されていた、ということです

今年がガルシア・マルケスの没後10年ということで、新潮社から文庫化されたとたん本書は飛ぶように売れているといいます 本文だけで625ページの超大書です 私は読むスピードが遅いので読了まで正味24時間以上かかりました

冒頭部分にブエンディア家の家系図が掲げられているので、人名が出てくるとそれを見て確認して読み進めましたが、何しろ5世代続く物語で、生まれてくる子供に同じような名前が付けられるので、頭がこんがらがってきます

読み始めてすぐに、「これは一筋縄ではいかない難解な書だ 果たして途中で放り投げることなく最後まで読み切ることが出来るだろうか?」と自問しました そこで思い出したのは、高校の時の校内マラソン大会(西武園一周)を前にした体育の教師の言葉です 「ただ走るのは苦しく辛いものだ。例えば、赤色の石を見つけて数えながら走ると、苦しさを忘れる それは赤色の石でなくても何でもよい」という言葉です これをヒントに、私は本書の中で「孤独」という言葉がどこで合計何回使われているかを確認しながら読み進めていくことにしました 世の中、こんな読み方をする暇人はいないでしょう

その結果は次の通りでした(ページは「新潮文庫」のページ)

①48ページ1行目「この孤独の奈落の底にどうして落ちることになったのかといぶかりながら、しばらくじっと立っていると~」

②55ページ12行目「孤独にあこがれ、世間に対する激しい憎悪の念に燃えるホセ・アルカディオは~」

③102ページ12行目「もともと孤独な性格で、本心はひとに明かさなかった」

④142ページ12行目「孤独を分かち合う相手として、また、そのつもりはないのに途方もない祈りが~」

⑤195ページ5行目「これまでになく孤独な感じがすることにウルスラは気づいた」

⑥261ページ9行目「絶大な権力に伴う孤独のなかで、彼は進むべき道を見失いはじめていた」

⑦262ページ8行目「予感にも見放された孤独な彼は、死ぬまでつきまとわれそうな悪寒から逃れるために~」

⑧266ページ8行目「自分をかこむ孤独の殻を破ろうとして、何時間もそれに爪を立てていた」

⑨382ページ1行目「老年のかたくなな孤独のなかでかえって、屋敷のなかのどんな出来事も見逃さないほど頭が冴えていたので~」

⑩398ページ9行目「メメにはまだ一族にとって宿命的な孤独はきざしていなかった」

⑪409ページ9行目「大佐はふたたびおのれの惨めな孤独と顔をつき合わせることになった」

⑫440ページ2行目「メメは手の重みを膝に感じ、その瞬間にふたりが孤独の彼岸へと達したことを知った」

⑬440ページ6行目「彼女は男に夢中になった。睡眠や食事を忘れ、孤独に深々と身をうずめて、父親さえじゃまだと思うようになった」

⑭508ページ16行目「曾祖父と同じように人を寄せ付けぬ、孤独の闇の世界に生きることを知った」

⑮550ページ2行目「孤独な生活のなかで人間味を帯びていったが、しかしある朝~」

上記の通り「百年の孤独」の中で「孤独」という言葉が使われているのは15箇所でした 孤独な作業でしたが、1度読んだだけなので 見逃している箇所があるかもしれません しかし、確認のために もう一度読む気力はありません、悪しからず

「孤独」が使われている文章を読むと、様々な登場人物が「孤独」と向き合っていることが分かります この「孤独」とは「愛の欠如」とも言えるし、現代社会にも通じる「虚しさ」とも言えるし、「他人には理解できない自分だけの世界」とも言えるのではないか、と思います

文庫本の帯に「現在、NETFLIXが映像化を準備中」と書かれていました これは楽しみです この奇想天外な物語をどのように映像化するのか、とても興味があります


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