春. 夏. 秋. 冬. 河童の散歩

八王子の与太郎河童、
つまづき、すべって転んで、たちあがり・・。
明日も、滑って、転んで・・。

白萩の寺、大悲願寺の散歩 ②-② 都下あきる野市。

2022-02-16 20:51:00 | 散歩


藤色の着物に白い被布を着て、
広縁で壺に、吾亦紅と松虫草を活ける姿は、
垣内の萩に囲まれて、
萩の精がそこに座っているようだった。


白萩屋敷の女主人、香月が労咳と知って、
兄は、手文庫から、一冊の伊勢の御の歌集を、
香月に、気晴らしにと言って、渡してほしいと・・。

数日後、歌集を以って、白萩屋敷を訪れた。
日が暮れてまもなくで、枝折戸に手を置いたまま、
思わず息を呑んだ。
萩の花が満開だったのである。
垣の内はどこも重たげに、
枝は垂れ下がり、花の下には、花が散りばめられていた。
衣擦れの音がして、女主人が現れた。
来ていただけると思ってました。
白縮緬の墨絵は萩の花が描かれ、
帯はなく、鴇色のしごきを前に結んだけであった。

何年前のことでしょう、
結核隔離病棟の図書室で読んだ、
御宿かわせみ・平岩弓枝さんの短編、
白萩屋敷の月。

鮮烈な映像に10分ばかり、情緒過ぎる、
内容に、病気に気に病んでた頃、
一気に読みました。

👇仙台に萩を送った時の返礼に、
贈られた臥龍梅。


1191年創建の大悲願寺

最初に訪れた秋、
白い萩が、観音堂、本堂の周りにと、
小説の景色が重なって、唖然としました。

今回は、剪定し終えた白萩のお寺。


1794年造立されて、


👇30年後辺りから、地元の彫り師が達が
少ない浄財を工面しながら・・・3年かけて。

















👇八王子の冶工の鐘は、
1672年から時を打ってたと。



秋には、満月の白萩
美しい顔に
火事でむごたらしい火傷の痕を負った
小説・女主人公の出会いを夢見て
あきる野市
大悲願寺


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4 コメント

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Unknown (とよ)
2022-03-01 19:12:00
mariaさん こんばんは。
昔の彫り物師は、きっと、千年も万年の残ると思って、でも心の隅にはいつまでも形が残ることを、
願いながら彫った・・。
そう思います。
物理的に残せないもの、今ならCG。
私たちはその技術の恩恵をたくさん受けます。
で、新たな感慨が生まれるのも事実なので、
大悲願寺の彫り物師達は、売れっ子ではなかったので、きっと、淘汰された作品もあったのではと・・。
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息を飲む美しさ (maria)
2022-03-01 10:27:59
息を飲む彫刻の美しさです!
人は何を求めてこれ程の彫刻を長い期間かけて掘り続けられるのでしょう・・・
彫刻自身が持つ語らい、物語は永久に残って欲しいものです。
物理的に無理な物は、CG等の現代技術を駆使して残されているのでしょうか?・・・
返信する
Unknown (とよ)
2022-02-17 19:17:39
朝から胸を揺らしてしまいました。
サッチーさん 今晩は。
地元の人たちが境内に掘っ立て小屋を造って、
丹精込めて彫った彫刻、

白萩の頃の萩、それはそれはでした。
今年は、また違った思いで、訪れることにします。
幽玄の世界、萩に埋もれて、消せない煩悩からどのような映像が生まれるか‥と。
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大悲願寺 (サッチー)
2022-02-17 10:19:11
とよ様、おはようございます。
 朝、とよ様のブログ拝見して、胸があつくなって
 涙がでそう。
 白萩の美しさと共に、まつわる雰囲気でしばらく
 PCを打つ指が止まります。
 あまりにも、美しい彫刻も地元の人の思い入れが
 あって、素晴らしいですね。
 白萩が咲くころはその彫刻をも凌ぐ美しさなので 
 しょう。とよ様の思い出と共に、幽玄の世界に
 行きました。

 
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