2012年10月に、
『専門用語との戦い - KOfyの「倍行く」人生』を書きました。
その後、色々学ぶことが多いのですが、専門用語の続編をメモしておきます。
【EBITDA】
Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization の頭字語。
日本語に訳せば、利払い前・税引き前・減価償却前・その他償却前利益、又は、金利・税金・償却前利益
「EBITDA」の読み方も、「イービットディーエー」、「エビータ」などが用いられ、一つには定まっていない。
EBITDA = 税引前利益 + 特別損益 + 支払利息 + 減価償却費(有形固定資産償却費と無形固定資産償却費の合計)
企業の収益力を測る最も基本的な指標は「当期純利益」だが、
法人税額、特別損益、支払利息、および減価償却費が控除された値。
・法人税率や減価償却費は企業が事業所を置く国の政策(税法)で左右される。
・金利水準も国によって異なる
・特別損益として計上される項目も国の会計基準によって変わる。
これらの、国による税法、金利、会計基準の違いを取り除いた利益の額が「EBITDA」。
→多国籍企業の業績評価、異なる国の同業他社間の業績比較に有用な指標。
企業が設備投資やM&Aなどの先行投資を積極的に行なうと、短期的には減価償却費の増大、
のれん代の償却費(国際基準では再評価時の減額)が発生するなど、
現金支出を伴わない費用が大きくなり、会計上の利益は小さくなる。
EBITDAではこのような短期的な影響が除かれる。
逆に、エンロンやワールドコムの破綻をはじめとする一連の会計不祥事が生じたため(Ex.リース代を設備投資)、
EBITDAのような会計基準に基づかない指標は、企業が不正に操作しやすいという批判がなされるようになった。
EBITDAを見るときは、併せて純利益などの数字もチェックすれば判断を誤ることはない。
ただ、EBITDAを強調しがちな企業は、概して借金や設備投資が過剰なことが多い。
だから、やたらEBITDAを持ち出す企業があったら、『借金や設備投資が多い』という目で見る必要がある。
【EBIT】
Earnings before Interests and Taxes の頭字語。読み方:イービット
計算式:EBIT= 当期経常利益+支払利息-受取利息+法人税等
EBITとは、税引前当期利益に支払利息を加算したものであり、他人資本を含む資本に対して
どの程度の(税引前)付加価値を産み出したかを示す利益概念。
EBITとは、支払利息や税金を差し引く前の利益で、経常利益に金融収支(受取利息-支払利息)を差し引き、
法人税を加えた利益額を指す。
EBITとは、は他人資本を含む資本に対してどの程度の付加価値を創出したかを示すものである。
・経営環境の状況により、積極的な借入で事業を拡大することがあり、負債額の増加に伴い支払利息の額が大きくなる。
・納税額は、企業の節税対策や課税上の優遇措置に応じて異なる。
・企業の本業における収益性を測るのに、経常利益の額に支払利息や納税額を足し戻したEBITが用いられる。
(有利子負債が大きな企業や、創業間もないベンチャー企業の収益性を測定するのに用いられる。)
・また、EBITは人事関連においては、賞与原資を算出する際の業績指標として活用されることがある。
・活用するメリットは、従業員の本業における成果に対する意識付けを強化することが可能である。
・一方、デメリットは、EBITには営業外損失等のコストを加味しないため、賞与原資が財務基盤を圧迫する可能性がある。
【CAPEX】
Capital Expenditure 読み方:キャペックス
・"Capital Expenditure"を略した造語で、直訳すると資本的支出(設備投資)のことを指す。
・単なる不動産を維持するための修繕費用ではなく、不動産の価値や耐久年数を延ばすための経費。
・通常の修繕費が費用扱いされるのに対して、CAPEXは資産計上され、減価償却の対象となる。
・アメリカの不動産用語から由来し、一般的には広義と狭義の2つの意味で使われる。
広義では、大規模な修繕費や長期的な修繕計画にかかる費用そのものを意味する
狭義では、不動産や設備を維持する修繕費用でなく、1年以上効用が持続する改良を指し、
耐久年数によって減価償却される資本的支出を意味する。
CAPEXは capital expenditure(資本的支出、設備投資)
OPEX は operating expenditure(or expense、運用維持費、運用コスト)
※事業を運営していくために継続して必要となる費用