テレビが入るような謝罪会見をすることはまずないと思いますが、
謝らなければならない場面はいくらでもあります。
一人のお客さまに対峙するときでも、以下の記事内容は参考になります。
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なぜ「謝罪会見」は炎上するのか イノベーション的発想を磨く:ダイヤモンド・オンライン
【要約】
・月刊誌『広報会議』(宣伝会議刊)の調査によると、2016年の謝罪会見でイメージダウンとなった「ワースト3」は
「舛添要一前東京都知事政治資金問題」「ベッキー&ゲスの極み乙女。川谷の不倫騒動」「電通の新入社員過労自殺」。
・この3件には、会見で当事者本人や企業トップが話した内容に嘘や隠蔽があった共通点が見られる。
・その情報がネット上に流出して拡散し炎上。世間の怒りを鎮めるどころか、火に油を注ぐ羽目になった。
・今はネットであらゆる情報が手に入る。嘘をつき通すのが難しい時代。
どうせバレるのならきちんと真実を話し、自らの非を認めて謝るのが得策。
・『科学の知恵 怒りを鎮める うまく謝る』は、きちんと謝るための方法論を心理学をはじめとする科学的なアプローチで展開した本。
・著者の川合伸幸氏は名古屋大学大学院情報学研究科准教授。本書で川合氏は、さまざまな実験や調査による研究に基づき、
怒りのメカニズムや謝罪の効果などを検証。具体例を挙げながら効果的な謝罪の方法をわかりやすく説明している。
・相手の怒りを鎮める謝罪には、3つの核となる要素がある
「自責の念の表出(悔恨)」
「責任の自覚(責任)」
「補償の申し出(解決策の具体的な提案、補償)」
・さらに付加的な要素が5つも見つかった。
「そのような行為をするに至った理由の説明(説明)」
「今後は適切に振る舞うことの約束(改善の誓い)」
「被害者を傷つけたり不快にさせたことの認識(被害者への労わり)」
「自分の行為が不適切であったことを認識(不適切な行為の認識)」
「赦しを請う(容赦の懇願)」
・以上の8つのうち、なるべく多くの要素を含む謝罪が「良い謝罪」ということになる。
・反対に「悪い謝罪」の要素は次の4要素が挙げられる。
「不快な行動や失言を正当化する(正当化)」
「被害者を非難する(逆ギレ)」
「弁解をする(弁解)」
「事態の最小化をはかる(矮小化:「ほんの冗談だった」と言うなど)」
・川合氏は「自らの良いイメージを維持したい」という思いがあると、不適切な謝罪になりやすいと指摘する。
そういった思いが強いと「弁解」「正当化」「矮小化」で乗り切ろうと考えてしまいがち。
・川合氏は、人は自分や周りの者が脅威を感じる出来事に怒りを覚える、と指摘している。
その脅威には「社会秩序が乱れ、安定した生活が脅かされる」というものも含まれる。
・大企業や政治家による不祥事や有名人の不倫は、広く考えると社会秩序を乱す行為といえる。
それゆえ、直接の利害関係がなくても潜在的な「脅威」となり、多くの人の怒りの対象になりうる。
・またネット炎上の原因には「バンドワゴン効果」もある。
ある選択肢が多数の支持を集めていた時に、それを知った他の多数がその選択肢を取りやすい、という現象。
結果として極論が増幅することになる。
・社会秩序を脅かす誰かに対する非難や攻撃の声がある一定レベルに達すと、
ネットでそれを見聞きしただけの人も、それに影響されて怒りを感じやすくなる。そうなると一気に炎上する。