愛猫・西子と飼い主・たっちーの日常

亡き西子とキジロウ、ひとりっ子を満喫していたわおんのもとに登場した白猫ちくわ、その飼い主・たっちーの日常…です。

虎次郎とマリー2

2006年08月16日 | ネコの寓話
 翌日から、マリーはこっそり家を抜け出すと、虎次郎に付いて町を歩くようになりました。そうして、虎次郎と一緒にいる時間が、マリーには、とっても幸せでした。
 実は、虎次郎もマリーと一緒にいる時間に、幸せを感じていました。そうです。虎次郎も、素直で純粋なマリーのことが、好きになっていました。
 大きなトラネコの虎次郎と、きれいなシャムネコのマリー。ちょっと、不思議な取り合わせですが、2匹は日を追うごとに仲良くなっていきました。
 しかし、虎次郎は、マリーを好きになればなるほど、心配になってくることがありました。
 ある夜、虎次郎が心配事を抱え、瓦屋根の上でため息をついていると、1匹の猫が現れました。真っ白い身体に4本の足下とシッポの先だけが、まるで足袋を履いているようにグレーの毛が生えているネコ。タビです。タビは不思議な力をもったネコです。
 虎次郎は、タビの姿を見ると、コソコソっと、でも縋るように、そして「誰にも言うなよ」と何度も念を押しつつ、顔を赤くしながらいいました。
 「実は、俺、あの大きなお屋敷に住んでいるシャムネコのマリーのことを、好きになってしまったんだ。でも、俺はノラ猫だからなぁ。つりあわないんじゃないかと心配なんだけど…」
 「そんなことは、関係ないよ。君がマリーを好きになっちゃいけない理由なんてないよ」
 「そうか、タビにそういってもらえると嬉しいよ。それで、いつも縄張りの点検ばかりではなぁって思って、今度は食事にでも誘おうかと考えてるんだよ。でも、彼女はあんなに大きなお屋敷に住んでいるくらいだから、きっといつもおいしいものを食べていると思うんだ。だから、特別に豪華な食事を食べさせたいんだけど…。なあ、タビ、君の不思議な力で何とかなんないかな?」
 「まあ、ならないこともないけど…。それで、マリーが喜ぶかな?」
 「だって、その辺の魚屋から盗ってきたサンマってわけにはいかないだろ?」
 「うーん、そうかな?」
 「頼む! タビ、一生のお願いだ!」
 「そんなにいうんなら、わかったよ。明日、いつも縄張りの点検をしている時間に、マリーを川原に連れておいで。そのときまでに用意しておくから」
 「ありがとう、タビ。うれしいよ」
 タビは、虎次郎のお礼を背に、「あおーん」と一声鳴きながら、屋根を飛び移ってどこかに消えていきました。
(つづく)
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虎次郎とマリー1

2006年08月15日 | ネコの寓話
 ちょっとだけ大きな町の、とっても大きなお屋敷にマリーというシャムネコが住んできました。でも、マリーの飼い主は、本当は猫なんて好きではありません。
 「この家にも、何か生き物が欲しいわね。インテリアに合わせると…そう猫、シャムネコがいいわね」
 飼い主が、マリーを飼い始めたのは、そんな理由からでした。
 マリーは、小さいときから大きなお家で、豪華なお食事をして過ごしていました。そして、マリーのためにあつらえた豪華な猫ベッドで1日の大半を過ごしていました。
 マリーにとっては、当たり前の生活でしたが、ぜんぜん楽しくありませんでしたし、幸せを感じたこともありませんでした。
 マリーは成長すると、外の世界に興味を持つようになりました。人間は、家の中を閉め切ったつもりでも、そこは猫。わずかな隙間をみつけて外に出て行っては、何事もなかったかのように、家に帰ってくるようになりました。
 外に出るようになると、地域で暮らす猫たちともお話をするようになりました。
「へぇー、君、あの大きな家に住んでるんだ。すごいなぁ」
 みんな口々にこんなことをいいましたが、マリーにとっては地域で暮らしている猫たちのほうが、ずっとすごいと思っていました。
 そんなある日、マリーはこの地域のナンバー2の猫・虎次郎に出会いました。虎次郎は、その名の通り、きれいな虎模様の猫。とっても体が大きいのですが、とってもやさしくてこの辺りの猫たちにも信頼されています。
 虎次郎は、ボス猫のフーを助けて、猫たちがちゃんと縄張りを守っているか、見回りをしている最中でした。このため、虎次郎は、マリーに出会ったときに、警戒心たっぷりで尋ねました。
「お前、この辺りでは見かけないな。どこの猫だ?」
 マリーは、今まで見たどの猫よりも体の大きい虎次郎を見てびっくり。恐る恐る蚊の鳴くような声で答えました。
「あの坂を上がったところにある家に住んでいます。ちょっと家を抜け出してきました」
 虎次郎は、その様子を見て、今度はやさしく言いました。
「それなら縄張りも必要ないから、好きなようにしていていいよ。だけど、縄張りを荒らしに来たと思う猫もいるだろうから、俺からもみんなによくいっておくよ。それに、人間の中には、猫に石を投げたりするヤツもいるから気をつけろよ」
「はい、では、もう帰ります」
「そうか、せっかくの散歩をジャマしてしまったようだな。お詫びに家まで送ろう」
 虎次郎は、マリーの前に立って歩き始めました。
 マリーは、ちょっとどきどきしながら虎次郎の後に従い、家まで送ってもらいました。
 虎次郎はマリーを送る道すがら、外に出るときの注意―どこから・どこまでがどういう猫の縄張りなのか、いじわるな人間が出没するのはどこか―などを、詳しく優しく教えました。
「君は、この地域のことを知らなすぎるな。これからも家からでるんだったら、しばらくの間、俺と一緒に縄張りの見回りをしながら、町のことを覚えないか」
 虎次郎は、別れ際にマリーにいいました。
「はい、よろしくお願いします」
 マリーは、ちょっと照れながら答えました。
 実は、マリーは虎次郎の誠実な対応にすっかり魅せられてしまい、好きになっていました。
(つづく。 今回のお話は全3回です)
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後悔ねこ・ユウ3

2006年06月28日 | ネコの寓話
 もう一度『今日』を体験したのに、結局、後悔ばかり。ユウは、公園の芝生の上に、あきらめたようにごろんと横になって、大きくため息をつきました。すると、また、どこからともなくタビが現れて言いました。
「もう一度、体験した『今日』はどうだった?」
「ダメだったよ。結局、後悔することばっかりだ」
 ユウは、そういうと大きなため息をついて、ごろんと横になりました。
 そんな、ユウを見てタビがいいました。
「人間のことわざに『後悔先に立たず』っていうのがあるよ。済んでしまったことをあれこれ考えるよりも、これからどうしたらいいかを考えてごらん」
 タビは、そういうとぴょんと跳ね上がるようにその場を立ち去りました。
 ユウは、タビが去った後も、タビがいた場所をじっと眺めながら、一所懸命に考えました。そして、明日、もう一度、フーとレイに会おうと決めました。
 翌日、まず、フーに会って言いました。
「フー、昨日はごめんよ。僕、猫会議のことすっかり忘れていて…」
 フーは、バツが悪そうに苦笑しながら言いました。
「いや、俺もちょっときつくいい過ぎた。すまなかったよ」
 次ぎに、レイに会って言いました。
「レイ、昨日はごめんよ。君が風邪をひいていることを知らなかったんだ。もう大丈夫かい?」
 レイは、決まりが悪そうに照れ笑いを浮かべながら言いました。
「ありがとう。もう大丈夫よ。私もひどい態度だったわ。ごめんなさいね」
 少しずつ、ユウのまわりの空気がふんわりとやさしくなっているようです。
 タビは、その様子を大きな木の上からのーんびり眺めていました。
(おわり)

作者たっちーから:後悔と反省は別のものです。真摯に反省して、誠実に対応することを心がけて実践していく人の回りは、ふんわりとしたやさしい空気に包まれていくはずです。
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後悔ねこ・ユウ2

2006年06月27日 | ネコの寓話
 翌朝、ユウは起きると、さっそく縄張りの点検に出かけました。
 サクラの木の6本目までくると、やはりフーに出会いました。
「今日から、お前の縄張りは5本目までだ」
 フーは、居丈高に言いました。
 ユウは「待ってました」とばかりに反論します。
「いくらボスネコでも、勝手に縄張りを決めるなんてひどいじゃないか! 僕は、そんなこと認めないよ」
 そんなユウに向かって、フーが怒鳴りつけるように言いました。
「3丁目のララの息子が大きくなったから、縄張りの振り分けをしてるんだ! 先週、お前の住んでいる公園でネコ会議をしたときに確認しただろ!」
 ユウは、何も言えなくなってしまいました。フーに、こう言われてネコ会議のことを思い出したからです。
 ユウは、しょぼんとしたまま、その場を後にしました。
 落ち込んだまま、しばらく歩くと、今度はレイに出会いました。やっぱりとっても落ち込んでいるようです。
 ユウは「ここぞ」とばかりに、話しかけました。
「レイ、落ち込んでいるようだけど、どうしたんだい?」
 レイは、ちらっとユウを見ましたが、何も答えません。
「ねえ、何かあったんなら話してごらんよ」
 レイは、今度はユウを睨みつけると、「ふんっ」というように足早に立ち去ってしまいました。そんなレイの後姿を呆然と眺めていると、レイと仲良しのミーが現れて言いました。
「レイは、風邪をひいてしまって、ひどい声になってるの。彼女、自分の声がとっても好きだからひどい声をだれにも聞かれたくなかったよ。まあ、悪く思わないであげてね」
 ミーはそういうと、レイの後を追うように同じ方向に去っていきました。
(つづく)
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後悔ねこ・ユウ1

2006年06月26日 | ネコの寓話
 大きな町の小さな公園に、ユウという耳と足先だけが黒いパンダ柄のネコが住んでいました。
 ユウは、すでに済んでしまったことを後悔ばかりしています。
「あんなこと、言わなければよかった」
「あのとき、はっきり言えばよかった」
 などなど、いつも後悔ばかりしています。
 この日は、特別に後悔が多かったようで、さっきから今日一日を振り返って息ばかりついています。
 公園の芝生にごろんとしながら、何度目かのため息をついていると、どこからともなくネコが現れて、ユウの顔を除きこみました。真っ白い身体に4本の足下としっぽの先だけが、まるで足袋を履いているようにグレーの毛が生えているネコ。タビです。タビは不思議な力をもったネコです。
「さっきから、ため息ばかりついているね」
「そうなんだよ。今日は後悔することばかりで嫌になっちゃう」
「何があったんだい?」
「まず、縄張りの点検中にボスネコのフーにあったんだ。君も知ってるだろ? 身体の大きいトラネコだよ。僕の縄張りは、4丁目のサクラ並木の6本目までのはずなのに、アイツときたら『今日からお前の縄張りは5本目までだ』って勝手に決めちゃって。でも、僕は何も言えなくて…」
「そう、それは災難だったね」
「その後に、レイにあったんだ。君も知ってるだろ? あの長い毛のとっても素敵なネコだよ。彼女、とっても落ち込んでいるようだったから、何か話しかけようと思ったんだけど、そのまま通り過ぎちゃって。何でもいいから話しかければよかったんだよなぁ…」
「そう、それは残念だったね」
「あー、僕って本当にダメなネコだなぁ」
 ユウはそういうと、あきらめたように芝生にごろんと横になりました。
 そんなユウを見て、タビが言いました。
「じゃあ、今日をもう一度、経験させてあげようか?」
「えー、そんなことできるの?」
「うん、でも今日一日だけ。それ以上は無理だからね。それでもいい?」
「うん、OK! よかったぁー。今日は、特別に後悔していたから、うれしいよ」
「じゃあ、今日はもうおやすみして。明日、朝起きたらもう一度、今日が経験できるからがんばってね」
「うん、今日はもう寝るよ。ありがとう。タビ」
 ユウは、そういうと眠りにつきました。タビは、ユウが眠りについたことを確認すると、「あおーん」と一声鳴き声をあげて、どこかに消えてしまいました。
(つづく。今回のお話しは全3回です)
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モンとポポ2

2006年06月03日 | ネコの寓話
 翌日から、ポポは早速他の猫たちと一緒に元気に遊び始めました。
 それまでは、モンが心配してなかなか他の猫と遊ばせてくれなかったので、ポポは大喜びです。
 一方、モンはポポの世話をしなくてもよくなったら、あれもやろう、これもやろうって思っていたはずなのに、何もする気になりません。結局、遊んでいるポポが見える位置でごろんと横になっています。
「兄さん、僕は元気なんだから、自分のやりたいことをやればいいじゃないか」
 こんなふうに促されてもモンはどこか落ち着きません。
 結局、モンが所在なさ気のまま1週間が過ぎようとしたとき、ひょっこりとタビが姿を現しました。
「2人とも、この1週間は楽しく過ごせたかい?」
「タビ、ありがとう。楽しかったよ」とポポ。
「なんだか落ち着かなくて…。何もする気にならなかったんだ」とモン。
 そんなモンを見て、タビが聞きました。
「ねえ、君はこれまで何のためにポポの世話をしてきたのかな?」
 タビの言葉を聞くと、モンはすっかり考え込んでしまいました。
 すると、タビがいたずらっぽくいいました。
「実は、僕、不思議な力は使っていなかったんだ。ポポは、病弱かもしれないけど、今までもこれからもそんなに心配するほどのことはないんだよ」
 タビは、びっくりして顔を見合わせる2匹にウインクすると、ぴょんと跳ねるように、どこかに消えてしまいました。
 翌日、他の猫たちと一緒に元気に遊ぶポポがいました。でも、もう側にモンの姿はありません。自分のお気に入りの場所を見つけ、のーんびりお昼寝を楽しんでいます。
 そんな2匹を見渡せる高いビルのてっぺんで、タビがにっこりと微笑んでいました。
(おわり)

作者たっちーから:お世話をすることはとってもいいことなので、つい自分を犠牲にしてやりすぎてしまいがち。ケアしている自分に酔って、存在意義にさえなってしまうことも。そうなると、ケアされるほうは自立できません。気をつけたいですね。
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モンとポポ1

2006年06月02日 | ネコの寓話
 小さな川の大きな河原にモンとポポという兄弟ネコが住んでいました。
 モンはお兄さんネコで、淡いグレーと黒のトラ柄。
 弟のポポは、グレーでしっぽと耳の先が黒。
 2匹は、とても仲の良い兄弟です。
 でも、モンには、ひとつ心配なことがありました。弟のポポが病弱なことです。モンは一所懸命にポポを気遣います。モンの1日は、ポポの世話で終わってしまうこともしばしば。ポポの具合が悪くなると、モンは自分のせいのような気がして、いてもたってもいられなくなってしまいます。でも、ポポはたしかにほかのネコより身体も小さく、病弱ではありますが、すぐに死んでしまうというほどのことはありません。
 その日も、モンはポポの看病で1日が終わってしまいました。ポポが毛玉を吐いたのです。毛玉を吐くくらいは、いくら病弱なポポとはいえ心配はないはずなのですが、モンはとっても不安になって、くたくたになるまで面倒をみていました。モンは、ポポが寝付いたのを見届けると、ひとりで川原に行き、ごろんと横になりました。
「あー、疲れた」 
 思わず、口に出すと、一匹のネコが草むらからひょっこと顔を出しました。真っ白い毛に4本の足下としっぽの先だけが、まるで足袋を履いているようにグレーの毛が生えているネコ。タビです。
「いつも弟の世話で、大変だね」
「そうなんだよ。ポポは病弱だから心配で…」
 そういう、モンをじっと見つめてタビがいいました。
「ねえ、ポポを健康にしあげようか?」
「えーっ、そんなことできるの?」
「うん、僕に不思議な力があることは知っているだろう? ちょっとの間、そうだな1週間。1週間したら、もとに戻っちゃうけど、それでもいい?」
「うん、助かるよ」
そういうとタビをポポのところに案内しました。
タビは「1週間だけだからね」と念を押すようにいうと、「じゃあ、横になって目をつぶって」と優しい声でいいました。
タビは、横たわったポポの身体に右の前足をそっと乗せ、「あおーん」と一声鳴きました。
「もう大丈夫。これから1週間は健康。でも1週間後のこの時間までだからね」
 タビは、そういうとぴょんと跳ねるようにその場を立ち去りました。
「ポポ、1週間だけど良かったな」
「うん、モン兄さんも、これで1週間は僕の看病をしなくてすむね」
2匹は、ほっとしたように顔を見合わせました。
 でも、モンはどこか寂しそうでした。
(つづく)
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ミミとチチ2

2006年05月21日 | ネコの寓話
「チチを探しに行こう」
 ミミは、そう決心しました。
 でも、どこを探していいかわかりません。
 あてもなく、ふらふらと街を歩き続けました。
 来る日も来る日も、ひたすらチチを探して歩きました。
 すると、ある夜、一匹の猫に出会いました。
 真っ白い毛に4本の足下としっぽの先だけが、まるでタビを履いているようにグレーの毛が生えている猫、タビです。
「どこへ行くんだい?」
 タビはミミにやさしく声をかけました。
「弟のチチがいなくなってしまったので、探しているんです。僕と同じキジ猫なんですけど見かけませんでしたか?」
 タビは、ミミの言葉を聴くと、すべてを察したようでした。
 そして、やさしくミミに言いました。
「目をつぶってごらん」
 ミミが目を閉じたことを確認すると、タビは「あおーん」と一声鳴きました。するとチチの姿が見えました。
 その姿は、すっかり病気も治り、健康を取り戻しているようでした。
「チチ、やっと会えたね。どこにいるの? もう病気は治ったの? 僕、迎えに行くから一緒に帰ろう」
 ミミは声をかけましたが、チチは笑っているだけで何も応えてくれません。
 何度も何度も「チチ、チチ」と呼びかけました。
 すると、チチはやさしい声でいいました。
「ミミ兄さん、僕はどこにも行ってないよ。ずーっと側にいるよ」
 チチはそういうと、フッと姿を消してしまいました。
 ミミはゆっくり目を開けました。タビの姿はありませんでしたが、目を閉じる前と変わらない景色がありました。とっても長い時間目を閉じていたような気もしますし、ほんとちょっとのわずかな時間だったような気もします。でも、ミミは、チチが側にいるような気がしました。そして、耳を澄ますと「ずーっと側にいるよ」といったチチの声が聞こえてくるような気がしました。
 街が徐々に明るくなり始めました。
 ミミは、大きく伸びをして
「じゃあ、帰ろうか。チチ」
 と囁くように言うと、ゆっくりと朝日を身体いっぱいに浴びてゆっくりとした足取りで家路に着きました
 その姿を、タビがビルの屋上から笑顔で見送っていました。
(おわり)

作者・たっちーから:今回は「死別」という、とても重たいテーマを扱いました。不十分な点は、私の未熟さと文章力のなさからくるものです。ご了承ください。
生きているとさまざまな「別れ」と出会います。別れを乗り越えることで、強さを身につけながら、成長していくのだと思います。
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ミミとチチ1

2006年05月20日 | ネコの寓話
 大きなビルの小さな隙間に、ミミとチチというキジ柄の兄弟猫が住んでいました。
 ミミがお兄さん、チチが弟。2匹はとっても仲良しです。
 ある日、弟のチチが病気になってしまいました。
 ミミは、心配して一所懸命に看病をしました。
 しかし、ミミの病気は一向によくなる気配がありません。
「チチ、大丈夫?」
「ありがとう、ミミ兄さん。僕は、もうここにはいられそうもない。もうすぐ、行かなくちゃならないんだ」
「行くって…。病気なのに、どこに行くんだよ?」
「兄さんにも、いつかわかるときが来るよ」
 チチはそんな言葉を残し、本当にいなくなってしまいました。
 ミミは、チチの帰りを待っていましたが、その日はとうとう帰ってきませんでした。
 翌日も、その翌日も帰ってきません。
「チチは、どこに行ったんだろう?」
 途方にくれたミミは、長老猫のフーに相談しました。
「人間たちは、木曾の御岳や遠州森の秋葉神社に修行に行くなどというが、猫は誰にも見られない場所で死んでいくんだよ」
「じゃあ、長老はチチが死んだっていうの?」
「残念だけどな…」
「ウソだ! チチが死ぬはずない!」
 ミミは、そういうと怒って走り去りました。
 ミミには、チチの死が受け入れられませんでした。
 寂しくなって、ビルの谷間から見える月に向かって「にゃーん」と鳴いてみましたが、だれも来てくれません。
 ミミは、どうしてもチチに会いたいと思いました。
(つづく)
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ミーとレイ4

2006年05月04日 | ネコの寓話
 ミーは、間一髪のところで、助かりました。
 助けるのがもう少し遅れていたら、死んでしまったことでしょう。
 ミーは、泣きながら、何度も何度もレイにお礼を言った後、ほっとして気絶するように倒れてしまいました。レイは、その様子を見ると、足早にその場を立ち去っていきました。
 しばらくして、ミーが目を覚ますと、そこにはタビがいました。
「レイが、火事から君を助け出すところを見たんだ。怪我はないかい?」
 ミーは、タビの声を聞いくと、何だか安心してぽろぽろと涙を流しながら大きな声で泣いていました。
 そのころ、レイはひどく落ち込んでいました。
 心配していたようにレイの自慢の長い毛は炎に焼かれ、ぼろぼろになっていました。その姿をみんなに見られるのが嫌で、ミーを助け出すと、逃げるようにその場を走り去っていったのでした。
 レイは、川面に自分の姿を何度も何度も写して見ました。でも何度見ても、その姿はやっぱりぼろぼろです。レイは、小さく丸まって何時間もしくしくと泣き続けていました。
「これで、もうだれも私のことを素敵だなんて言ってくれないわ」
 寂し気に、ぽつりとそう囁くと、1匹のネコが後ろから声をかけてきました。
「大丈夫かい? ケガはないかい?」
 その声の主は、タビでした。
「あっちに行って!」
レイは、ぼろぼろになった自分の姿を見られたくなくて、草むらに身を隠しました。
 タビは、レイが身を隠す動きを見て、後ろ足に怪我を負っていることに気付きました。
「後ろ足を怪我しているようだね」
「うるさいわね。放っておいてよ。もう、私なんか、もうどうなってもいいのよ」
 レイが、自棄になったようにそう叫ぶと、タビの後ろからミーゆっくりと姿を表わしました。
「レイ、助けてくれて本当にありがとう。私のせいでこんなことになってしまって、ごめんね」
 ミーはそう言うと、ゆっくりとレイに近付き、怪我をしている後ろ足を優しく嘗め始めました。ミーは「ありがとう」と「ごめんね」を繰り返しながら、優しく、優しく、ケガをした後ろ足を嘗め続けました。すると、レイもだいぶ落ち着きを取り戻したようでした。
「いいのよ、ミー。ありがとう」
 2匹のネコは、かばい合うように身を寄せ合い、静かにやさしい眠りにつきました。
 タビは、その様子を見ると、ゆっくりと川下の方に去っていきました。
(おわり)

作者たっちーから:本当に大事なもの・大切なものは、目には見えません。レイは、大切にしていた自慢の長い毛を無くしてしまいましたが、変わりに目に見えない本当に大切なものを手に入れたのかもしれません。
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ミーとレイ3

2006年05月03日 | ネコの寓話
 そんなことがあってから1週間ほど経ったある日のこと、レイが散歩をしていると、もくもくと煙りが沸き上がっている一件の倉庫を見つけました。
 火事です。
 レイは、びっくりして近付いていきました。
 すると、中から弱々しく助けを求めるネコの声が聞こえました。
「苦しい、助けて…」
 ミーの声です。ミーは、この倉庫に住み着いていたのでした。
「ミー、早く出てきなさいよ。こっち、私の声のする方に来て」
 レイは、一所懸命に声をかけるのですが、ミーは炎と煙に巻かれ動揺しています。そのうえ、少しずつミーに近付いていく炎の大きな音が、レイの声を遮り、うまくミーに届きません。
 こうしている間にも、炎はどんどん広がっていきます。レイは、必死に呼び掛けましたが、返事が帰ってきません。
「助けなくては…」
 レイは、そう思いつつも、炎の中に入ることを躊躇っていました。それは、炎が恐いからだけではありませんでした。
「ミーには、この間、随分、ひどいことを言われたし…。それに、こんな火の中に入ったら、私の自慢の毛が台なしになってしまうわ」
 レイは、そう思っていました。しかし、周りを見回しても、だれもいません。一所懸命に、呼び掛けてみましたが、だれも現れそうありません。このままでは、ミーは、焼け死んでしまいます。炎はどんどん勢いを増して燃え広がっていますが、レイはうろうろするばかりです。
「どうしよう…」
 レイが、そう囁いた次の瞬間に、炎の音をかいくぐるようにミーの声がしました。
「助けて…」
 それはミーが最後の力を振り絞った声でした。その声を聞いた瞬間、レイは炎の中に飛び込んでいきました。
(つづく)
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ミーとレイ2

2006年05月02日 | ネコの寓話
 レイが、ぷりぷり怒りながら歩いていると、屋根の上でのんびりと日向ぼっこをしている1匹のネコに出会いました。白い毛に4本の足先としっぽの先だけにグレーの毛の生えているネコ。タビです。
 レイは、日向ぼっこをしているタビの前を、ちょっと大袈裟に自慢の毛をなびかせながら横切ってみました。タビをうっとりとさせて、少しでも気分を晴らそうと思ったのでした。しかし、タビはうっとりするどころか、大きなあくびをひとつしただけでした。
 レイは、頭にきてタビに言いました。
「レディーの前で、そんなに大きな口を開けてあくびをするなんて失礼じゃないの。ねえ、あなたは私のこの素敵な長い毛を見ても何とも思わないの?」
「ごめん、ごめん。君の長い毛ねえ、うん、素敵だと思うよ」
「ずいぶんと素っ気無い言い方ね。他のネコはみんな私に好かれたくて仕方ないのに、あなたは全然私に魅力を感じていないようね」
「そんなこともないけど…」
「まあ、いいわ。気のない振りをして私の気を引こうたってそうはいかないからね」
 レイは、そういう言うと、自慢の長い毛をゆっさゆっさと揺らしながら、来たときよりも一層、ぷりぷりと怒って去っていきました。
 タビは、そんなレイの後ろ姿を、呆れたような目で眺めていました。
 しばらくすると、今度はタビの前をミーが横切ろうとしました。ミーもやっぱり、レイのようぷりぷりと怒っています。
「どうしたんだい。そんなに怒って…」
 今度は、タビの方から声をかけました。ミーは、タビの優し気な声に、思わず「レイが…」と話そうとしましたが、言葉を止めてしまいました。何だか、話をすると、自分がレイにやきもちを焼いていることを知られてしまいそうな気がしたのです。ミーは、自分がレイにやきもちを焼いていることは、とても恥ずかしいことだと思っていたので、だれにも知られたくはありませんでした。
「別に何でもない。あなたには関係ないことだわ」
 結局、ミーはこう言って、小走りにその場を去ってしまいました。
 タビは黙って、ミーの後ろ姿を心配そうに眺めていました。
(つづく)
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ミーとレイ1

2006年05月01日 | ネコの寓話
 長い川の少しだけ大きい河原に、レイという名前のネコが住んでいました。
 レイは、淡いグレーの長くてちょっとカールのかかった毛に全身が包まれています。この辺りでは珍しくイカした感じです。スタイルだって抜群です。大きな瞳にちょっと掛かかっている自慢の長い毛を、風にふわふわっとなびかせれば、みんなうっとりとして振り返ります。
「いつ見ても、レイは素敵だなぁ」
 男の子たちだけでなく女の子からも、そんな言葉があちこちから聞こえてきます。レイは、こんなふうにみんなに注目されるのが、楽しくて仕方がありません。
「男の子たちはみんな私に好かれたいと思っているし、女の子たちはみんな私に憧れているんだわ」
 レイは、そう考えていました。
 茶トラのミーも、レイに憧れていました。
「いいなぁ、レイはあんなにふさふさの素敵な毛に、スタイルだって抜群だし…。私は、ありきたりな茶トラで、スタイルだって良くないし…」
 そう思いながら、ミーはいつもレイを羨まし気に見つめています。でも、レイは、ミーのことは、頼めば何でもやってくれる便利な娘ぐらいにしか思っていませんでした。
「ミー、三丁目のボスに伝言をお願い!」
「ミー、ちょっとお腹空いたんだけど」
 レイは、よくこんなふうにミーを召し使いのように扱います。
 でも、ミーは、レイの言いなりです。言いなりになることで、もっとレイと仲良くなれると思っていました。仲良くなれば、何だか自分もレイのように素敵なネコになれるような気がしていたのです。だから、一所懸命にレイの言うことを聞いていました。
 でも、いくらレイの言いなりになっていても、身体を包んでいる毛の色が変わるはずもありません。
 ミーは、日に日にいらいらしてきました。そして、次第にレイに対して、やきもちを焼くようになっていきました。
 ある日、ミーはレイに向かって、それまでにないきつく厳しい口調で言いました。
「あなた、みんなにちやほやされて、最近、少しいい気になっているんじゃない?」
 レイは、今まで召し使いのように扱っていたミーの反乱に一瞬戸惑いましたが、すぐに怒りが湧いてきました。そして、嫌みっぽく答えました。
「別にいい気になんてなっていないわよ。ただ歩いているだけで、みんな勝手にちやほやするんだから、しょうがないじゃない」
「あら、それは知らなかったわ。ただ、私はあなたのことを思って忠告しただけよ」
「あら、それはどうもありがとう。だけど、大きなお世話ね」
 レイもミーも、だいぶ感情的になっているようです。
 2匹は、しばらくにらみ合った後、同時に「ふん」というと、反対の方向に歩いていきました。
(つづく)
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トラネコのテルと金色のネコじゃらし4

2006年04月20日 | ネコの寓話
 テルは、しばらくの間、ネコじゃらしをくわえたまま(最近はネコじゃらしに夢中になっていたので、子ネコたちと遊んでいなかったな。でも、みんな今でも僕と遊ぶつもりがあるのかな?)とぼんやり考えていました。
 すると、タビはテルの心を読み取ったのでしょう。にっこり笑って言いました。
「大丈夫だよ。以前のように子ネコを呼んでごらん」
 心を読まれたテルは、ドキッとして何も言えずに立ちすくんでいました。
 そんなテルをみたタビが「にゃおーん」と一声。すると、テル以外のネコが呼んでも決して集まることのなかった子ネコたちが、境内の下や植え込みの中などいたるところから、ぞくぞくと集まってきました。その数は、ネコじゃらしを見物にきたネコよりも多いくらいです。
 その中には、いつか、金色のネコじゃらしに触れようとして、テルに追い返された子ネコの姿も見えました。テルは、何だか嬉しくなって、子ネコに向かって、にっこりと微笑みかけました。そして、以前と変わらない優しい口調で、子ネコたちに話しかけました。
「みんな、今日はネコじゃらしで遊ぼうか?」
 そして、テルはくわえている金色のネコじゃらしをポーンと子ネコが遊びやすい広い場所に放りました。子ネコは、びっくりして、テルの顔を見つめていましたが、そのうち、ネコじゃらしの方に駆け寄っていき、みんなで奪い合うようにじゃれつきました。
 ネコじゃらしは、数分ですっかりぼろぼろになってしまいましたが、テルはすごく満足そうです。ネコじゃらしがなくなると、今度は、子ネコたちの中に入って、自分のしっぽにじゃれつかせたり、子ネコたちに乗っかられたりして、もみくちゃにされています。なんだか、とても楽しそうです。
 そんな、テルの姿を見て、タビがやさしく声をかけました。
「楽しそうだね」
 テルは子ネコにもみくちゃくされながら言いました。
「うん、こんな楽しい気持ちになれたのは久しぶりだよ」
 そう言いながら子ネコたちと遊んでいるテルの肩ごしに、タビはぼろぼろになった金色のネコじゃらしを見つけました。
「すっかり、ぼろぼろになってしまったね。金色のネコじゃらし」
 このタビの問いかけに、テルは、ちょっと照れたように口元に笑みを浮かべながら答えました。
「うん、子ネコたちがすごく楽しそうに遊んでくれたよ」
 タビは、テルのその言葉を聞くと、再びひょいと境内に飛び乗りました。そして、テルのほうに振り返り、にっこりと笑うとゆっくりと去っていきました。
(おわり)
作者・たっちーから:何かにとらわれていると、新しいものを手にすることはできません。あなたにとっての金色のネコじゃらしはなんでしょう? 続けていても虚しくなるだけの関係、終わってしまった恋…。ポーンと放り投げて、新しい何かを掴みませんか? 春ですしね!
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トラネコのテルと金色のネコじゃらし3

2006年04月19日 | ネコの寓話
 テルの金色のネコじゃらしは、すっかり有名になり、遠くに住むネコも見物に来ました。しかし、みんな、見ることはできても、触ることも、匂いを嗅ぐこともできないネコじゃらしに次第に興味がなくなっていきました。そして、少しずつ見物に来るネコが減っていき、1週間もすると、だれもテルの金色のネコじゃらしを見に来なくなってしまいました。
 それに、しょせんはネコじゃらし。日を追うごとに、色褪せてきていたのです。ネコじゃらしだけではありません。テルを覆っているきれいなトラ模様も、薄汚れてしまっています。
「最近は黄色にしかみえないし、ただ眺めるだけのネコじゃらしなんてつまらないよ」
 ネコたちは、こんなふうに噂をしあっていました。
 今では、だれも寄り付かなくなってしまいました。それでも、テルは依然としてネコじゃらしをくわえたまま、お寺の軒下から動こうとはしないため、すっかり痩せてしまっています。
 だれも、テルのネコじゃらしを見に来なくなってから、2~3日ほどたったころでしょうか。テルのいる軒下から数メートル離れた日当たりのいい場所を見つけ、ごろんと横になるネコがいました。真っ白い毛に、足の先としっぽの先だけにグレーの毛の生えたネコ。タビです。
「君も、この綺麗なネコじゃらしを見にきたのかい?」
 テルがそう声をかけると、タビは横になったまま、ごろんとテルの方に向きを変えました。テルは、しばらくぶりに金色のネコじゃらしを自慢できることが、嬉しくてたまらないようです。その声を聞いたタビは、ゆっくりとテルに歩み寄って、ネコじゃらしに触れようとしました。
 テルは、いつものようにタビの手をひょいと躱して、ちょっと意地悪く言いました。
「ダメ、ダメ。見るだけだよ」
 テルは、久しぶりに「ダメ。ダメ」と言えたことが嬉しくて仕方ありません。興奮して話を続けます。
「君だけに教えてあげるけど、このネコじゃらしは、1丁目の空き地の奥のほうに1本だけ生えていたのを見つけたんだ。これは、みんなには内緒だよ」
 テルは、久しぶりの見物客にとっておきの話をしたつもりでしたが、タビは「ふーん」と言って、大きなアクビをひとつ。そして、もとの位置に戻ると、ごろんと横になって後ろ足で首のあたりを掻いています。もう、ネコじゃらしへの興味はすっかりなくなっているようです。
 でも、テルは、タビのことはお構い無しに話を続けます。
「どうだい。君も、この素敵なネコじゃらしが羨ましいだろう?」
 タビは何も言わずに首の辺りを後ろ足で掻き続けています。
「興味のない不利をしてるけど、僕からこのネコじゃらし奪うつもりなんだろう。そうはいかないよ。このネコじゃらしは、僕がいつも肌身離さずもっているんだからね」
 タビは怒ったような口調でそう言ったテルのほうに向き直り、スクッと立ち上がって言いました。
「ところで、君は何のためにネコじゃらし採りに行ったんだい?」
 テルは、タビの質問に何と答えて良いか分からずに戸惑った目で、タビを見つめています。
(つづく)
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