突然ですが、先日、仙台市若林区の「少林(わかばやし)神社」で
「猫塚古墳ねこまつり」が開催されたそうです。
猫の着ぐるみを着た人、猫耳をつけた子どもたちなど、多くの市民らが猫に扮して祭りに参加。さらにフリーマーケット、猫グッズの販売、市民から募集した猫の写真やイラストなどの展示、猫石や猫灯ろう、猫折り紙、猫耳作りなどのワークショップも開催されたとのこと。
とっても楽しそうなお祭りではありますが、なんで猫? しかも猫塚古墳って? と不思議に思われる方も少なくないでしょう。実はこのお祭り、地元に伝わるある伝説を多くの人に知ってもらいたいという思いから開催されたものなんです。
その伝説とは…(以下、日本昔話の市原悦子さん風に)。
むかーし、むかし、あるところにお侍さんの夫婦に飼われているにゃんこがおったそうな。
奥さんはにゃんこをことのほか可愛がり、大事に育てておったんじゃ。
にゃんこもそんな優しい奥さんが大好きで、幸せに暮らしておったんじゃ。
しかしある日を境に、にゃんこの様子がおかしくなったんじゃ。
奥さんにまとわつき、片時も離れなくなったんじゃ。しかも時折、「シャー」と威嚇する始末。奥さんもどうしたもんかと、困り果ててしまったんじゃ。
そんなある日、奥さんがトイレに行くときに邪魔するように立ちはだかり、これまで以上に激しく威嚇を始めたんじゃ。その様子を見ていたお侍のご亭主は「にゃんこの分際で不届きなヤツめ」と一刀のもとににゃんこの首をはねてしまったんじゃ。
すると、はねられたにゃんこの首はトイレの天井に向かって一直線。天井を破ったかと思うと、そこに潜んでいた大蛇の喉にがぶりと咬みついた。大蛇は、にゃんこの捨て身の攻撃をまともに受けてあっけなく息絶えたんじゃ。
そう。にゃんこがこれまで奥さんにまとわりついていたのは、大蛇から奥さんを守るためだったんじゃ。
奥さんが泣きながら抱き上げた、亡骸となったにゃんこの顔は奥さんの無事を確認して微笑んでいるようだったそうじゃ。
ご亭主は自分の行為を痛く反省し「こんな、飼い主思いのにゃんこを粗末に葬るわけにはいかない」と、猫塚古墳を建設。大切に葬ったんだそうじゃ。
めでたし、めでたし…。
とまぁ、
こんなお感じのお話です。大蛇を埋めた塚もあったとの説もありますが、詳細は不明。ネットで検索すると、同様の話しで「奥さん」が「娘」になっているバージョンもあります。さらに、伝説が伝わる地域も東北の広範囲に及んでいる模様です。いずれにしろ、かなり昔から猫が人間にとって、いわゆる愛玩動物以上の存在だったことをうかがわせる伝説です。
ちなみに今回の写真は、たっちーの布団を占領する小さい猫(西子)、大きい猫(キジロウ)、とっても大きい猫(パートナー)。それぞれ僕にまとわりついていますが、何かから守ってくれるためではなさそうです。