「弱さに寄り添う」 ルカによる福音書 9章46~48節
弟子たちは、誰が一番偉いのかと論じ合っていました。偉いという言葉には、教える知識が豊富であるとか、権威を持っているとか、様々な人間的な思いがあったのだろうと思います。イエスさんは、そんな弟子たちの心の内を見抜き、社会で弱い立場にある子どもの手を取り、ご自分の側に立たせて、この子どもこそ一番偉いのであると教えられました。
人は、どの時代でも偉さを求めているように思います。それは、権力やお金を手にすることでもありました。しかし、そのような生き方は、弱い立場にある人たちを更に弱くするものでしかありません。イエスさんは、人が偉くなりたいと思えば思うほど、権力や富に対する誘惑や、人に対する思いやりを忘れてしまい、その人の人間性が失われてしまうことをご存じでした。
弱い立場にあるとしか思えない小さな子どもを、社会で一番偉い人と見ることができ、弱さに寄り添いながら生きることができるなら、それはイエスさんの愛の教えに溢れた素晴らしい生き方に他なりません。勝ち組とか、負け組とか、そんな考え方に縛られて心まで貧しく生きるより、弱い立場の人たちが尊ばれることが素晴らしいと受け止め、イエスさんの愛の教えに生きるのかどうかが問われているのだろうと思います。