旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

留萌本線・夕張支線そして小幌駅(2)~下り留萌線

2015-09-27 13:06:48 | 留萌本線・夕張支線そして小幌駅
留萌本線は、北海道深川市の深川駅から留萌市の留萌駅を経て、増毛郡増毛町の増毛駅を結ぶ66.8kmの路線です。「本線」を名乗るJR線の中では、66.1kmの筑豊本線に次いで2番目に短い路線です。
 すべて普通列車で、深川駅から終点増毛駅への下り列車は6本(内1本は休日運休)、途中の留萌駅までは2本。増毛駅からの上り列車は6本、留萌駅からは3本。そのほか増毛駅発留萌行が1本(休日運休)です。


 事前に調べた情報では、今度乗る列車は2両編成ですが1両は留萌駅で切り離す回送車輌で乗ることができないとのことです。
 10時40分にはすでに並んでいる人が見えたので、ホームに向かいました。




 増毛駅までは進行方向左、山側に席を取りました。
 この列車の止まる駅とその時刻は次のとおりです。
 留萌本線 普通 増毛行
深川        11:08発   
北一已       11:12着 11:12発   
秩父別       11:17着 11:18発   
北秩父別       レ   
石狩沼田      11:23着 11:23発   
真布        11:27着 11:27発   
恵比島       11:31着 11:31発   
峠下        11:39着 11:40発   
幌糠        11:46着 11:46発   
藤山        11:52着 11:52発   
大和田       11:57着 11:57発   
留萌        12:04着 12:14発   
瀬越        12:17着 12:18発   
礼受        12:23着 12:23発   
阿分        12:25着 12:26発   
信砂        12:30着 12:30発   
舎熊        12:32着 12:32発   
朱文別       12:34着 12:35発   
箸別        12:37着 12:38発   
増毛        12:44着  


1両の車両は深川駅を満席状態で発車しました。
 深川からは札幌のほうに向かって出発し、函館本線と分かれ右に大きくカーブして田んぼの中を進みます。




 最初の停車駅は北一已駅。「已」は「己」でも「巳」でもありません。開業当初は「きたいちゃん」その後平成9年に「きたいちやん」に読みが変わりましたが、地元では「いっちゃん」と読んでいるようです。
 昭和30年の開業当時からの建物で、深川駅側のホームから見ると窓もなく駅舎とは思えませんでした。


 高速道路と交差し、北海道とは思えないほどの田園風景が続きます。


 左に「秩父別温泉 ちっぷ・ゆう&ゆ」の看板と、道の駅「鐘のなるまち・ちっぷべつ」にある開基百年記念塔が見えてくると、まもなく秩父別駅に到着します。


 開業当時の名を筑紫(ちくし)駅と言います。どちらもアイヌ語のチクシペツ(我ら通る川)、に由来するそうですが、改名当時の村名をとって秩父別(ちっぷべつ)駅としたそうです。


 次の北秩父別駅は通過。雨竜川を渡ると間もなく石狩沼田駅です。


 ここは、昭和47年6月までは、札幌市桑園駅とを結ぶ札沼線の接続駅でした。
 北海道の駅名の多くはアイヌ語に由来するものが多いのですが、入植地や開拓地では地域の貢献した人の名字から付けるところも多く、ここもその一つです。
 明治43年の開業当時、駅ができたところが小樽の米移入業者「沼田喜三郎」所有の農場だったので「沼田駅」となったそうですが、大正13年に上越線に「沼田駅」が開業したのでこちらを「石狩沼田駅」と改称したそうです。


 石狩沼田駅を出た列車は市街地を過ぎると再びきれいに区画された田園の中をほぼまっすぐに進みます。


 次の真布駅は元々仮乗降場として作られ、国鉄からJRに民営化されたとき駅に昇格したところです。そのため一両分の板張りホームと木造の待合室だけがある駅です。

 
 次は恵比島駅です。ここは、平成11年NHK連続テレビ小説「すずらん」のロケ地となり、恵比島駅は明日萌駅として登場したところです。
 左側が駅舎で、貨車駅をだったことが覆っている板の隙間から知ることができます。


 右側の建物は、ドラマのために作られた木造駅舎「明日萌駅」。窓際には振り向いた姿の人形が置かれています。


 恵比島駅を出ると山の中の雰囲気になって峠を越え、さらに下ります。




 付いた名前が、峠下駅。


 峠下駅を出るとまもなく国道233号沿いに進みます。


 この後、幌糠駅、藤山駅、大和田駅を通り、住宅街が見えてきて留萌川を渡ると留萌駅に到着します。


 留萌駅はかつて幌延とを結ぶ羽幌線の始発駅でしたが、明治以降ニシン漁や炭鉱開発が盛んに行われたものの、昭和30年代にはニシンが姿を消し、炭鉱も閉山したため衰退し、昭和58年に廃止されました。また、この留萌本線も来年度で留萌駅・増毛駅間が廃止され留萌駅が終着駅となる予定です。


 ここで回送車両が切り離され、12時15分発深川行となります。


 留萌駅を出て市街地を過ぎると、進行方向右手に日本海が見えてきて、国道231号に沿って集落が途切れることなく、16.7kmの間に7つの駅があるため、2、3分ごとに停車しながら終着増毛駅を目指します。山側に座っているので車窓については帰りの上り列車で紹介します。
 終着増毛駅。写真の通りホームが1本あるだけで、少し先で線路が途切れています。


 駅舎は大正10年の建築で、映画「駅・STATION」のロケ地となったところです。




 駅舎内にはかつての「そば処増毛駅」はなく、「孝子屋ぐるめ食品」が店を構えていました。


 駅前には、映画「駅・STATION」に「風待食堂」として登場した建物旧多田商店が観光案内所として残されているほか、昭和8年建築の木造3階建ての旧富田屋旅館もあり、一度はゆっくり訪れたい町です。




 つづく

留萌本線・夕張支線そして小幌駅(1)~急行はまなすで深川駅へ

2015-09-26 06:57:13 | 留萌本線・夕張支線そして小幌駅
 普通列車を中心にした旅を始めたきっかけになったのが、平成21年のシルバーウィークを利用しての『世界ジオパーク&シルバーウィーク洞爺湖』でしたでした。今年は6年振りのシルバーウィークということで、北海道・東日本パスを使って3泊4日の旅に出かけました。
 目的は、平成21年以来北海道各線を乗ってきましたが、まだ乗っていないのが留萌本線・石勝線夕張支線・富良野線・日高本線となったので、まずは留萌本線・石勝線夕張支線に乗ること、何度となく通っていていつかは途中下車したかった小幌駅を訪ねることでした。
 今回も、北海道・東日本パスを利用しての旅です。


 9月18日(金)小雨の中を、いつものとおり青い森鉄道普通 青森行で青森駅に向かいました。
野辺地      20:04着 20:04発
狩場沢      20:09着 20:09発
清水川      20:13着 20:14発  
小湊       20:18着 20:19発  
西平内      20:22着 20:22発  
浅虫温泉     20:28着 20:28発  
野内       20:33着 20:34発  
矢田前      20:36着 20:36発  
小柳       20:38着 20:39発  
東青森      20:41着 20:42発  
筒井       20:44着 20:45発  
青森       20:51着




 青森駅からは急行はまなすで札幌に向かいます。
 急行はまなすは通常、B寝台+B寝台+自由席+カーペットカー(指定席)+ドリームカー(指定席)+ドリームカー(指定席)+自由席の7両編成ですが、今日はB寝台+B寝台+B寝台+指定席+カーペットカー(指定席)+ドリームカー(指定席)+ドリームカー(指定席)+指定席+自由席+自由席+自由席に加え、自由席の次に回送車輌1両があり、12両という長い編成です。




 津軽線・海峡線・江差線・函館本線・室蘭本線・千歳線・函館本線経由 急行 はまなす 札幌行の停まる駅とその時刻は次のとおりです。
青森       22:18発
油川         レ
津軽宮田       レ
奥内         レ
左堰         レ
後潟         レ
中沢         レ
蓬田         レ
郷沢         レ
瀬辺地        レ
蟹田         レ
中小国        レ
津軽今別       レ
木古内        レ
札苅         レ
泉沢         レ
釜谷         レ
渡島当別       レ
茂辺地        レ
上磯         レ
清川口        レ
久根別        レ
東久根別       レ
七重浜        レ
五稜郭        レ
函館       00:44着 01:23発  
五稜郭        レ
桔梗         レ
大中山        レ
七飯         レ
大沼         レ
大沼公園       レ
赤井川        レ
駒ヶ岳        レ
東山         レ
姫川         レ
森          レ
桂川         レ
石谷         レ
本石倉        レ
石倉         レ
落部         レ
野田生        レ
山越         レ
八雲         レ
鷲ノ巣        レ
山崎         レ
黒岩         レ
北豊津        レ
国縫         レ
中ノ沢        レ
長万部      03:07着 03:08発  
静狩         レ
小幌         レ
礼文         レ
大岸         レ
豊浦         レ
洞爺         レ
有珠         レ
長和         レ
伊達紋別       レ
北舟岡        レ
稀府         レ
黄金         レ
崎守         レ
本輪西        レ
東室蘭      04:15着 04:17発  
鷲別         レ
幌別         レ
富浦         レ
登別         レ
虎杖浜        レ
竹浦         レ
北吉原        レ
萩野         レ
白老         レ
社台         レ
錦岡         レ
糸井         レ
青葉         レ
苫小牧      05:01着 05:01発 
沼ノ端        レ
植苗         レ
美々         レ
南千歳      05:24着 05:25発 
千歳       05:29着 05:30発
長都         レ
サッポロビール庭園  レ
恵庭         レ
恵み野        レ
島松         レ
北広島        レ
上野幌        レ
新札幌      05:55着 05:55発
平和         レ
白石         レ
苗穂         レ
札幌       06:07着

 発売当日に手配しても指定席しかとれなかったものが、昨日の朝までキャンセル待ちをした結果、上段でしたがB寝台を確保できました。










 このはまなすは、客車を使用して定期運行を行う唯一の夜行急行列車で、B寝台・カーペットカー・ドリームカー・自由席と多彩な編成で人気がありますが、平成28年3月の北海道新幹線開業に合わせて廃止されることが決まっています。
 そのため、多客期には今日のようにいつもより車両の数が多くなり、青森駅では機関車の先頭からの写真が撮りにくくなります。


 車内放送では、「自由席ご利用の方は、中の方にお詰めください」とのことですから、立っている方もいるようです。
 翌朝自由席車両に行ってみると、車内に立っている人はいませんでしたが、デッキに立っている人や通路で寝袋に入って寝ている人がいました。


 定刻札幌駅に到着しました。多くの人がホームに降り立ちました。


 間もなく運転終了となるはまなす。ヘッドマークの痛みも見えてきました。


 次の列車まで1時間近くあるので、駅構内で朝ご飯を食べることにしました。
 いつもなら駅弁を調達するところですが、6時半開店というのに行列が出来ている店があったので並びました。


 おにぎりと豚汁のモーニングサービスです。




 平成27年9月19日(土)。今日は増毛駅まで行って、そこから今日の宿泊地東牟婁イランを目指します。
 函館本線 普通 滝川行に乗ります。停まる駅とその時刻は次のとおりです。
札幌       07:01発 
苗穂       07:04着 07:04発   
白石       07:07着 07:08発   
厚別       07:11着 07:12発   
森林公園     07:14着 07:14発   
大麻       07:17着 07:17発   
野幌       07:20着 07:21発   
高砂       07:23着 07:23発   
江別       07:25着 07:26発   
豊幌       07:31着 07:31発   
幌向       07:34着 07:35発   
上幌向      07:39着 07:39発   
岩見沢      07:44着 07:56発   
峰延       08:02着 08:02発   
光珠内      08:06着 08:06発   
美唄       08:10着 08:10発   
茶志内      08:14着 08:15発   
奈井江      08:19着 08:20発   
豊沼       08:23着 08:24発   
砂川       08:27着 08:27発   
滝川       08:34着  


 乗る電車は、711系の赤い電車が廃車となり721系電車になって居ました。




 札幌駅を出発し、左手に苗穂工場を見て順調に進みます。


石狩川に架かる国道337号の斜張橋の美原大橋。滝川駅まで約1時間です。
 予報では雨が降るとのことでしたが、雲が厚いもののまだ降ってきません。


 途中岩見沢駅では、特急オホーツク1号網走行に先を譲るため12分間停車します。






 岩見沢駅構内にある岩見沢レールセンター、JR北海道で使用するレールの加工をするところで、青函トンネルのロングレールを製造したところです。
 建物は明治時代に建てられた、旧北海道炭礦鉄道の岩見沢工場材修場を使用していて、今でも社章の五稜星のマークを見ることができます。


 岩見沢発車後も雨は降らず順調に進みます。


 滝川駅に定刻に到着しました。


 滝川駅は、運行時間が日本一長い普通列車の始発駅でもあり、そのポスターが改札口横に貼ってありました。


 待合室にあった立ち食いそば屋さんは、7月1日で閉店していました。


 以前は薬局もあった待合室には、売店だけが残りました。
 その売店で、北海道新幹線どら焼きが売っていました。




 ここから列車を乗り継いで、留萌本線の始発駅である深川駅に向かいたいのですが、ここ滝川駅から深川駅方面に向かう列車は1日8本。次の列車は3時間25分後、11時55分までありません。
 その列車に乗ったのでは、今日中に東室蘭に着くことができないので、深川まではバスで移動することにします。
 バスターミナルは駅のすぐ側です。


 味付けジンギスカンを広く広めた「松尾ジンギスカン」は、ここ滝川が本店。


 乗車するバスは、空知中央バス 音江経由滝深線 深川市立病院前行です。時刻表に載っているバス停と時刻は次の通りです。
滝川ターミナル  09:10発
滝川農協前    09:15
滝川工業高校   09:19
屯田町西1    09:22
江部乙中央通   09:28
稲田       09:37
沖里河      09:46
音江       09:50
広里町1丁目   09:55
深川市立病院前  10:00

 すべての停留所は、車内に掲示されていました。






 雨粒が少し落ちてきた中、発車しました。


 発車して間もなくその雨も止み、前方が少し明るくなりました。


 北海道の道路は、ただただまっすぐ。


 ガソリン安売りのチェーン店「アサヒ商会」、青森県より5円も安い。


 音江町の住宅もまばらなところにある岡本珈琲店は、20年以上前からの珈琲豆焙煎のお店。


 石狩川を渡ると深川市街入ります。


 深川駅には終点の一つ前のバス停が便利ということで、「5条8番」で降りました。


 バスを降りてほんの少し戻り、交差点を曲がると目の前に深川駅が見えます。








いよいよ、留萌本線に乗ります。つづく。