MLBの凄さ

　MLBのレギュラーシーズンが昨日終った。
　明日からもうプレーオフが始まるのだ。
　いつも思うのだがMLBを日本野球が追い越せないのは、こういった
エンターテイメント性だと思う。
　私が衛星で見始めた頃はまだ26チームの2リーグ＆2地区制だった。
ところが93年にフロリダとコロラドが参入し28になったのをきっかけに
3地区制にして初めてワイルドカード制を導入した。
　3地区で最も勝率のいいチームとワイルドカードのチームを対戦させて
5試合中3勝した方の勝ちとする第1Rを作ったのだ。
　当初は勝率の悪いチームのホームで2連戦を行い残りは勝率のいい
チームのホームで最大3試合行っていた。ところが96年にドジャースが
このシステムを悪用したのだ。
　96年のナショナルリーグ西地区の2位は中部地区の1位より勝率が良く
2位でもワイルドカードでプレーオフ進出ができる事になっていた。
　ただドジャースは最後に9連戦あったのに対し2位のサンディエゴは6連戦、
疲労の残るドジャースは最後の3連戦をホームでサンディエゴ相手に行うの
だが初戦をバルデスで取ってプレーオフ進出を決めた。2戦目に野茂で勝つと
優勝が決まったのだが同点で降板し逆転負けを喫したのでサンディエゴも
プレーオフ進出を決め最終戦に勝った方が優勝という事でドジャースは中3日
でエースのラモン・マルティネスが登板するはずだったがドタキャンして
敗れサンディエゴの逆転優勝となった。
　理由は優勝すると1日しかない休養日がセントルイスへの移動で潰れ休めない、
そこで最強チームのアトランタ相手だがホームでスタートし運良く連勝すれば
一気にいけると踏んだのだ。どちらにしろリーグ優勝決定戦で戦わないと
いけないし、その場合敵地スタートで4勝しないといけない優勝決定戦より
ホームでスタートできて3勝でいい第1Rの方がいいというのが理由だ。
　ただしドジャースはマルティネス、バルデスで連敗し敵地の初戦でも野茂がKO
され95年に続いて3連敗で終ってしまった。
　そこでMLBは97年から第1Rの最初の2連戦を勝率のいいチームのホームで行い
次に勝率の悪いチームのホームで2連戦、仮に決着が着かない場合移動日なしで
第5戦を勝率のいいチームのホームに戻って行うようにした。
　こういうケースでも分かるようにワイルドカードのチームが徳をするシステムを
すぐに修正する凄さがMLBの特徴だ。
それ以外でも今年で言いえばレギュラーシーズンを10月1日できっちり終える事、
これはドーム球場ばかりが目立つ日本の方がやりやすそうだがドームが30チーム中
7チームのMLBの方がしっかり日程をこなせている。
　本当の強いチームが優勝できないまやかしの小手先だけのイベントでプレーオフを
導入しようとしている日本と雲泥の差だ。これはまず日本も最低20チームぐらいで
運営していかないとMLBとの差は開くばかりで選手の流出も止まらないだろう。
　12球団でもチームが多過ぎるという輩がいるが日本より国土の狭いオランダは
サッカーの1部リーグだけで18あるので心配はいらない。