亀田興毅の試合の判定に対する疑問

 11月29日に行われたWBCフライ級タイトルマッチで亀田興毅が、内藤
大助に判定勝ちして2階級制覇を達成した。

 意外だったのがジャッジ3人の採点。
 4R終了時点はイーブンが2人。
 これは想定の範囲内だったけど内藤が攻勢に出た5Rから 8Rまでの間に
差が縮まるどころか2ポイントが2人と、4ポイントが1人と広がってしまった。

 昨日ビデオで見直したが9R以降は亀田が取ったとも思われる内容だった
ので亀田の勝ちでも悪くないが、少なくとも あそこまで大差が付く内容では
ないと思った。

 亀田の世界戦は これで3度目だが、ランダエダとの1戦目に続いて‘?’と
思う採点になっている。

  まず06年8月のランダエダとの第1戦。

 1Rにダウンを喫した後に頭から突っ込むスタイルでランダエダをロープに
押し込むのだが、効果的なクリーンヒットは少なくランダエダのインサイド
から打たれる細かいパンチを浴びていた。

  これは坂田健史がロレンソ・パーラとの試合でパーラをロープに詰めて
連打を浴びせながら、時折効いてはいないがコツコツとヒットされるパンチに
ポイントが行ってしまった展開と似ている。

 だから亀田が坂田の、ランダエダがパーラの戦い方だったのでランダエダ
の勝ちと思っていたら亀田の手が上がったのだ。

 あれで亀田の勝ちなら坂田がパーラに勝ってもおかしくない。

  続いて7月に行われた粟生隆寛がロハスからタイトルを取られた WBC
フェザー級タイトルマッチで、ロハスがジャブを中心に効いてないがパンチを
出し続けたのに対し粟生は前に出ながら時折カウンターを放つ展開。 

 ここでも粟生が亀田、内藤がロハスの戦い方になったので途中採点では
内藤が有利かと思っていたけど意外にも亀田有利になっていて、
‘なぜ亀田の時だけ採点基準が違うのか?’と思ったのだ。

 WOWOWの世界戦を毎週見ていると粟生-ロハス戦の展開ならロハスの
大差判定勝ちというのは理解できる。
 ところが10月のデンカオーセンと亀田大毅の試合でも‘もう少し差がついて
いるか?’と思う内容にも拘わらずジャッジの1人はドローにしていた。 

 亀田が売り出したときに彼らが
‘最近のボクシングは判定基準が曖昧だから分かりづらいので、
KO勝ちのみを狙う。
 亀田とKOはセット’

などと言っていたのだが、皮肉にもKO勝ちのみを狙うという言葉とは裏腹な
試合振りが目立つ。

  まぁ次に予定されているポンサクレック戦で真価が問われるだろう。
 試合後には‘ラスベガス進出’や‘日本のパッキャオになる’などと言って
いたが今回の内藤戦を見た限り道は遠いと思えるのだが。

コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )
« ラフレイアは... 何も12月に拘... »
 
コメント
 
 
 
私の見解は (吉法師)
2009-12-02 05:02:04
今回の内藤vs亀田の試合は、生放送と録画で2回見ました。最初はTV映像にラジオの川島郭志の解説で、ただし画面はワンセグの小さな画面、2回目は通常のTVで録画した物を、です。言える事は、今回は興毅の勝ちは確か、しかし117-111は無いだろう、でした。
こーじさんが問題にしていた5~8Rの採点ですが、最穂の印象では内藤が5、7、8の3Rは取ったかな?と思いました(ラジオ解説の川島もそういう論調でしたが)が、もう一度大きい画面でじっくり見てみると、たしかに内藤が攻勢を仕掛けているのですが、パンチの精度が今一つで、クリーンヒットが意外に少ない上に、打ち終わった所で、亀田の左ショートをかなり喰らっており、おそらくリング下から見るジャッジの場所からはその様子がもっと良く見えていたのではないか?と思います。私の5~8Rの採点は内藤が取ったのは7Rのみ、残りの5、6、8の3Rは亀田が取っていました。トータルでは内藤が取ったのは3、4、7、10、12の5Rで、亀田が取ったのは1、2、5、6、8、9、11の7R、それぞれ10-9で割り振ると115-113で亀田の勝ちになりました。
116-112をつけた2人のジャッジはまだ頷ける範囲ですが、117-111をつけたジャッジは1、2Rと12R以外はすべて亀田にポイントを振っており、正直?と首をかしげる判定に思えました。

今回は亀田の勝ちには違いないのですが、私やこーじさんも含めて多くのファンが釈然としない思いを拭いきれないのは、亀田が今回行った挑戦者らしからぬカウンターオンリーの「待ちのボクシング」にあると思います。
今回ラジオの解説を担当した川島郭志も、王者ブエノに挑戦した試合の時などはテクニシャンの看板をかなぐり捨てて、終盤の3Rは終始攻勢を仕掛け、11Rにブエノからダウンまで奪って誰もが納得する王座奪取を見せてくれましたし、徳山や長谷川や西岡も挑戦者の時には「攻撃を仕掛けて相手を打倒して勝つ姿勢」を存分に見せてくれました。
それに比べると、今回の亀田興毅の戦い振りは、それまでの威勢の良い大口叩きに反比例した「老成した狡賢い、挑戦者の姿勢がいささか物足りない」ボクシングだったと思います。確かに勝つ事は勝ったが、まだほんとうに世界王者たるにふさわしい「強い相手を打倒して勝つ」姿は、世界王者クラスの相手には見せる事が出来てない。私も含めて「アンチ亀田」の彼ら一家を見る目を変えさせるには、まだまだ証明しなければならない物は沢山残っている、私はそう考えます。

日本のパッキアオになる?本当にパッキアオのボクシングのなんたるかを把握できた上でそう思っているのか?どんな相手にも好戦的に、しかもサウスポーの利を最大限に生かす見事なファイトを見せるパッキアオと、現在の亀田興毅では「月とスッポン」以上の違いがあるんじゃないでしょうか。
 
 
 
なんどもいうけど (屯田兵)
2009-12-02 06:09:07
採点基準はあってないようなもんだ

戸高対サラテの戸高の勝ちにした韓国人や

小堀の試合1点差もいれば10点差もいた


ある会長みたいに試合前審判に鼻薬嗅がせておけば


なるようになるんじゃないの(聞いた話ですけど)


日曜で日本のボクシングは死にました




 
 
 
書き込み御礼&レス (こーじ)
2009-12-03 00:05:25
>吉法師様
 なるほど、そういう見方もありますか。
 ただ内藤としてはポイントを取っていたつもりが8R終了時点で負けているとなって焦り、更に点差が開いたのが分かりますね。 
 
 どうも亀田の言う事と、やっている事が正反対なのが不満ですし、これでポンサクレックに勝てるとは思えないのですよね。

 あのボクシングでラスベガスに進出してもダメでしょう。

>屯田兵様
 判定基準が違うのは仕方ないけど、せめてジャッジそれぞれの採点傾向を公表したほうがいいかもしれませんね。
 それにしてもポンサクレック戦が楽しみで仕方ないのですけど。
 
 
 
やるかわかりませんよ (屯田兵)
2009-12-03 17:14:02
エドカルソーサとやりたいとか・・・いやもうボクシングであーだらこうーだら言うの辞めたんだ
 
 
 
また‘やるやる詐欺’ですかね (こーじ)
2009-12-04 00:07:24
>屯田兵様
 エドガル・ソーサは06年3月に対戦が決まっていて逃げた相手ですよね。
 ポンサクレック戦を逃げる口実かもしれませんね。
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。