ゴジラvsビオランテを見てから20年

 今から20年前の昨日89年12月18日はゴジラvsビオランテを見に行った
日である。
 ちょうど3週間前に車の免許を取ったばかりの頃で、車で隣町の映画館
まで見に行ったのだ。

 84年に復活したゴジラは福岡での修行時代だったけど、今回の場合は
田舎の映画館という事で大人1人が入るのは ちょっとした勇気がいるが、
実際に入るときは‘ゴジラでいいのですね’ と係りの人から言われたのを
覚えている。

  84年以来5年ぶりに見るゴジラは最高だった。

 84年の作品で三原山の火口に落ちたゴジラが復活し自衛隊と壮絶な攻防
戦を繰り広げるのだが、これが意外に面白かった。
 特にスーパーXⅡのファイヤーミラーでゴジラの熱線を収束し増幅して撃ち
返す戦法は地球防衛軍のマーカライトファーブを髣髴させ鳥肌モノだった。

 キャストも帝都物語で幸田露伴を演じた高橋幸治がビオランテを作って
しまう遺伝子工学の世界的権威・白神博士として出演していたが、この役
こそ故・平田昭彦が生きていたら演じたのではないだろうかと
思い
ながら見ていた。

  主役の三田村邦彦が演じる桐島一人は生命工学研究所の研究員だが、
抗核エネルギーバクテリアを取り戻す為に権藤と奔走するだけでなく白神を
射殺したSSS9を追って格闘したりと大活躍。
 さすがに かんざしでSSS9を仕留める事はなかったが・・・・・

 また自衛隊員でも高嶋政伸演じるエリートの黒木特佐と峰岸徹演じる現場
叩き上げの権藤一佐の対照的なキャラが輝き、特に大阪のツイン21で
ゴジラに抗核バクテリア弾を撃ち込んだ後に口内にも撃ち込み

‘薬は注射より飲むに限るぜゴジラさん’というセリフは出色だった。

 とはいえ直後にゴジラから破壊されたツイン21の崩落に巻き込まれて戦死
するのだが・・・・・

  水爆の影響で目覚めたというのが第1作のゴジラだが、平成に入り遺伝子
工学や科学も人類の脅威になると予見してのビオランテだろうと思っていた。
 やはりゴジラには一本筋の通ったテーマがある方が面白い。

  音楽もドラクエで有名な すぎやまこういちのBGMも悪くなかったし時折
挿入される伊福部昭のテーマも使われるツボをしっかり押させていて嬉し
かった。

  どうしてもビオランテは植物怪獣という事でゴジラとの派手なアクションは
難しいからか、自衛隊との絡みの方が多いけど やはり人間が対ゴジラでは
主役にならなければと思っていたので違和感はなかった。

  ただし我々大人が見て面白い作品も子供が見るには難しかったようで、
次回からキングギドラやモスラなど昭和ゴジラのライバル達が復活する
ようになった。

 それ自体は悪くないし興行的には成功したようだが、平成ゴジラならではの
オリジナリティが失われた感が強い。
 だからこそゴジラvsビオランテは突出した輝きを見せるのだと思う。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
« やった!長谷... 過酷な減量は... »
 
コメント
 
 
 
不幸な出生の分身同士 (A-chan)
2019-11-27 00:18:23
こんばんは。
平成ゴジラのVSシリーズの中でも名作の誉れ高き「ゴジラVSビオランテ」。ビオランテはゴジラ細胞を組み込まれたバラが変異して生まれた植物怪獣ですが、何故か自分の分身であるゴジラと敵対し激しい戦いを繰り広げます。
普通のバラだった頃、彼女(?)は体内に宿した白神博士の娘・英理加さんの心から「バラの中に閉じ込められた悲しみ」を感じ、自己満足の為にこのような非道を行った白神博士に反発して押し黙ったままでしたが、更にゴジラの心が入った時には、彼が「人間から受けた酷い仕打ち」を感じ、そのまま人間に対して敵意を抱く凶暴な怪獣へと変貌していきます。
(ビオランテが泣いていたのは、英理加さんよりもゴジラの事を悲しんでの事でしょう)

ゴジラと敵対するビオランテですが、両者の戦いは敵意からでは無く「不幸な出生」をした身である互いを滅ぼし合う為の戦いだったように思います。双方共倒れが望ましかったのかもしれませんが、もしどちらかが生き残れば黒木特佐の言う通り「人間の敵」になっていた事でしょう。
ビオランテの暴走を感じた英理加さんは親友である明日香さんに助けを求めますが、ビオランテに封印されてしまいます。でも、ビオランテが戦いで瀕死になったのと父・白神博士の声が届いたのとで再び出てくる事ができました。
最後の「ありがとう」の言葉は、ビオランテと英理加さん両方のものだと思います。ビオランテは自分を滅ぼしてくれたゴジラに、英理加さんは科学を弄ばないと誓ってくれた父に対して(すぐ後に悲劇が起きますけど)。

瀕死のゴジラ細胞を排出したビオランテは、宇宙のどこかできれいなバラに生まれ変わり、英理加さんと共に地球を見守り続けているものと思われますが、排出されたゴジラ細胞が新たな敵を生み出したかもしれないと思うと複雑な気持ちですね。
 
 
 
ラストの描写は (こーじ)
2019-11-27 23:37:04
>A-chan様 
 ラストでバラが宇宙空間で地球を見守るというシーンは、まさしく言われたようなイメージですね。

 白神博士と英理加は特撮作品でよくある天才科学者と娘の関係で、メカゴジラの逆襲の真船父娘を髣髴させますが実際に言われる通り英理加の意志がゴジラ細胞に取り込まれて行く形でしょうね。

 こうしてみるとVSビオランテは平成ゴジラの中では相当な名作と言っていいでしょう。

 コチラの方面の作品をもっと作って欲しいとも思いますよね。
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。