7月に入り中学や高校では1学期末テストが終わる時期だが、テスト前になって
慌てて試験勉強に励む我々に向かって先生は‘日頃まともに勉強してないから
テスト前になって一夜漬けなど慌てて勉強しないといけなくなる’と よく言って
いた。
テスト前に集中して勉強しても本当の実力は付かないし日頃の勉強が大事と
いう事なのだが、実はスポーツの世界でも同じ。
アトランタ五輪から北京を除いて五輪出場を逃し続けている男子バレーと、
アトランタ五輪とフランスW杯から共に出場を続けているサッカーを比べると
見事にピッタリと嵌るのだ。
フランスW杯では日本は第3代表決定戦でイランに延長Vゴール勝ちして辛う
じて出場権を獲得したのだが、今にして思えばレベルの低いアジア予選を
やっとの思いで突破したチームだから3戦全敗は想定の範囲内だった。
ところが4大会連続となった10南アフリカW杯では海外開催のW杯で初めて
グループステージを突破しているのだが、12年前と違ったのは本田圭佑・松井
大輔・長谷部誠らヨーロッパでプレーする選手がいて彼らの活躍なくしては2勝
を挙げる事は不可能だったと言っていい。
南アフリカW杯終了後に長友佑都らがインテル・ミラノなど海外のビッグクラブに
移籍する事によって代表のレベルが更に上がり6月のW杯アジア最終予選では
先発11人中8人がヨーロッパのクラブでプレーするようになって更なるレベル
アップをしている。
サッカー界が海外のクラブへの移籍を推奨しているのに対しバレーは その
逆で、先日のロンドン五輪予選でも なぜか海外でプレーしている越川などが
選出されず国内組のみに拘る姿勢が目に付く。
男子バレー最大の成功例である72ミュンヘン五輪の金メダルは64東京五輪
後に松平康孝監督が8カ年計画を立てて迎えた最終年での集大成で、それ
以降急激に力を落として行ったのが分かる。
コンビネーションバレーを標榜する日本では常に代表で集まり同じメンバーが
阿吽の呼吸でプレーする事によりコンビネーションが深まってミュンヘン五輪の
金メダルという成功につながったのは分かる。
ただし それで成功できたのはバレーがアマチュアだった時代で代表チームを
恒常的に組んで活動し強化していたのだが、プロ化が進んだ現在は それも
ままならないだろう。
だから日本代表は長年代表は国内組に限定というシステムだったのだろうが
普段プレーしている国内リーグのレベルが低ければ何もならないし、選手個人の
スキルアップもできないのは当然だ。
特に男子バレーは現状を維持してもレベルが下がる事はあっても上がる事は
ないと断定できるのだから、これまでの成功したやり方を捨てる勇気を持って
代表の半分以上は海外のプロリーグでプレーさせるべきだろう。
ぬるま湯の国内リーグで代表選手全員がプレーしている限りジリ貧は確実なの
だから。