昭和の世界戦連敗ストッパー・工藤政志に ついて

 昨日は井岡一翔の4階級制覇達成に沸いた日本のボクシング界だ
が、昭和の時代は今日6月20日に印象深い2つの世界戦が行われて
いた。

 1つは大場政夫が1位のオーランド・アモレスを迎えて1Rにダウ
ンを喫するものの2Rに倒し返し、5Rに集中攻撃で3度のダウンを
奪って逆転KO勝ちして4度目の防衛に成功したWBAフライ級タイ
トルマッチ。

 もう1つが今から40年前の今日、四日市市体育館で行われたWBA:
Jミドル級タイトルマッチで王者の工藤政志が4位マヌエル・ゴンサ
レスを12RKOで3度目の防衛に成功している。

 大場の話は有名なので敢えて40年前の今日行われた工藤の防衛戦
を扱ったわけだが、工藤はアマレス上がりでミドル級の日本王者で
1階級下げてJミドル級でエディ・ガソに挑戦する。

 当時の日本ボクシング界は唯一の世界王者・具志堅用高が孤塁を
守り続ける一方で日本の挑戦者達は世界挑戦16連敗の最中で工藤が
挑戦するガソも‘二流王者’と言われながら輪島功一、柴田賢治らの
日本ボクサー達からタイトルを守り続けていたのを消耗戦に持ち込
み2-1の判定勝ちで遂に連敗を止めていた。

 その後78年12月の朱虎との初防衛戦では煮え切らない感じの試合
の末に2-1の判定勝ち、3月のマヌエル・ゴンサレス相手の2度目の
防衛戦は相手の巧技に引っかかり際どい判定の末に2-0の判定勝ち
で2度目の防衛に成功していた。

 ただこの試合の判定は物議をかもし、4か月後の6月20日に再戦を
迎える形になった。

 3月の初戦に続いて一進一退の攻防で中盤からゴンサレスがペース
を握りポイントをピックアップし始めていた10Rの終了間際に工藤が
放ったジャブがカウンターになってヒットし、これでダメージを溜め
たゴンサレスは急激に失速すると11Rには工藤が猛攻すると12R開始
直後に何とか立ち上がったところにセコンドがタオル投入で12RTKO
となったのだ。

 テクニックではゴンサレスに分があったのだが工藤は持ち前のタ
フさと、精神力で押し切った工藤らしい試合展開での3度目の防衛
成功だった。

 ただし4度目の防衛戦の相手アユブ・カルレはさすがに強くアマ
チュア上がりのテクニックで圧倒されたのだが、驚異的なタフネス
で判定まで持ち込むなど素晴らしい根性の持ち主だった。

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