外国人監督について

　昨日終了した日本シリーズは北海道ファイターズが4勝1敗で
優勝し44年ぶりの日本一となった。
　注目すべきは昨年の千葉マリーンズに続いて外人監督のチーム
が優勝した事である。
　かつて外人監督のチームは優勝できないというジンクスがあった
実際04年まで外人監督のチームはリーグ優勝すらできてないのだ。
　ただ95年にバレンタイン監督のもと万年Ｂクラスだった千葉は
2位に躍進した事があった。当時GMだった広岡達郎やコーチ達と衝突
して1年でチームを去らざるを得なくなったバレンタインは帰国間際
「私のやってきた事が正しかった事が今年で証明された、来年この
やり方でいけば優勝できたのに」と言ったのに対し広岡は「そんな
事はない！ワシの言う通りにやっていれば今年既に優勝していた」と
反論した。
　翌96年にGMの傀儡監督である江尻が率いた千葉は故障者続出でガタ
ガタになり優勝どころか5位に沈んだ。しかもMLBに復帰したバレンタ
インはNYメッツの監督に就任し99年にプレーオフ進出、00年にはワイ
ルドカードからリーグ優勝を果たしているのだ。
　これでバレンタイン方式が正しいと証明され千葉サポーター達から
毎年バレンタイン待望論が起きた、そして04年に遂に復帰となった。
　いくらバレンタインが優秀な監督でも選手達はどんな野球をするか
分かりにくいので面食らう事も多く、シーズン前半は迷走した。
しかし後半になるとバレンタイン方式に慣れて猛然と追い上げ3位の
北海道と0,5ゲーム差の4位でプレーオフ進出を逃した。
　考えて見ると95年もシーズン前半はパッとしなかったが後半の追い
上げで2位に入っている。04年はまさしくそのパターンで翌05年には
2位だったもののプレーオフで勝ち進み日本シリーズでもタイガース
相手に4連勝で見事に優勝しアジアシリーズでも優勝したのだ。
　バレンタインやヒルマンをはじめ外人監督の特徴は選手をけなさない
広岡、森、野村といった教条的なタイプがいい監督という風潮の日本では
選手を誉める事は堕落させるという迷信があった。
　ところがイマドキの才能型の選手達は頭ごなしで押さえ付ける教条的な
タイプの監督を嫌がる。外人監督のもう１つの特徴は結果が全てと割り切る
事ができるし選手に怪我をさせない事を重要視する、だから才能型の選手は
外人監督のやり方を好むのだ。
　だから一概に言えないかもしれないが外人監督のチームはわりあい明るい
ムードのチームが多い、メジャーから復帰した新庄を取るべきと言ったのは
ヒルマンとバレンタインだったのは象徴的だろう。
　またアメリカのコーチや監督はマイナーリーグで結果を残さないと監督に
なれないのでしっかりコーチングの勉強をしている。自分の経験論のみで
高圧的な指導をしたがる無能コーチとはワケが違うのだ。
　Ｊリーグがそうなように、野球が更なるレベルアップを続けたいなら
これからも優秀な外人監督にどんどん来てもらうべきだろう。極端な話、
12球団中10チーム外人監督でも構わないと思うのだが。