ヘアサロンうつのみや・オーナーのスポーツやヒーローもの、雑談ネタを徒然なるままに
こーじ苑
怪獣使いと少年から40年
今から40年前の今日71年11月19日にOAされたのが帰ってきたウルトラ
マンの33話・怪獣使いと少年である。
ウルトラマンのウー編やセブンのノンマルト編など迫害される者を扱ったEPが
第1期でもあったが、迫害のシーンは このEPを置いて他にない。
田舎から出稼ぎに出たまま行方不明になった父親を探すために上京した
佐久間良少年が嵐の夜に怪獣ムルチから襲われていたところを地球の気候
風土を調べるためにやって来ていたメイツ星人から助けられたものの、その
星人と一緒に暮らしているうちに宇宙人呼ばわりされて迫害されていくという
子供番組にしては衝撃的な作品だった。
全編に亘って暗いトーンで話が進みラストのムルチとウルトラマンの戦いは
申し訳程度という形なのでMATで登場するのは郷以外は伊吹隊長とラストで
上野隊員が声のみの出演になっている。
メイツ星人は金山と名乗って地球の気候風土を調べていたのだが、ムルチに
襲われて死にかけていた良少年を助けて一緒に生活をしていたものの公害に
汚染された空気のため体が弱ったので良少年が星人の代わりに地中に
埋めた自らの宇宙船を探そうとしていた。
だが そのために周囲の人間から奇異に見られて宇宙人呼ばわりされ穴に
埋められて頭から泥水をかけられたり自転車で轢かれそうになったり、更には
星人のために調理していた お粥の鍋を引っくり返されたりと酷い仕打ちを
受ける。
事情を知った郷は少年と一緒に穴を掘り始めるが誤解された警官を含めた
一般市民からリンチに近い扱いを受けて引きずり回され、たまらず金山老人
の姿で星人は少年を庇うのだが恐怖に駆られた警官から射殺されてしまう。
実は星人の能力でムルチを封じ込めていたのだが、星人の死と共に封印
されていたムルチが出現し暴れ始める。
‘あんたMATだろう’
と助けを求める市民達に対し
‘悪いのは お前たち’と戦意喪失状態の郷の前に現れたのが托鉢僧の姿を
した隊長で‘街が大変な事になっている’と戦う事を促すのだった。
‘日本人は美しい花を作る手を持ちながら、
一旦その手に刃を握ると残酷極まりない行為をする事か’
という伊吹隊長のセリフが心に残る。
余談ながらウルトラマンメビウスで このEPの続編を意識した‘怪獣使いの
遺産’というEPがあったものの、違う人の作品だったので それなりに感慨
深いものがあったが このEPほどではなかった。
ただ不覚にも落涙してしまったのが金山老人と良少年が幸せそうに暮らして
いるシーンが流れた時で‘迫害され続けた この2人が こんなに幸せだった
のか’と思えたのもオリジナルのシーンがあまりにも悲惨だったから他なら
ない。
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異形のモノが、村人に石つぶてで追い払われるシーンなど、オマージュかと思いました。
考えてみると、人間って集団社会では、必ず「標的」を見つけていじめや、村八分、迫害の対象にしますね。
幸せって何なんだろう?
と、考えるいいきっかけとなります。
私も同意です。
やはり今のディレクターやプロデューサーが帰ってきたウルトラマンなどをリアルタイムで見た世代でしょうから、そういう演出が出ますよね。
‘オマエは そういう人間達をなぜ守るのか?’とメビウスでヤプールからいわれた事もありましたが、それに対して明確な答えを出したのが郷だったのも頷けますよ。