不運だった山本ジャパン

 北京五輪の開会式に先立って行われるサッカーだが、4年前のアテネ
では‘アテネ経由ドイツ行き’というキャッチコピーで五輪代表チームを
売り出していたが、最初の連敗で早々と敗退が決まり1勝2敗で終えて
しまった。
 こうなると‘谷間の世代’という言葉が、まことしやかに言われていたが
酷評されるほど悪いチームではなかったと思う。
 むしろシドニー組が凄すぎただけなのだ。

 不運の発端はオーバーエージ問題。
 山本監督はオーバーエージをGKと小野伸二・高原直泰を選ぶ。
 ブラジルを破ったパラグアイにヨーロッパ王者のイタリアと対戦する組み
合わせだけに23歳以下のみでは歯が立たない。
 そこで小野ー高原のホットラインを攻撃のベースに設定していた。
 ところが高原がエコノミー症候群の後遺症をクラブチームのドクターが
重要視して、日本のドクターはOKを出しているのに出場できなかった。
 一方の小野もクラブチームからギリギリまで召集を待たされ、合流した
のは親善試合のスケジュール終了後だから実戦でコンビネーションを合わ
せる事ができなかった。
 しかも予選でFWの柱にしていた平山相太が小野のパスに反応できず、
平山はイタリア戦の後半のみの起用になってしまった。
 こうして本番を迎えた山本ジャパンだったが、グループリーグ突破には
最低でも勝ち点4が必要だ。

 初戦のパラグアイ戦は最悪引き分けでもOKと思っていたら開始早々に
ミスから先制され、一旦追い付いたものの失点を重ねて 3-4で敗れる。
 ただ、それより驚いたのが日本と最下位争いをするのでは?と思われて
いたガーナがイタリア相手に残り15分まで2-0とリード。
 ブラックアフリカ特有の身体能力でイタリアを圧倒。
 イタリアは何とか追い付いて2-2で引き分けた。
 これは日本にとって最悪の展開だ。
 というのもイタリアが初戦をガーナ相手に勝てば日本戦は無理をせず
引き分けOKという。
 ところが初戦を まさかの引き分けだったので、残り2試合は勝ちに行か
ないといけない。
 果たしてイタリアは開始早々にたたみ掛け2-0とリードしてしまう。
 その後2-3まで追い上げたが追い付けず、連敗して敗退決定。
 もう1つのカード・パラグアイーガーナはガーナの猛攻をパラグアイが凌いでCKから先制。 ところが、それが呼び水になったようにガーナは、あっさり
と逆転して2-1で勝ち、ガーナが1勝1分でイタリアと並び勝ち点4。

 パラグアイは2試合終了で1勝1敗で勝ち点3だ。
 そして迎えたグループリーグ最終戦。
 ガーナ相手に大久保のゴールで1-0で勝ち、アテネ初勝利を挙げた。
 パラグアイがイタリアに勝って勝ち点が6。 イタリアは勝ち点4のままで終了したがガーナを日本が下したのでパラグアイとイタリアがベスト8進出を
決める。
 
 決勝トーナメントでも両チームは初戦を突破しイタリアが3位、パラグ
アイが2位に入ったのだった。
 ガーナにしてみれば痛恨の負けだったろう。

  パラグアイから3点、イタリアから2点を取ったのを見て ある意味
驚いた。
 DFは安定しているが、点が取れないというのが山本ジャパンだった。
 それが3試合で6点を挙げているのだ。
 DFが安定しなかったのはダブルボランチの1人・鈴木が小野の加入で
外れたため、予選ではDFラインと今野&鈴木のボランチは絶妙のコンビ
ネーションを見せていた。 それが小野が入ったおかげで鈴木が外れ、
DFラインとの役割分担が曖昧になってしまった。

 せめて小野が1試合でも親善試合で一緒にプレーしていたら、ここまで
コンビネーションのギャップを感じずに済んだだろう。 
 ホント大変なグループに入ってしまったのと、オーバーエージ問題など
でゴタゴタしチームが落ち着かなかったのが大きいと思う。    
 

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