ライオンズはブルペンの充実を

 今年のプロ野球はファイターズが11,5ゲーム差を逆転してリーグ
優勝しただけでなく、日本シリーズでもカープ相手に広島では連敗
スタートだったものの札幌での3連勝で勢い付き4勝2敗で10年
ぶりの日本一となった。

 これでファイターズは09年以降8年間で3度のリーグ優勝を果た
し、4度リーグ優勝しているホークスとパ・リーグの覇権を争ってい
る一方で寂しさを感じるのがライオンズの凋落である。

 08年に就任1年目の渡辺久信監督の下でリーグ優勝しただけでなく
日本シリーズでもジャイアンツ相手に王手をかけられながら東京ドー
ムで連勝して日本一に輝いて以来、リーグ優勝もないばかりか14年
から3年連続でCSすら逃しているのだ。

 08年に日本一に輝いた時には1番・片岡治大、2番・栗山巧、3番・
中島裕之、4番・中村剛也ら前途洋々たる若手選手が中心で来年以
降も強さは続くだろうと思われたのだが、翌09年にCSを逃すと
10年9月にマジック点灯まで行きながらホークスに福岡で3連敗
してから立て直せずに逆転優勝をさらわれると以降は優勝する雰囲
気がしなくなり ここ3年はCSすら逃す始末。

 その理由として巷では主力選手のFA流出や守備力の低下などが
語られているが、個人的には中村&中島の三遊間など中西太&豊田
泰光の往年の西鉄を髣髴させる大らかさを感じていたクチだ。

それらの要素に付け加えるとすれば中継ぎ&抑えのブルペン陣を
立て直せないままに来たという事になるのではないかと思う。

  08年当時の投手陣はエースの涌井秀章をはじめ帆足和幸、岸孝之
にベテランの西口文也や石井一久らがいたのに対しブルペンはクロ
ーザーのアレックス・グラマン以外は今ひとつで、日本シリーズは
王手をかけられたG6で4回途中から岸を投入して逃げ切るとG7
でも石井や涌井らを投入して逆転勝ちに結び付けた。

 しかし08年の日本一は‘いざという時には先発投手をリリーフ
に回せばいい’的な考えがフロントにできたのではないだろうか。

 実際に最近でも本来ローテで投げるはずの牧田和久や野上亮磨が
中継ぎとして起用されている場面があるなど、どうもローテに入れ
ない投手を中継ぎに使っている感覚なのだ。

 一方でホークスのブルペンの柱となっているデニス・サファテは
ライオンズに在籍していた時は今ひとつだったのだが、ホークスに
来てここまで活躍するとは思わなかったようにリリーフ投手を育成
するノウハウがないのかと思ってしまう。

 渡辺監督は現役時代 先発とリリーフの両方をやっていたわけだ
し、最後にホークスから逆転されて優勝を逃した10年にドラフト
1位で早稲田の大石達也を抽選で引き当てた時に大石が早稲田で
リリーフだったにも拘らず‘あれだけの投手だからリリーフより
も先発で使いたい'とインタビューで語っていたのを見ても‘リリー
フは先発できない投手のポジション’的な感覚ではないか。

 ただ最近の野球は1イニングだけきっちりと抑えられる投手が
必要不可欠で、中継ぎ&抑えには不調の先発が務めるのではなく
1イニングのスペシャリストのポジションになっている時代だか
らフロントまでが同じような考えでは困る。

 来シーズンからは辻初彦が監督に就任し‘守備を建て直し、か
つての緻密なスタイルの復活'を再建ポイントに挙げているのだが、
それプラス中継ぎ&抑えのスペシャリストを育成できる投手コーチ
の存在が不可欠ではないだろうか。

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