土屋嘉男‘まだ見ぬ未来に向かって’旅立つ

俳優の土屋嘉男さん死去

 今日のニュースで俳優の土屋嘉男が、2月に肺がんで亡くなって
いた事が報じられた。

 土屋嘉男といえば黒澤明監督作品の常連という事で黒澤組のメン
バーと一般には言われているが、我々の世代では何といっても東宝
特撮作品で宇宙人の演技を確立した人というイメージである。

 土屋氏の最初の特撮作品出演はゴジラの逆襲で小泉博演じる月岡
の日本海軍時代の同僚・田島隊員役だったし大怪獣バランでもバラ
ンを攻撃する勝本三佐、フランケンシュタイン対バラゴンでは第2
次大戦末期にフランケンシュタインの心臓を輸送した潜水艦に搭乗
していた河井大尉ら軍人役を演じている。

 しかしインパクトが強いのは地球防衛軍のミステリアン統領や、
怪獣大戦争のX星統制官にガス人間の水野など怪役を演じた時だ。

 そもそも日本の特撮作品最初の侵略モノである地球防衛軍では
ヘルメットを被りサングラスをして登場しているし、怪獣大戦争
でもサングラスをしているので素顔が目立たないわけだが独特の
宇宙語を話すなど印象深くミステリアンの統領とX星統制官を同
じ人物が演じているとは思わなかった。

 また宇宙大戦争ではナタール星人から操られる岩村隊員、怪獣
総進撃でもキラアク星人から操られる大谷博士を演じた姿は独特
でガス人間・水野同様に印象深いものがあった。

 だからゲゾラ・ガニメ・カメーバ決戦南海の大怪獣で宮恭一博
士役で出演していた時に謎の生命体から憑依されるのが佐原健二
演じる小畑だったのを見て役者が逆だろうと思ったし、ウルトラ
セブンのぺダン星人編で氏が演じる土田博士こそがぺダン星人の
スパイではないかと思ったくらいだ。

 ウルトラといえば帰ってきたウルトラマンで加藤隊長の後任・
伊吹竜隊長役を氏が演じる予定だったという話を聞いたのだが、
どちらかといえば隊長より星人の人間体役の方が合いそうでは
あったものの土屋隊長を見てみたかった気もする。

 こうして脇役ではあるもののインパクトの強い役が多かった
氏の特撮作品集体制がゴジラvsキングギドラではないか。

 84ゴジラ以来のシリーズで昭和ゴジラの名優達が出演している
中で土屋氏が演じた帝洋グループ総帥・新堂靖明は第2次大戦中
ラゴス島の守備隊長で玉砕寸前の所を後にゴジラになるゴジラザ
ウルスによって助けられ、復員してからは巨大コンツェルン・帝
洋グループを立ち上げ日本の復興に貢献するものの原子力潜水艦
を所有するなど‘危ない人物'と化していた。

 そしてゴジラを救世主として考えていた新堂は東京に侵攻した
ゴジラと目を合わせ万感の思いに浸るものの、ゴジラの熱線を受
けて爆死するわけだがゴジラと対峙する演技は忘れる事ができな
いしゴジラ映画史上に残るシーンだと思う。

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