ウルトラセブン36話・必殺の0、1秒は野長瀬三摩地監督の第1
期ウルトラのラストワークの一方、脚本を書いた山浦弘靖もこれが
ラストワークになる。
山浦弘靖のウルトラデビューはウルトラQで金城哲夫と組み異次
元怪獣トドラが登場する206便消滅すで次に野長瀬監督と組んだ海
底原人ラゴン、さらには飯島敏宏監督と組んだM1号編の3話を担
当してウルトラマンでは一旦降板した後にセブンで復帰。
セブンではブラコ星人編と今回のペガ星人編を担当しているわけ
だが、共に派手なセブンと星人の戦いから程遠いドラマ重視の内容
だったので低予算で賄えるタイプの山浦氏が起用されたのかもしれ
ない。
考えてみればQのトドラ編やラゴン編にM1号編の3話とも派手
な都市破壊シーンはなく、ラゴンやM1号は等身大キャラだったし
セブンに登場したブラコ星人やペガ星人も然り。
つまり氏の作品は濃厚な人間ドラマというのが売りのようでセブ
ン終了後はミラーマンの途中から参加し後半では最終回を担当する
などメインライターになったし、ジャンボーグAでも1話と最終回
を担当するメインライターだったわけで両番組のプロデューサーだ
った淡豊昭が濃厚な人間ドラマ志向だったので方向性が一致したの
だろう。
特にミラーマンでは鏡京太郎と死んだ父との話が秀悦な鏡の中の
墓場をはじめエネルギー時限爆弾の設定や、敵の挑発に乗りやすい
鏡京太郎やジャンボーグAの立花ナオキら血気盛んなキャラを生き
生き描いているのが特徴だ。
山浦氏はミラーマン大全の中で‘自分はドラマ派で、怪獣の話は
得意じゃなかった’と語っているのを聞くと納得するわけだが、特に
必殺の0、1秒などは氏の得意パターンの作品だったわけで山田正弘
とは対照的にウルトラマンではなくセブンの方が相性がよかったと
思えるのだ。