ウルトラセブン・哀惜のバラードに ついて

 ウルトラセブン37話・盗まれたウルトラアイで、印象的だった
劇伴が哀惜のバラード。

 劇版担当の冬木透BGM集では‘他人の星’とも名付けられてい
る曲で37話ではマヤが母星からの裏切りを知って絶望するシーンや、
ラストでダンがマヤへの思いを呟きながら繁華街を歩きながらナレ
ーションが流れるシーンで使われたのが印象的だ。

 もともとこの曲はメトロン星人編でアンヌの叔父さんが亡くなっ
たのを甥っ子に知らせるシーンや、叔父さんの事を回想するシーン
で使用されているのだから‘英雄の死’や‘ノンマルトのテーマ’
のように後半追加された劇伴ではない。

 基本的にダンの悲しみを表す時に使われブラコ星人編でアンヌ達
を救うため土星に飛ぶ決意を固めたりギエロン星獣編で‘血を吐き
ながら走り続ける悲しいマラソン’と言うシーンなどが印象深い一方、
アイロス星人編で行方不明になったクラタを心配するキリヤマやダ
リー編で松坂慶子演じる香織の命を救ってくれとアマギが懇願する
シーンなどが思い出される。

 ただナース偏でダンがワイルド星人の生命カメラに命を吸い取ら
れて死んだシーンでは‘葬送’という劇伴が使われるが、哀惜のバラ
ードが流れないのは最終的にダンが復活するからだろうか。

 この曲のインパクトが強かったからか帰ってきたウルトラマンを
含めた第2期ウルトラでも試用されテロチルス編でテロチルスが作
った銀の城が焼け落ちる時から始まり、何といってもナックル星人
から車で引きずり回された坂田アキが郷秀樹に看取られながら息を
引き取るシーンに流れるのが最も記憶に残っている。

 こういうシリーズを越えて使用された劇伴はノンマルト編のノン
マルトのテーマが第4惑星の悪夢でロボット長官に秘書のアリーが
叩かれるシーンや、帰ってきたウルトラマンのムルチ編で佐久間良
少年が虐められるシーンで試用されている。

 このように後のシリーズまで試用される劇伴が、次々にデビュー
したウルトラセブンは凄い作品だと改めて思うのだ。
 

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