脚本に左右されるオールスター映画

 先日BSプレミアムで史上最大の作戦がOAされたのを高校野球
交流戦と切り替えながら見たのだが、ノルマンディー上陸作戦を
描いた壮大な物語で他の映画で主役を張れるオールスターキャス
トでの作品だった。

 こういった作品は絶対に面白いと思っていたものの上映時間も
3時間近いなど冗長だし、やたらと場面が変わり過ぎて登場人物を
覚えるだけで大変な感じだったため最初に見た時は混乱したのだ
が今回も最後は誰が誰やら分からない状況だ。

 敵のドイツ軍の大将が眼下の敵のクルト・ユルゲンスでイギリ
ス軍にはリチャード・バートンや駆け出しのショーン・コネリー
らで、アメリカ軍に至ってはジョン・ウェインやロバート・ライ
アンにロバート・ミッチャムやヘンリー・フォンダまでいるのだ
から凄い。

 スケールは壮大なのだが登場人物が多過ぎてキャラの把握が難
しく、それゆえに出演時間が短い者もいるため後から見直さない
と分からないキャラまでがいるし最後もスッキリしない終わり方
となっていた。

 同じオールスターキャストでも大脱走ではスティーブ・マック
イーンをはじめチャールズ・ブロンソンにジェームズ・スチュア
ートヤドナルド・ブレザンスらのキャラが立っているし、バルジ
大作戦でもヘスラー大佐のロバート・ショウやガフィー軍曹のテ
リー・サラバスにジェームズ・マッカーサー演じるウェーバー中
尉とジョージ・モンゴメリー演じるデュケンス軍曹の対立など印
象深いキャラが多い。

 また邦画でも東宝の三船敏郎や大映の勝新太郎に東映の萬屋錦
之助、日活の石原裕次郎と浅丘ルリ子が共演した待ち伏せもオー
ルスターキャストと呼ばれ全員のキャラがしっかり立っているの
だから結局は史上最大の作戦は守備範囲を広げ過ぎたのかもしれ
ない。

 そういえば怪獣映画でのオースター映画だったのが昭和の怪獣
総進撃と平成のFINAL WARSがあるが、総進撃はバラゴンの着ぐる
みが間に合わずゴロザウルスになった関係でバラゴンとバランの
存在感が薄い以外はキャラを立たせているのに対しFINAL WARSは
登場怪獣のキャラが薄いという粗が目立つのも脚本家などの力量に
なるのかもしれない。

 

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (Bill McCreary)
2020-08-15 12:38:10
オールスター映画は、おのおのに見せ場を作らないといけないし、またセリフの量の調整も必要です。「タワーリング・インフェルノ」や「デビル」などは、マックイーンとニューマン、フォードとピットのセリフが同じであるように工夫がされました。

そういう意味で言うと、「大脱走」はほんと各人に見せ場を作っていますね。あれも脚本の奇跡みたいなものでしょう。

そういえば「新幹線大爆破」は、あれは高倉健と宇津井健を、うまく配分していたと思います。
 
 
 
そういえば (こーじ)
2020-08-15 23:27:01
>Bill McCreary様
 たしかにセリフの数は大事ですね。
 キャラを立たせるならセリフ数を同じにするのは必須になるのでしょうね。

 ケン・アナキン監督はバルジ大作戦を撮ってますけど、やはり史上最大の作戦は3人の監督が参加する大作ですからキャラの充実という面では厳しいものがありますよね。
 
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