特撮シーンが長過ぎるのも考えもの

　個人的に昭和ガメラシリーズの好きな作品でガメラ対バルゴンが
ある。

　昭和シリーズで唯一子供が登場しない作品だがバルゴンの卵＝オ
パールを探しに行ったメンバーの小野寺がジャングルで底なし沼に
嵌ってそれが原因で水虫になり、治療用の赤外線がバルゴンの卵に
長時間照射されたためバルゴン誕生が促進されるなど細かいディテ
ィールに拘ったストーリーは素晴らしくオパールを発見した途端に
独り占めしようとするなど人間の心の弱さが上手く描かれている。

　ところが対バルゴンの特技監督を務めた湯浅憲明監督らは不満だ
ったようで、バルゴンが出てくるまでが長すぎて子供の集中力が続
かない的な意見が出て子供たちを飽きさせない演出が最重点に置か
れたガメラ対ギャオスにつながったらしい。

　とはいえ正月に見たゴジラ対ガイガンは考えものだと思った。

　というのもMハンター星雲人の磁気テープに怪獣島のゴジラ達が
反応するのが開始20分で、キングギドラとガイガンが地球に侵入し
破壊活動を行い始めるのが折り返しにあたる45分。

　ここから40分以上キングギドラ&ガイガンペアが街を破壊し途中
からゴジラ&アンギラスペアと戦い続けるシーンが延々と続くわけ
で、子供心にも‘長いな～’と思うほどだったわけだから改めて見て
も長過ぎると実感するのだった。

　都市破壊シーンや防衛隊との攻防戦は他の作品からの流用シーン
が多く、キングギドラとアンギラスの絡みも怪獣総進撃のシーンが
使われるなど正しくパッチワーク作品というわけだ。

　こうしてみると特撮シーンが長過ぎても冗長になり子供ですら飽
きてくるし先述したように過去作品からの流用シーンがふんだんに
使用せざるを得ない事を考えると、ウルトラマンに制限時間を設け
るというのは理に適っていたのだなと改めて思うのだ。