ロンドン五輪で女子バレーで真鍋監督率いる日本は84ロス五輪以来28年
ぶりの銅メダルを獲得したのだが私の予想ではメダルは厳しいという予想だった
だけに、見事に期待を裏切ってくれた嬉しい誤算だった。
大会前にメダルが厳しいと予想した根拠は組み合わせが決まった時に世界
ランキングが3位だったものの、その根拠である10世界選手権3位や11W杯
4位というのが自国開催での成績だと割り引いて見ないといけないし世界選手
権とW杯ではアメリカ・ブラジルという世界ランキング1位と2位以外に中国や
ロシアにイタリアやセルビアといった国に負けている事を重視したのだった。
ご存知のように五輪は2つのグループに分けて予選リーグを戦うのだが幸い
にして3位だった日本はイタリア・ロシア以外は開催国のイギリスやアルジェリ
アという格下の国と組む事ができたので少なくとも4位以内に入ってベスト8
進出は確実だと考えた。
ただし もう1つのグループはアメリカ・ブラジルの2強に日本が相性の悪い
中国にセルビア、更に侮れないトルコと5月の最終予選で不覚を喫した韓国
までいるのだから少なくともグループで2位以内に入らないとベスト8でアメリカ
・ブラジルの2強と当たってしまう。
そして五輪が始まると勝ちを計算できるアルジェリア・ドミニカ・イギリスには
ストレート勝ちしたものの格上のイタリア・ロシアには1セットを取るのがやっと
で1-3で完敗して3位と過去2大会よりは順位を1つ上げたもののベスト8
ではグループBの2位との対戦となったのだ。
ここで日本に幸運だったのはグループBで波乱が起きブラジルがアメリカ戦は
ともかく韓国にストレート負けしただけでなく勝ったものの中国とトルコ相手に
フルセットに持ち込まれて勝ち点1を献上していたのだ。
更に日本が相性の悪いセルビアが5戦全敗で敗退したし、韓国が中国とトルコ
に敗れたもののフルセット負けだったので勝ち点2を加えたため2勝3敗ながら
勝ち点8で3勝しながら2試合がフルセット勝ちで勝ち点7のブラジルを上回り
3位通過した事。
これでベスト8の相手が本来ならブラジルだったはずが相性が悪いとはいえ
中国になったというのはラッキーだったかもしれない。
更にベスト8で これまた相性の悪いイタリアが韓国から3-1で敗れている
ので中国に勝った時点で、例えブラジルに敗れても韓国相手なら銅メダルの
希望があると考えたのだった。
実際 韓国にストレート勝ちしての銅メダル獲得だったのだが韓国が予選
リーグでブラジルに、ベスト8でイタリアに勝ってくれたのが最終的にメダルに
結びつくという流れになっていた。
とはいえ幸運は準備した者にしか掴めないという諺通り、鬼門のベスト8で
これまで勝利どころか1セットすら奪えなかった中国に最終セットでマッチポイ
ントを握られながらも逆転勝ちしたのがメダル獲得に結びついたのは言うまで
もない。
以前 沖縄の高校野球をレベルアップさせた元豊見城&沖縄水産監督の栽
弘義氏は‘番狂わせを起こそうとしたら神様が味方してくれないと勝てないけど、
神様は最も努力した者に味方してくれる’と語っていた。
それを考えると今回の女子バレーでメダルを獲得できたのは120%の準備
という努力に巡ってきた幸運を見事に生かしたという事だろう。