森保一の日本代表監督就任に思う

次期監督に森保氏＝任期４年、トルシエ氏以来の五輪と兼任―サッカー日本代表

　昨日サッカー日本代表の新監督に元日本代表で、広島の監督でも
あった森保一が五輪監督兼任という形で就任した。

　森保といえばハンス・オフト監督から日本代表に抜てきされ守備
的MFとして大活躍し‘オフトジャパンの心臓’とも言われた人で、
現役引退後は古巣・広島の監督としてリーグ優勝も経験させている
事から白羽の矢が立った。

　経営規模の小さな広島は毎年のように主力選手を引き抜かれなが
ら3度のJ1優勝を果たしているのだから、若手抜てきによる世代
交代を成し遂げつつ結果を残せる能力はあるはずで下手な外国人監
督を連れて来るよりもいいのではないかと思う。

　思えばドーハの悲劇となるアメリカW杯の頃はテレ･サンターナ
のような外国人の大物と契約してもプロ化前だった事から、選手の
レベルが低くサンターナのような大物監督を使いこなせないという
理由で日本リーグの監督経験のあるハンス・オフトを招聘した。

　オフトでW杯を逃すとパオロ・ロベルト・ファルカンを招聘した
もののアジア大会で韓国に負け解任となって加茂周が就任したのだ
がW杯最終予選の最中に更迭され、岡田武史が後を引き継いで立て
直すとW杯本番でも指揮を取ったのだ、

　ただしフランスW杯では3戦全敗に終わり4年後の日韓W杯で
はグループステージ突破というノルマを意識してフランス人のフィ
リップ・トゥルシエを招聘し、シドニー五輪ベスト8と日韓W杯
ベスト16という成果は出た一方で‘型に嵌め過ぎ’という側面も
あったため選手に自由を与えるジーコがドイツ大会は率いていたし
1分2敗に終わると‘弱者のスタイルで戦える’イヴィチャ・オシ
ムを迎えたがオシムが病で倒れると岡田武史が監督に返り咲き南ア
フリカ大会では守備的に戦いベスト16に進出する。

　とはいえ岡田監督が就任後積み上げてきたスタイルを捨てての
ベスト16には賛否両論があり攻撃的スタイルのアルベルト･ザッ
ケローニがブラジルW杯まで監督をするのだが、選手達の主張を
抑えきれず1分2敗となってグループステージ敗退しアギーレや
ハリルホジッチを招聘したが八百長問題疑惑や選手とのコミニケ
ーション問題で残り2ヶ月でアトランタ五輪代表監督の西野朗に
引き継がせてベスト16進出となったわけだ。

　こうして見ていると過去3回W杯でグループステージを突破して
いるのだが自国開催の時以外は日本人監督での成果で決して日本人
監督が悪いという事でもないし、W杯前にNHKでOAされた日本
サッカー界を振り返る番組で‘ジーコにスカウティングレポートを
見せたら必要ないと言われた'などバックアップするスタッフとの
間に軋轢があったような話も聞く。

　そういう意味ではそろそろ日本人監督も悪くないとは思う一方で
海外の強豪国との折衝や情報収集などは大丈夫かと考えるのだが、
アーセナル監督を退任したばかりのアーセン・ベンゲルがアドバイ
ザーとしてバックアップする体制になれば解決する。

　ただし協会側も今回は‘コミニケーション不足’という言い訳は
通用しないし、しっかりバックアップしてやるべきだろう。