世界が見えた戦い 86年W杯アジア最終予選・日本vs韓国を見て思うこと

 プロ野球日本シリーズの合間である11月18日にNHKのBS-1で伝説の名
勝負 世界が見えた戦い86年W杯アジア最終予選・日本vs韓国がOAされて
いたので見たのだが、結果が分かっているだけでなく日本が敗れて悔しい思いを
したにも拘らず改めて見ると いろいろな発見があった。

 ゲストに当時の両チームのキャプテンだった加藤久とパク・チャンソンが映像を
見て振り返りながらコメントしていたのだが、何といっても既にプロ化していた
韓国とアマチュア最強に過ぎなかった日本との差がモロに分かる。

 アマチュアならば練習で培ったものを試合で全て出し切る事が重要だったのに
対し、プロは結果が全てだから日本をありとあらゆる角度から分析して対策を
練ってきていた。

 ホーム&アウェーの初戦が日本での試合だったので韓国は最悪引き分けOKと
いう形で引いて守り日本を自陣におびき寄せてカウンターから得点を狙うと
いうプランを実践したという事。

 だから前半など日本が思った以上にボールを持てるものの肝心なペナルティ
エリア付近になると 悉くはじき返される展開で試合が進み、ディフェンダーまでが
攻撃に参加するために上がったスペースを突かれて30分過ぎから2失点する
のだった。

 加藤久ではないが‘韓国の手のひらの上に乗せられていた’状態での試合
だったわけで、見た目やスコア的に競っていてもプロとアマの違いが分かるし
敗退後に首脳陣や選手達がプロ化を訴える事態になりライセンス制という中途
半端な形ながらプロ化の第一歩を踏み出す事になる。

 だから仮に この試合で運よく勝ってW杯に出場してもアマチュアのままでは
打ち上げ花火のようなものだっただろう。

 プロの韓国に敗れた事がプロ化への きっかけになり、Jリーグが発足して93年
にアメリカW杯まで あと一歩と迫りながらイラクからロスタイムで追い付かれて
出場できなかった‘ドーハの悲劇’があったからこそ4年後にイランにVゴール
勝ちしてフランスW杯出場を決めた‘ジョホールバルの歓喜’に繋がる。

 ちなみに現在サッカー部に入っている高1の甥っ子にドーハでのイラク戦を
見せたら最後の場面で‘何でボールキープしないの’と言っていて、高校生
でもリードしての逃げ切り方を知っているのもドーハの悲劇があったからこそ
だろう。

 フランスW杯に出場して3戦全敗に終わったからこそ、その反省から4年後に
自国開催で2勝1分でベスト16に進出できたと思う。

 日本人は夏の甲子園のような初出場校が勢いに乗って初優勝するようなパタ
ーンが大好きだが、プロの世界では そうはいかない。

 今年8年ぶりに日本一になったホークスも08年に最下位に終わると09年に
3位に入ったもののCSの1stで敗退の悔しさが昨年のリーグ優勝に繋がったし、
昨年リーグ優勝したもののCSファイナルで王手をかけながら敗退したのが今年
の日本一に繋がった。

 弱くなるのは一気だが強くなるには時間がかかるし、何度も悔しい思いをしない
といけないという事だろう。

 

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