和田が2000安打=42歳11カ月、最年長で―プロ野球・中日
先日ドラゴンズの和田一浩がマリーンズ戦で45人目の2000本安打
を達成した。
42歳11ヶ月と史上最年長での達成という事もあって大いに話題に
なっているのだが、個人的に注目したいのは独特の打撃フォームの変
換である。
ライオンズ時代に極端なオープンスタンスでバットを寝かせていた
のが10年にスタンスを狭めてバットを立てる形に変更すると、11年
にはスタンスがスクエアになって今年はグリップの位置を下げて構え
るようになっていた。
プロの打者にとってフォームを変えるというのは以前なら かなりの
覚悟を要していたし、張本勲などは‘一旦決めたフォームは絶対に変え
てはいけない'的な事を事ある毎に強調しており最後まで一本足打法に
拘った王貞治が格好の例だった。
ところがイチローなどは毎年のようにフォームを変えていくし名
打撃コーチといわれた中西太は‘昔は30代前半で引退していたので
引退するまで同じフォームで打っていたのだが、今はスポーツ医学も
進化したので40歳を越えてもプレーできるようになっているから
年齢にあわせてフォームを変更するのは当たり前'と語っていた。
その好例として挙げたのが長嶋茂雄で‘全盛期はGIANTSのロゴ
辺りだった左腕が晩年は腰の辺りに下がっていたのは、胸の辺りで
構えるより腰の辺りで構えた方が筋力に負担がかからない’と言い
‘最近は自らのフォームを維持する事に拘るあまり筋トレをした
ものの、その分 体重が増えて下半身をガタガタにする打者がおる’と
盲目的な打撃フォームの維持に対する警鐘を鳴らしていたのだ。
それを考えると和田はイチロー同様フォーム維持に拘らない柔軟
な思考回路を持っているという事だろうし、それこそが少しでも長
く現役生活を続けられる要因だと思うのだ。