‘アンタッチャブル’川島郭志の戴冠から20年

 今から20年前の昨日94年5月4日に行われたWBC:Jバンタム級
タイトルマッチで川島郭志が王者のホセ・ルイス・ブエノとの技術戦で
完勝しタイトルを奪取した日である。

 川島郭志といえば高校時代から活躍したアマエリートで鳴り物入りで
ヨネクラジムからデビューしたものの、高校時代のライバル・ピューマ
渡久地に東日本新人王決勝でKO負けしたり拳を骨折するなど挫折を
わい同世代の辰吉丈一郎や鬼塚勝也に世界取りで先を越される。

 ところが骨折でブランクを作った間に修得したのが歴代世界王者の中
でも屈指のディフェンステクニック。

 これを生かして復帰後に日本タイトルを奪取し3度防衛してブエノへ
の挑戦が決まり、技巧派同士の見応えある技術戦の中で11Rに左ストレ
ートでダウンを奪い3-0の判定で完勝したのだった。

‘アンタッチャブル’と呼ばれたディフェンステクニックを生かして打た
せずに打つスタイルは、戴冠前に弱点とされていた打たれモロさを克服す
るのに十分で後のIBFフライ級王者のカルロス・サラサールやブエノとの
リターンマッチでも危なげない見ていて安心できる戦いぶりだった。

 ただ残念ながら日本では激闘型の方が一般受けする土壌という事
から後の徳山昌守ら同様 地味な存在として扱われ、実力相応の人気
を得るまでには至らなかった。

 それを考えると川島や徳山らディフェンスマスターと呼ばれる技巧
派王者は国内での試合に拘らず、技巧派が評価されるヨーロッパあた
りで敵地防衛戦を行なう方がいいのではないかと思ったりするのだ。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
最初は相模原ヨネクラ所属でしたね (ある)
2014-05-13 16:21:03
出場予定だった興行で、腕にギプスを付けてリングに上がり
試合できない事を客席に詫びていた事を思い出します。
※あれは大橋秀行メインの試合だっけっかなぁ・・・

それまでは、パンチもあるゆえ打ちに行くボクシングもしていましたが
ブランクの間に足とボディワークを磨いて復活しましたね。

特にサイドに回るフットワークは絶品で。
日本王座を奪った小池戦では、右にスーッと回って相手が振り返ったところにショートの右を突き刺し、ものの見事にダウンを奪いました。
※個人的には、この試合が川島のベスト試合だと思います

世界奪取では「左に回って左」のパンチをブエノにヒット、技巧の王者を上回る芸術的なダウンシーンを見せてくれました。

防衛戦で、このパンチをそうそう披露してくれなかったのは残念でしたが、
こういう「目を見張る技のパンチ」でダウンを奪う日本の選手は珍しかったし、今でも殆ど見ないですね。
※「長谷川穂積がこのパンチを習得してくれたら」というのが私の見果てぬ夢でした。他の要素では川島を凌駕しているだけに・・・。

どんなにリードしてても李承九の強打一発で崩壊しかるなど、その打たれモロさも相当のモノでした。
※浜田さんはエキサイトマッチで
 「完全にペースを掴むと少しくらい強いパンチを貰っても効かない」と仰ってましたが
 見事に効いていました・・・。

ただ、致命傷になるような追撃は食わず、再度ペースを持ち直したのはやはりスランプ時代の苦労の賜物でしょうね。

けっこう淡白な試合もあった気もしますが、その辺も含めて
オットケやバイエルのような(その階級で)小柄な技巧派が人気あったドイツや、
ジョニー・ブレダルが人気あったデンマークなどなら遠征しても面白かったと思います。
 
 
 
日本タイトルが (こーじ)
2014-05-13 23:08:20
>ある様
 川島のベストバウトが小池との日本タイトルマッチだったというのは同感でして、同じくライバルの鬼塚も中島俊一との日本タイトルマッチがベストバウトだと
思うので共に世界を取る前にベストバウトが来た感じですね。

 ただ李承九戦はダウンしたもののダウンのおかげで追撃されずに済んで8カウント休んでダメージ抜きに使う
など冷静さを保っていたのが印象深いです。

 残念ながら日本では意地でもダウンを拒否する辰吉の
ような激闘型の選手の方が受けるので、地味な印象が最後まで残ったのかもしれませんけど だからこそ技巧派が
喜ばれるヨーロッパで防衛戦をして欲しかったと思うものです。
 
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