“監督やGMのようなもの”で自滅。中日ベンチ内で、一体何があった？
先日ドラゴンズの谷繁元信監督がシーズン中に解任された件で
落合博満GMへの批判があったし、拙ブログでも落合はGM不適格
者と記した。
GM＝ゼネラルマネージャー制度はMLBでは当たり前で、最近では
この部署の優劣でチーム力が上下するといわれており現役時代の
実績は一切関係ないどころか経験者でなくても能力さえあれば務
まるポジションだ。
一方 日本では総監督という受け止められ方をしており、最初に
GMを名乗った広岡達郎など正しくそのパターンで自ら連れてきた
ボビー・バレンタインの采配に介入するなどした事から衝突する。
バレンタインにしてみればGMとは戦力をお膳立てしてくれる存在
であり現場への介入はタブーという概念があるだけに、広岡の現場
介入は不快以外の何ものでもなかっただろうし衝突&辞任という形に
なったのは当然だろう。
むしろGMという肩書はつかなかったものの日本球界で最高のGM
的な仕事をしたのは故・根本陸夫氏だ。
93年にホークスの監督に就任すると翌94年にはライオンズ相手に
エースの村田勝喜や首位打者経験者の佐々木誠らを放出して、秋山
幸二や渡辺智男らを獲得するトレードを成立させている。
当時ホークスは両翼100ｍの福岡ドームに移った直後だっただけに
マスコミの多くは‘HRで得点するスタイルは捨てなければいけない
のにHR打者の秋山を取り、エースの村田を最大のライバルにくれて
やるとは’と このトレードを批判した。
また投手陣が崩壊して最下位に終わった96年はアトランタ五輪の
年でもありアマチュアの好投手達がプロ入りを表明していたにも拘
わらず1位・井口資仁、2位・松中信彦、3位・柴原洋と野手ばかり
獲得しマスコミから避難されただけでなく王貞治監督も激怒して
いる。
しかし根本氏がマスコミの非難を恐れずに獲得した秋山や井口に
松中らが後にホークスの黄金時代を築くのだから先見の明があった
という事だし、河原純一から手を引いて城島健司を獲得した例を踏
襲するかのようにソフトバンクになってから菊池雄星には目もくれ
ず今宮健太を獲得した姿勢も根本氏が遺した価値観の遺産だと思う。
監督時代パッとしなかった根本氏が行ったGM的な仕事が絶妙で、
これなど監督としての手腕は素晴らしかった広岡達郎や落合博満
とは真逆だろう。
巷では原辰徳前監督にジャイアンツサイドがGMとして復帰する
よう働きかけているという記事があったそうだが、原が監督として
の手腕はともかく編成権を自由に扱えるGMへの適性があるのかも
調べずに読売サイドが勝手にその路線を踏襲させようとしている
としか思えないわけだ。
GMを据えるなら根本氏のような先見の明がある人材が現役時代
や監督時代の実績なしで選出するのが第1条件で、今のドラゴンズ
の落合博満GM体制はGMというより総監督という名の方が相応しい
と思うのだった。
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