池中玄太Ⅲ・1話レビュー

　池中玄太80キロⅢのOAから30年経ったという事から当時の
ビデオを久しぶりに引っ張り出して見たので、レビューを書いて
見たいと思った。

　残念ながら蒲田時代に撮っておいたビデオテープだけでなく室内
アンテナだったので映りも悪いのだが、それをガマンしてでも見る
だけの価値がある面白さだった。

　パートⅢは玄太と暁子さんとの間と長女・絵里に子供ができるま
での話を軸に、二女・未来の海外留学と三女・弥子の私立高校受験
合格の話だけでなくヒデさんが桜田淳子演じる料理研究家・小日向
あきら女史に惚れてしまうという展開。

　1話はパート1の世界から12年後という設定で前妻・鶴子の13
回忌の最中に暁子が前置胎盤の症状で入院してしまう一方、高校受
験を控えた弥子が出産費用がかさむ事を考慮して希望する私立校の
受験を止めようと悩むわけだが最終的に暁子や玄太の説得で希望校
への受験を決意。

　一方ただでさえ出産費用がかさむのに私立校の入学金や寄付金に
学費など悩む弦太に楠公さんがヒデさん用のバイトを紹介したのが
料理写真で、料理を作っていたのが小日向あきらで鶏料理を出され
た玄太は早速ブチ切れてケンカになり代わりにスタジオに来たヒデ
さんはあきらに一目惚れ。

　そこへ家族のために翻意した玄太がスタジオに来るのだが、実は
あきらは楠公さんの友達の娘で大京グラフの嘱託として後日スタッ
フとして配属される。

　直後に未来や弥子達から電話があり弥子が志望校に合格したのを
知らされ、大喜びで外出していたら未来が何と外国人の男と腕を組
んでにこやかに歩いていたのを見た玄太は大きくショックを受ける
というところで次回へ続く。

　冒頭で護送されてきた凶悪犯の撮影に来たはずの玄太は鳥のアカ
コッコを見つけて撮影に夢中になり、犯人の写真を撮り損ねて楠公
さんと大ゲンカになるという‘お約束’からスタート。

　出産を控えた暁子の所に同じく出産を控えた絵里が来たのは前妻
・鶴子の13回忌の相談に来たわけだが、実は暁子が既に法要の寺
を予約してくれているなど素晴らしい心配りが見える。

　その法要には暁子の母・春江をはじめ楠公さん一家や高田敏江演
じる鶴子の姉で玄太の‘天敵’である隆子伯母さんまで同窓会的な
雰囲気になるのだが、ここで暁子が前置胎盤の症状が出て絵里の夫
・奥村医師の計らいで入院するわけで暁子を演じた坂口良子は当時
実際に妊娠していたのだから妊婦役を地で演じていたし絵里の妊婦
姿も演じていた杉田かおるは3年B組金八先生でおなじみだった。

　法要が行われた寺では暁子が具合悪くなったのをヒデさんに注意
された玄太が慌てて暁子の下に行く時に足が痺れていたり、楠公さ
んと話し込んでいたタイミングで暁子が入院した病院からの電話を
受けに行く時に慌ててお茶をこぼして熱がると寺の廊下で滑りこけ
るなど‘お約束’のドタバタシーンが嬉しい。

　またプレーボーイ的なヒデさんがあきらとの初対面で一目惚れし
ただけでなく、あきらが大京グラフ編集部に配属されて来た事から
ヒデさんがソワソワし始めるのが楽しく居酒屋での玄太との会話も
楽しい。

‘あんなオマエを見たの初めてだよ’と異口同音で始まり

‘オマエ見てるとつくづくアホでどうしようもないヤツに見えるけど、
時々やたらと羨ましくなる。
本当に愛する者を持った者の強みかな。
おめぇにはそれっきゃねぇしオレにはそれだけが足りねぇ’

‘そりゃよぉ、家族ってぇのは宝物だからよぉ誰だって宝物持って
りゃあ大事にするのは当たり前だろう’

‘その当たり前の事をできるヤツが減ってきたもんなぁ’

というような掛け合いはこのドラマ最大の魅力の1つだと実感する。