左手中指の受難

 我々の仕事は手の指が重要なファクターになるわけだが、3月の
下旬に私の左手中指が度重なる不運に見舞われた。

 3月の半ば過ぎから左手中指の爪の間に髪の毛の切れ端が入り込
んでチクチクしていたので無視していたら、24日の月曜明け方ぐら
いから患部が痛み始めたので見てみると爪の中が黄色い部分ができ
て明らかに化膿しているので外科に行って診てもらう事に。

 そこで爪切りニッパで深爪してもらって入り込んでいた毛を除去
した後に、イソジン消毒をし化膿止めの抗生物質を処方されて服用
する事で徐々に治り始めていた。

 ところが3月30日に仕事中ハサミで左手中指の裏側を誤って挟
んでしまうと、次のお客さんのカット中に今度は左手中指の外側を
同じくハサミで切ったのだからたまらない。

 実は22日に長年メインで使っているハサミをメンテナンスに出
している間に福岡での修行時代に購入して使ってなかったハサミで
仕事をしていたのだが、正直言って手に馴染むまでは時間がかかる
し切れぐあいの感覚も微妙に違うわけで両方の切り傷共々いつもの
ハサミでは切れる事がない感覚だった。

 だから今でも亡父らのハサミが残っているものの、いくら切れが
よくても前任者のクセが微妙に残っているので馴染みが悪く使う気
にならないのだ。

 また指先の化膿も爪の端の部分に髪の毛の先などが刺さり込んで
化膿する事はあっても爪の間に入り込んで化膿する事はなかったし、
こういった入り込んだ毛は時間が経つと出てくるので無理して取り
に行くと却って悪化させるため放っておいたのが裏目に出た形だ。

 こうしてみると50を越えると皮膚や免疫力が弱まり若い頃なら
早く取り出せた髪の毛の先が出にくくなるし、化膿もしやすくなる
という事になるのだろうが今回ばかりは指のケガの治りも以前より
遅くなっており年齢的な衰えを実感するものである。

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