ノーシード沖学園、4度目の挑戦で栄冠 背番号10完封
今年の高校野球・夏の甲子園大会は100回記念大会という事で
福岡が史上初めて2校出場できたのだが昨日は北部の決勝で折尾
愛真が飯塚に12-9で打ち勝って初出場を決めたのに続き、今日
は南部の決勝が行なわれ沖学園が九産大九州に1-0で勝ってコチ
ラも初出場となった。
今大会は北部では三季連続出場を狙った東筑が初戦で北九州に
敗れたのをはじめ、春の九州大会王者の九州国際大付も2回戦で
4-0とリードしながら9回に5点を奪われ敗れるなど波乱続きで
‘小倉にチャンスあり?’と思われたが準決勝で飯塚打線から打ち
込まれて下馬評では扱いが小さかった折尾愛真が出場を決めたのだ。
南部もシード校の福工大城東や西日本短大付らが早々と敗退し、
最終的にノーシードの沖学園が西短や東福岡に福大大濠を倒して
決勝でも好投手・村上幸人からもぎ取った1点を守りきっての出
場となった。
かつて福岡は北部が進学校を中心に公立校が強く投手を中心とし
た固い守りで巧みに奪った1点を守りきるスタイルが中心だったの
に対し、南部は私立校が大型チームを作りスケールの大きなスタイ
ルで戦っているという特徴があり07年までは南部優位の流れが続
いていた。
ところが06年に九国大付が東北の若生正広監督を招聘した頃か
ら北部が盛り返しスケールの大きなスタイルで戦い始め、優勝した
折尾愛真は6試合全てで2桁安打を放っただけでなく最低でも6点
を奪っているのが特徴で準優勝の飯塚も6試合全てで2桁安打を放
っていた。
一方で南部は甲子園で勝つスケールの大きなスタイルよりも、
甲子園に出場する事を第1に考えるこじんまりとしたスタイルに
なってしまい今大会でも北部と南部の試合を見比べたら明らかに
北部勢の方がスケールが大きかったのだ。
しかも折尾愛真や飯塚に沖学園は最近のトレンドであるバント
に拘らないパワー野球に複数投手制を取り入れていたのに対し、
南部の準優勝校・九産大九州や北部の優勝候補・小倉は村上や河
浦といった好投手1枚に頼るスタイルだったというのも明暗を分
けたのだろう。
こうしてみると福岡から出場する折尾愛真や沖学園は最新の
スタイルで戦ったからこその甲子園出場だというのが分かる。